このところ毎日のように文部科学省は東北地方や関東・甲信越地方の各地の空気の放射能強さの測定値を発表しています。
その測定値の4月1日と2日の測定値を比較してみます。放射線の強さの単位はマイクロ・シーベルト/hour です。4月1日の測定値に対して比べた2日の正午の測定値を示します。なおカッコ内の数値は午後4時の測定値です。そして3番目の数値は4月3日午後4時から5時にかけての測定値です。
青森市0.026:0.027(0.027):0.027
盛岡市0.028:0.025(0.025):0.025
仙台市0.093:0.088(0.085):0.080
福島市2.80:2.71(2.53):2.34(3月18日は5.7でした)
いわき市0.62:0・62(0.60):0.55
山形市0.063:0.062(0.061):0.061
宇都宮市0.092:0.089(0.086):0.084
水戸市0.195:0.188(0.180):0.175
さいたま市0.080:0.078(0.075):0.073
東京・新宿0.101:0.097(0.094):0.091
千葉・市原市0.075:0.068(0.067):0.065
長野市0.049:0.045(0.044):0.044
静岡市0.042:0.041(0.045):0.039 などとなっています。
以上から分かることは青森市以外の全ての地点での放射線強さは間違いなく減少している事です。これは大変喜ばしい現象です。なお青森市の差の0.001は測定誤差の範囲です。
しかし福島市、いわき市、水戸市、などの放射線強さが依然として高い値になっています。これは明らかに福島第一原発から飛散されている放射性物質によるものと考えられます。それから北西40km付近の飯館村の土壌は相変わらず要注意です。
さて福島原発から相変わらず少しの放射性物質が飛散されているようですが、その現場の現状はどのようになっているのでしょうか?
放射能で汚染された水が何処から漏れて、どんな経路で海まで流れ出ているかについては判断が出来ていません。汚水の流れの経路が分からないのです。
しかし1号炉から3号炉までの炉心圧力容器内へ真水を非常用電源で注入しています。その注入ポンプの電源を非常用発電機から外部電源へ切り替える作業をしているようです。炉心へ注入した真水が何処へ流れ出ているいか不明のまま、兎に角、真水注入を続行しているので炉心温度は安定しているようです。従って新たな水素爆発や炉心融解が起きて、放射性物質を大量に飛散させるような事態は起きないようです。しかし建屋が壊れているので水蒸気とともに一定量の放射性物質が飛散していると考えられます。この量は減少しつつあると考えられます。
原子炉の現状を一言で言えば、汚染水が海へ流れても兎に角、炉心へ真水注入を続行して炉心の冷却に努力しているのです。
このようにしながら時間を稼ぎ、格納容器の割れ目をふさぎ、冷却水を循環するまで根気よく復旧作業をしているのです。
作業にあたる人々の安全をお祈りしています。