日本文化の領域にも世界へ誇れる分野もあれば、まあまあのレベルの分野もあります。その一方で外国へは恥ずかしいような低い文化領域もあります。
私の尊敬している原子力工学者でブログやネットへ自分の意見を発表するのを躊躇している人も居ます。
そこで福島原発事故に関連したネット上の意見発表を広く検索して、読んで見ました。今日は日曜日で午後は暇なので随分広く検索して読んで見ました。
その結果以下のような傾向があることが分かりました。
(1)放射能と聞いただけで、その強さや種類を全く考えようとしないでやたら怖がっている人々の意見発表。
(2)原子力発電と聞くと、広島や長崎の原爆投下を連想して恐怖感にとらわれる人々の意見発表。
この2つのカテゴリーの人々は単なる無知であり、善意の人々です。無知は恥でないし、軽蔑すべき事ではありません。むしろ尊敬出来るような母親のような人々です。
(3)従来の自民党や大会社の日本の権力構造に感情的に反発し、それを憎むあまり悪意ある感情的な意見発表をする人々。
(4)近代工業や先端技術の作る利潤にありつけず恨みを持っている人々の片寄った感情的な意見発表。
(5)無農薬農業や環境保護に狂信的に心酔している人々の感情的な意見発表。
上の(3)、(4)、(5)は心情的にはその気持ちは理解出来ますが、その非客観性と非科学性には悲しい気持ちになります。ああ、日本の小学校、中学校、高校の理科教育はどうなっているのでしょうか?嘆かざるを得ません。
この状態ではまともな原子力技術者や真面目な原発行政官はネット上に意見を発表する訳にいきません。
原発を取り巻く我が国の文化は実に不毛な文化領域なのです。
しかし私は従来通り可能な限り客観的に、そして科学的合理性を大切にしながら福島原発事故関連の記事を書き続けて行くつもりです。
どうぞ皆様のご支援を宜しく御願い申し上げます。
私は原発に関しては素人です。しかし一市民として知りたいと思っている情報を東京電力が公開しません。随分後になってから公開します。まさしく後出しジャンケンのようで卑怯極まりないのです。
もっとも市民として知りたい情報は人それぞれでしょうから私の個人的な要求を必ず聞いてくれと言うつもりはありません。しかしその2つの例だけを下に書き、皆様のご意見をお聞きしたいと思います。
(1)はじめの頃に、原子炉建屋に充満した水素ガスが爆発し、原子炉格納容器や炉心圧力容器につながる数多くの配管を壊したと想像できます。この水素爆発こそが、その後の深刻な事態の原因になった可能性が一番大きいと思います。
私がはじめから知りたかった事実は、建屋の天井付近には水素ガスを排気する通風口が何故無かったか?という疑問です。それが無かったとしたら、それは原発を設計したアメリカのGE社の設計ミスです。長く疑問に思っていましたら、2、3日前になって東電側が通風口の開閉を行うモーターが停電で開ける事が出来なかったと発表したらしいです。この発表は大変重要な事ですので早い時期に何度も発表すべきと思います。
(2)炉心へ海水を注入し始めたという情報公開はすぐに出しましたが、どのような配管を使って行ったかの情報は終いまで公表しませんでした。そして海水が注入出来たのに炉心の水位が上がらいとい発表がありましたが、毎日何トンの海水が炉心から漏れ出していたかという定量的な発表はありませんでした。
それが昨日になって真水注入は原子炉建屋の外に設置したポンプを使って、「原子炉停止中の炉心と貯蔵プールを冷却する配管」を通して行っていると図面とともに発表がありました。毎日550トン位の汚染水が漏れたらしいという事も示唆していました。
そうすると最初の海水注入もこの系統を使ったと想像できますが東電側は発表していません。
一般市民は炉心冷却の注水方法が大変心配なのです。持続的に、頼りになる注水方法なのかが心配なのです。そして注水した水が循環しないで、全て漏れている事を心配しています。それなのに何故今頃になってやっと発表するのでしょうか?
東京電力はいろいろな方法を試みている筈です。それを一々発表して後で失敗だと解ると責任問題が起きると恐れ、成功した方法だけを後出しジャンケンのように公表しているようです。
東京電力はそんな小役人的やりかたを一切止めて一般市民が安心するように全ての情報を公開すべきと信じています。全ての情報を公表すると一般市民へ不安を与えるから隠蔽するという思想は市民を見下げた傲慢な考え方なのです。
一般市民にはいろいろな情報を総合的に組み合わせて考える力があるのです。東京電力の情報公開を強く非難したいと思います。(終り)
今日はミサに行きました。一昨日から3日連続で米軍・自衛隊・海上保安庁が共同で大規模捜索を展開しています。
一昨日と昨日の2日間、海上と沿岸部で見つかった遺体は66人でした。今日も捜索は続きます。それとは別に自衛隊が独自に陸上の瓦礫の下から見つけた遺体は2日間で合計133人でした。
ミサの間に、この199人の方々へ、心からの冥福を祈ってきました。3月11日の地震・大津波以来3週間余、冷たい瓦礫の下や海の中でさぞ寒かったでしょう。
米軍、自衛隊、海上保安庁の方々へ心から感謝の祈りを捧げました。
そして今回の災害で亡くなった全ての方々のご冥福を神へ祈ってきました。人生の途中で突然亡くなったので、さぞ無念だったことでしょう。心残りだったてでしょう。
ご冥福をお祈り申し上げます。藤山杜人
福島第一原発の復旧作業は一進一退ながら毎日少しずつ良い方向へ進んでいます。素人の私が一市民として重要な進展と考える事項を今日の新聞から拾いあげました。
(1)従来マスコミは公表していなかった炉心注水用の冷却系の図面が発表されました。この事実は炉心を真水で冷却する仮設ポンプへ外部電源が繋がったので安心して、外部発表に踏み切ったと思われます。
この仮設ポンプは原子炉建屋の外に設置してあり、原子炉が停止中の炉心と貯蔵プールを冷却する配管を通して真水を送っています。ポンプが建屋の外にあり、外部電源で動いている事で私は非常に安心しました。
(2)1号炉から3号炉までこの仮設ポンプを使って合計毎日550トンの真水を炉心に送っています。しかしその全てが何処へ漏れています。原子炉敷地にこの水が溢れ出ていませんので、大多量は炉心を通ってからいろいろな溝やトンネルを通って海へ流れ出ているとしか考えられません。現に海の放射線強さは増加する一方です。
(3)アメリカ側のアドバイスで原発から半径30km以内の多くの地点での放射線強さの測定を始める事になりました。今まで測定していなかった非科学的な態度に憤懣を覚えていた私の溜飲が下がりました。
これを測定しないと空中放射能の拡散と気象の関係が解析出来る筈がありません。その上半径20km以内で、避難した住民の一時帰宅の危険度が全く分かりません。避難した住民は残したペットを救出したり、忘れ物を取るために一時帰宅しているという報道もあるのです。セシウム137が土壌に蓄積していますから長期期間の帰宅まだまだ先の事になりますが、極短時間の帰宅の方法を研究すべきです。
(4)福島原発の制御室に電灯がつき、各種計器が動き出しました。狂ってしまった計器の検定・補修には時間がかかりますが技術陣の志気が非常に上がります。
以上、要するに福島原発の現状を一言でいうと、炉心冷却に技術陣はある程度自信がついた事に要約できます。一方炉心や貯蔵プールで放射能に汚染された真水が毎日550トン近く、福島沖の海水へ流れ出しています。
素人の私の綜合判断では、福島県陸上部の放射線は下がる一方で、安全です。しかし海の汚染が続いています。黒潮の流れる太平洋で薄まりますので私は福島沖の魚でも食べます。しかし風評被害で漁業は大きな打撃を受ける恐れが出てきました。
今日も福島原発の現場で温かい食事も食べられないで復旧作業をしている全ての人々に放射能の被害が絶対に起きないようにお祈りしています。健闘をお祈りしています。藤山杜人
初めまして。それでは反論させて頂きます。
まず、前提条件となっている「年間に人間が被爆しても危険の無いと言われている200ミリ・シーベルト」とは、放射能による健康被害の想定がもっとも緩い科学者団体の値を採用したものです。
しかし、「1ミリ・シーベルトでも健康に影響しないとは断言できない」 「専門家が集まっても、どこからが安全でどこからが危険かという線引きが難しい」のが実情です。
200ミリ・シーベルトより基準の低い科学者団体が多数あることを無視して、緩い基準のみを取り上げて結論付けるのはフェアではないと考えます。
http://www.bbc.co.uk/news/health-12722435
100mSv/年 ・・・ 癌の増加がはっきり確認できるレベル
350mSv/生涯 ・・・ チェルノブイリで村を放棄した基準
科学者間ですら統一的な知見を出すことが難しいという事情に加えて、10万人に1人健康被害が見込まれる領域を安全とするのか、100人に1人健康被害が想定される領域すら大したことはないと言ってしまうのか、「安全」の線引きが変わります。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110321/dst11032101180005-n1.htm
本当に100人に1人癌になることは、大したことがないでしょうか?個人的には、高リスクの数値だと考えます。
さて、日本国内の暫定基準値ですが、野菜の基準値としては放射性ヨウ素が2000ベクレル/kgまでで、トータルの年間被曝量を5mSvまで見積もられております。
一方、国際基準の方ですが、コーデックスガイドラインをご覧ください。
http://www.codexalimentarius.net/web/more_info.jsp?id_sta=17
(PDFファイルの37ページの表を参照)
(FAO及びWHOにより設置された国際的な政府間機関が、国際食品規格の策定したもの)
ヨウ素131は100ベクレル/kgまでで、トータルの年間被曝量が1mSvに見積もられています。
両方とも放射能汚染事故が起こった場合に適用される緊急的な基準値(事故後最初の1年目)です。
つまり、日本国内の基準値は、国際基準より【5倍も緩く】設定してあります。
実際、シンガポールなどでこのコーデックスガイドラインの基準を上回ったことを理由に、日本の一部地域の食品が輸入停止になりました。
上記のような知識なく報道を見ると、「政府は放射能に汚染された食物が国民の口に入らないように、他の国の基準より厳しい値を採用して国民を守っている」ようにミスリードするような書き方をしているものが多いです。
しかし、恐らく状況が落ち着けば、日本の暫定基準値が事故当事国用の国際基準より緩いものであることが、国民に認知されていくと思います。
そうなったとき、東北や関東の農家は消費者からの信用を失い、よりいっそうの買い控えが起こるのではないでしょうか?
むしろ、暫定基準ではなく、より厳格な国際的な基準値を遵守することで、消費者に安心を保証し、信用を失わずに済む活路であると考えます。
投稿 松本 | 2011/04/03 21:14