後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

高い秋の空を撮る

2011年09月01日 | 日記・エッセイ・コラム

一昨日の箱根の上空は高く晴れ渡り、秋の白い雲がうっすらとたなびいていました。猛暑の夏も過ぎ、秋が来たと語っているようです。そんな様子を写真に撮りました。お楽しみ頂ければ嬉しく思います。

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リゾート地のホテルや旅館の運命は従業員によって決まる!

2011年09月01日 | 日記・エッセイ・コラム

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仕事を止めてからは暇があるので、時々、リゾート地へ車で出かけ、1、2泊して来ます。

ところが行ってみると満員で活気のある所と、部屋も新しくて綺麗なのにガランとしてさびれている所があります。何故、こうも違いが出来てしまうのでしょうか?一緒に泊った家内の意見も聞いて私は一つの確信を持っています。

「従業員のサービスが良い所は設備が悪くても満員になります」という結論です。リゾート地のホテルや旅館の運命は従業員によって決まるのです。

従業員の質については、板前さんやシェフの料理の腕も大変重要です。上にある写真は今回、箱根で2泊したホテルグリーンプラザ強羅です。

このホテルに泊ったのは今週の月曜日と火曜日でした。2日とも平日でしたが満員でした。客層は子供連の若い家族から高齢者の夫婦などいろいろな年齢層が混じっていました。

何故、このホテルが繁盛しているか注意深く観察して見ました。

2つの発見をしました。従業員の接客態度が洗練していて、温かく優しいのです。子供連の若夫婦へも優しく、老人へも暖かく話しかけているのです。

とくに夕食のダイニングでのサービスが抜群でした。注意して見ると黒服のフロア・マネージャーがお客を万遍なく観察しています。ウエイターもウェイトレスもこのマネージャーを見て動いています。用がありそうなお客が居るとすかさずマネージャーが目でウエイターやウェイトレスへ指示を出します。ビールを運んだり空になった食器をさげるタイミングが絶妙なのです。そのサービスぶりは超一流のレストランと同じなのです。ウエイトレスの小さなミスに気付くと素早く丁寧に対応します。

もう一つこのホテルの強みは創作和風料理の板前さんの腕の良さにあります。私は創作和風料理というと尻込みします。独りよがりの、和食なのか西洋料理なのか訳の分からない不味い代物が出て来るからです。

ところがこのホテルグリーンプラザ強羅の料理長黒須明さんは本物でした。創作料理ながら完璧な和食なのです。そして美味なのです。繊細な感覚の独創性に感服します。

感心していたら黒服のマネージャーが寄って来たので名刺を頂きました。運営部サービス課キャプテン、レストラン責任者の岡本賢一さんでした。

私の感想をお伝えして置きました。

尚、ホテルグリーンプラザはチェーンホテルで全国にホテルを経営しています。強羅だけでなく他の場所でも同様にサービスが良いと想像出来ます。

箱根にはもう一つ、ホテルグリーンプラザ箱根という名前のものもあります。

今回泊ったところが感じが良かったのでご参考までにご報告いたしました。

下の写真は創作和風料理と露天風呂の写真です。(終り)

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もう一つのヨーロッパ文化・・・世紀末の退廃美を示す装飾工芸品

2011年09月01日 | 日記・エッセイ・コラム

ヨーロッパ文化と言えば、キリスト教、油絵、クラシック音楽、などを思いつきます。

しかし身近な日用品を美しく飾った工芸技術もヨーロパ文化のもう一つの側面です。ルネ・ラリックは1860年にフランスで生まれ、1945年に死んだ天才的なガラス細工の職人でした。装身具、香水瓶からオリエント急行の壁飾りガラスまで実に多種多様のガラス細工を生涯にわたって作りました。箱根ラリック美術館には彼の一生の工芸品を数多く蒐集して展示してあります。その全てを見て回ると、精緻な細工と美しさに感動します。そして19世紀末のヨーロッパ文化の爛熟と退廃的な雰囲気が身近に感じられるのです。ガレー、ドームのアールヌーボウに共通する感覚です。そして彼の後半の作品はアール・デコなのです。

誤解を恐れずに書くと、その美には病的な影がつきまとっています。私は今まで「世紀末の退廃美」という言葉の意味が判りませんでした。今回初めて理解できました。

その上、工芸品と芸術品との境界があまりはっきり判りませんでした。しかしラリック美術館を見たお陰で、その違いを説明する事が出来るようになりました。

ルネ・ラリックのガラス細工は優れた工芸品で、それと対照的な物は、箱根彫刻の森にあるヘンリー・ムーア、ザッキン、ブールデル、などなどの彫刻は芸術品です。工芸品は美しく作った実用品です。彫刻は実用品ではありません。実用上は何の役にも立たない無駄な存在です。しかし人間に何故か感動を与える存在なのです。

さて下の2枚の写真でルネ・ラリックのガラス細工を説明します。上はオリエント急行のサロン・カーの仕切り壁にある3枚の半透明なガラスの飾り板と天井にある電燈のシェードがラリックの作品です。

下の写真はフォードの初期の乗用車のラジュエーターの止水栓の上を飾ったカーマスコットで、半透明のガラスの飾り物を示しています。

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箱根のラリック美術館には建物の美しい内装や浴室のガラス壁から多数の香水ビン、女性の装身具まであらゆる種類のガラス細工、金細工、宝石細工が徹底的に蒐集され展示されています。コティ香水会社のニューヨーク支店の建物の内外装の映像もあります。ルネ・ラリックの一生の息使いが感じられるのです。

このように一人の職人の作品を網羅した美術館は稀です。感動します。そして彼の作品が世紀末の退廃美を漂わせてるのです。

ヨーロッパは20世紀になるとロシア革命が起き、キリスト教を排除した共産主義国家が出来るのです。そして第一次世界大戦と第二次大戦が起き、大戦争の世紀を迎えたのです。世紀末の文化はその前兆だったのです。

そのような事を考えさせる箱根ラリック美術館です。そしてその近所にある箱根ガラスの森美術館は古代からベネチアガラスに至るまでのヨーロッパのガラス工芸の優れた作品を展示しています。ラリック美術館を理解する上で大変参考になりました。箱根に行ったら、この2つの美術館と箱根彫刻の森美術館をご覧になると面白いと思います。

それはそれとして、

今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。藤山杜人