私の故郷の仙台にある河北新報社が今回の大震災の被害状況の写真集を出しました。仙台に住んで居る実弟が送ってくれました。
一冊、1000円です。申込方法などは、http://www.kahoku-ss.co.jp/tsunami.html をご覧下さい。
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原子力発電は技術的にそんなに難しい発電方法ではない。従って安全度は比較的に高い。その上新しい科学原理の実用化という興味深い実用技術である。技術者としての立場から是非推進、発展させたい。---これが今までの小生の考えでした。
そのような視点から原子力発電の安全性の程度を理解して頂くために数回にわたって、このブログで色々説明をして来ました。しかし原子力発電へ強く反対する方々が多いことを知りました。
原子力発電は人間の傲慢の象徴で、青く美しい地球を子孫へ残せないかも知れない。このような直感的反対が根強くあります。人間の感情の奥底から出てくる根源的な反対です。
科学はひどく限定された自然現象しか解明していません。未知のことが多すぎます。科学的に安全性を予測するのも重要ですが、直感力も重要です。
多くの人々が危険と感じながら我慢して生きているのです。間違った感じ方かも知れませんが、そのような心配を持って送る人生は決して幸せとは言えません。
色々考えて来ました。最近はやはり原子力発電には反対したほうが良いという気持ちになってきました。ただし現在稼働している原子力発電所を全て停止、破壊するという過激な提案ではありません。寿命の来た原子力発電所を次第に火力発電所へ置き換えて行き、最終的には高速増殖炉の「もんじゅ」のような新型炉を3基程度、保持することを提案したいのです。原子力発電所の数を5分の一程度に減らし、危険な事故の起きる確率を下げます。その一方で原子核物理学の応用技術の研究のために新型の実験炉を保有し、発電効率の研究を続行すべきと思っています。
大陽光発電や風力発電を推進する方が多くの人々の幸福感を増大させます。
それらの発電量と発電コストを考えると特殊な場所、用途以外は「趣味の発電」です。その趣味を強烈に好きな人々が居て、豊かな精神生活をおくりたいと社会運動をしている場合はその方向の出費をするのが良いことと思います。無駄な出費でも幸福感をえる為なら無駄ではありません。必要も無いダムを多数作るような無駄に比べれば、金額も少ないし、そのほうが良いと思います。
よく広い砂漠に太陽光発電のパネルを広げれば大電力を得られる。と、主張する人が居ます。しかしその電力を工業地帯へ運ぶ送電線や海底ケーブルの建設コストを考えと現在の技術ではとても現実的な解決にはなりません。
もう少し実用性の高いのは現在稼働中の12ケ所ほどの地熱発電所です。宮城県の鬼首のものは大電力を得ています。変わったところでは八丈島の東京電力の地熱発電所で、島の消費電力の三分の一を発電していて、立派に実用されています。1月に訪問して、その様子を撮ってきた写真を末尾に掲載します。
各家庭に燃料電池を置くという提案は東京ガスのようなガス会社の技術研究所で20年くらい前から研究しています。私も2000年ころ河口湖で開催された燃料電池の国際会議へも出席しました。大学で研究生活をしていた頃にはジルコニア酸化物を固体電解質として使った電池の研究もしたこともあります。しかし燃料電池には電極の劣化という致命的な問題があるのです。これも何時かは解決されるでしょうが、まだ実用技術にはなっていません。
趣味の発電か?実用の発電か?これの違いは発電コストです。1Kwの電力を得るのに5円から10円までコストを下げないと趣味の発電になってしまいます。
しかし最後に一番重要な問題を考えてみたいと思います。それは「正確な発電コストの計算法」の問題です。原子力発電のコストに放射性廃棄物の処理コスト、老朽化原子炉の解体コスト、地元自治体への地域振興支援コスト、政治的反対運動への対策コスト、原子力安全関連を監査、許認可する経済産業省の多数の役人の人権j費まで含めて考える人もいます。
したがって原子力発電のコスト計算はいつも論争になります。いろいろ考えると火力発電よりは安いとは到底考えられません。従って筆者は「原子力発電所をしだいに火力発電所へ変える!」という提案に到達しました。火力の燃料は中近東、アラスカ、樺太、インドネシア、カナダなどから得られる石油と天然ガスです。複数の生産地を組み合わせて安定供給の仕組を現在より一層完全なものにして行くのが重要です(終わり)
下の写真は八丈島にある東京電力の地熱発電装置で島の三分の一の電気を供給しています。手前の低い建物の中に蒸気タービンと発電機が入っていて、奥の太い排気筒は使用済みの蒸気を吐き出していますい。今年の1月28日に八丈島で撮影しました。
富士山は日本の象徴とも考えられます。この富士山のまわりに広がる全国の人々は心を一つにして福島を、そして大地震・大津波の被害者を支援しています。悲劇には大小はありません。悲しみはそれぞれに深く、決して癒す事が出来ません。しかし全国の人々の義捐金は1200億円以上なりました。ボランティアの人々が運搬作業、理髪・マッサージ、心のケアをし、熱いラーメンやピザを作って避難している人々の心を熱くしています。復興への槌音もあちこちで響き始めています。槌音ではなくブルドーザーのエンジン音ですが。
そのような光景をテレビで見ながら、どうしても原発事故の被害地域を思います。津波は天災ですが、原発事故は人災なのです。理不尽にも着のみ着のままで避難した人々の悲しみと怒りは想像に余りあります。今まで平穏に暮らしていた家はそのまま残っています。乳牛を飼っていた人は牛をそのまま残して来ました。悲惨です。この原因を作ったのは人間なのです。経済産業省と東京電力の人々なのです。怒りを感じるのは当然です。
悲劇は半径30km以内に限りません。放射能の怖さが福島県全域を襲い、人々は憤っています。そして風評被害はもっと大きな地域へと広がっています。
福島原発事故は大きく見ると収拾の方向へ向かっているようです。特に昨日は1号炉から4号炉までの具体的な廃炉計画が発表されました。まだまだ予断は許されませんが、やっと長く暗いトンネルの出口が見えて来ました。
廃炉作業は東芝と日立が協力して進める事になって、既に4月4日に東京電力側を相談を始めたそうです。
廃炉作業の東芝案では、半年後に安定冷却に入り、それから5年間かけて原子炉を安定させます。その後で、燃料棒を取り出します。その後原子炉を解体し放射性廃材を取り出し、処理します。そして現在より10年半後の2021年頃に原子炉建屋の解体をし撤去します。残った土地は放射能で汚染されていますからその処理に又数年かかりそうです。
日立案では約10年後に燃料棒を取り出し、原子炉解体に着手します。そして建屋の解体とその後の土壌処理をして約30年後の2041年頃に全ての廃炉作業を完了するという実行案です。
原発炉を4基も同時進行で廃炉することは人類史上始めての事です。まだまだ紆余曲折があるでしょうが、東芝と日立が協力して実行すれば必ずや成功すると信じられます。
さて10年から30年にもわたる廃炉作業の間、避難民は元の土地へ帰ることが出来るのでしょうか?そして何時頃から帰れるのでしょうか?
風評被害は縮小するのでしょうか?まだまだ難題は続きます。福島県全域のきめ細かい放射線量の測定をする努力が要求されます。
そして何よりも10年以上にわたる全国からの支援、温かい気持ちのこもった支援が重要になります。是非、心を福島の人々へ寄せて一緒に根気よく頑張りましょう。廃炉作業の計画の発表でそのような想いを強くしています。
今日も福島県の原発事故被害者の全ての方々のご健康をお祈り致します。そして一日でも早くもとの土地へ戻れるようにお祈りいたします。
藤山杜人