福島原発事故以来、客観的な放射線強さの測定をして、継続的に新聞発表をしている文部科学省には感心しています。今日の発表は今朝の読売新聞の29ページに出ています。
その測定値を毎日みていると以下の様な傾向が明確に分かります。
(1)東北地方全域の放射能強さは初めの頃の水素爆発以来、じょじょに低下傾向にあります。昨日の31日の測定値は多くの地域で前日以下となっています。特に福島市では10日前の三分の一近くまで減少しています。
この事は福島第一原発での多量の海水汚染にもかかわらず空中へ放散される放射性物質が次第に減少している事を示しています。この事実は福島県民にとって大きな安心情報です。
(2)所が以前から福島第一原発の北西30km地域だけは不思議に放射線が強いのです。以前から140マイクロ・シーベルト/hourという測定値が続いていたので私も心配していました。文部科学省も注意していたらしくてこの地点の3月23日正午から連続して7日間の積算放射能強さを測定して昨日発表がありました。
北西約30km付近の浪江町:7490マイクロ・シーベルト/7日間
北西約30km付近の飯館村:4449マイクロ・シーベルト/7日間
西北西約30km付近の浪江町:3428マイクロ・シーベルト/7日間
これら3地点での測定値を365日へ換算するといずれも年間許容量の1000マイクロ・シーベルト以上になります。
そこで、測定値の最大の7480マイクロ・シーベルト/7日間を50倍して年間に換算すると、374000マイクロ・シーベルト、すなわち374ミリ・シーベルトになります。この値は健康に害のある200ミリ・シーベルトを越えるので、このままの放射線強さが今後1年間続けば危険信号と考えられる。
浪江町はすでに避難していますが、避難地域でない飯館村はこれからの放射線強さの測定値を注意深く見守る必要があります。
そして何故、福島第一原発の北西方向だけが危険なのか?その原因を文部科学省が気候データの解析とともに明らかにして欲しいと思います。
どうぞ皆様もお考え頂き、何かご意見がありましたなら是非コメントとしてご投稿下さいます様にお願いいたします。