久々に川上弘美さんの作品。
ところで、2歳の孫が大好きな「それゆけアンパンマン」。
我が家に来ても、ミニカーやプラレールで遊びながら、一方で、ちらりとTVの画面を。同じ内容のビデオでも何回も観ています。飽きないのかな、などと思うのは、大人たち。
何度も観ているうち、ストーリーを覚えているのか、好き嫌いもはっきりしてきます。なんとなく暗い森の場面になる前に、変えて、と迫る。
どうも気に入らない登場人物の時には、表題が出たとたんに、変えて、と。
勿論アンパンマン、ばいきんまん、ジャムおじさんなどのレギュラー陣は好きなようです。
しかし、次々と新しいキャラクターが登場。だいたいが食べ物に関わるネーミングとなっています。それがコスチュームとかとぴったりはまっているのが見事。
背景・場面も登場人物、ストーリーに合わせて、賑やかな街あり、丘あり、雪山あり、穏やかな山並みあり、深山幽谷あり、お花畑あり、荒れ狂う大海原あり、いくつも浮かぶ不思議な島、果てしなく続く道あり、・・・。
「アンパンマン」の世界・地理・宇宙はいったいどうなっているのでしょう? つい気になってしまいます。でも、そんな理屈抜きで、毎回楽しませる手法はたいしたものです。観る人をそんな不思議な世界に引き込む。孫と観ていると、爺さんもついつい。ワンパターンだと分っていても、それに徹していると理解していても・・・。ばいきんまんを含め、憎めないキャラクターなんですね、登場 人物(動物)? たち、皆。
あり得ない世界だけれども、どこかにはありそうな物語の世界。それは、登場人物たちへの共感、彼らの世界への、郷愁を含めた世界への気がついたらのめり込んでいく世界。
「サザエさん」や「ちびまる子ちゃん」は、放映時の変化と共に、電化製品や家具などの大きく確実な変化はありますが、基本的な生活空間、住まい、街並み、自然環境にはほとんど変化はないように感じます。その中で、毎回、まったく同じではない、あれだけのストーリーを描くのですから、それはそれですごいものです。
アニメの世界では、原作者がとうの昔に亡くなっていても続いていくという「長寿」なのは、実に驚異的なアニメ・TV文化(伝統)です。
この川上さんの作品の世界も又、柴田元幸さんが「このあたりってどのあたりかなというと、こういう町に住むのっていいかも、とあなたが思うあたりです。」という世界です。「アンパンマン」と同じ、と云われたのでは、どちらにとっても不幸ですが。いや、幸福かな。
人間ともつかず、植物、動物ともつかない、そう、自然界の行きと生ける者(「もの」「物」「モノ」ではなく、毅然として存在し、活動している者)たちとの心の通い合う世界こそ、川上さんが心身・人生の歴史で感じとった世界・宇宙です。
ま、こういう物語世界は、読者にとっては好きか嫌いか分かれてしまうかも知れません。例えば、「グルッポー」=鳩鳴病にかかった人々の話=「何、この話。わけが分らないわ」という一言で終わってしまう。「白い鳩」=テンポ良く進みすぎて分らなくなる話はなおさら、・・・。
しかし、こうして、「川上ワールド」にはまってしまうと、実に心地よい空間になってしまいます。
「町」ができていく、とは? 26の物語を楽しんで下さい。そして、川上ワールドにひたって下さい。
ところで、今度はいつ「甲州街道」を歩きますか。
(www.anpanman.jp/ 「アンパンマン公式ポータルサイト」HPより)
ところで、2歳の孫が大好きな「それゆけアンパンマン」。
我が家に来ても、ミニカーやプラレールで遊びながら、一方で、ちらりとTVの画面を。同じ内容のビデオでも何回も観ています。飽きないのかな、などと思うのは、大人たち。
何度も観ているうち、ストーリーを覚えているのか、好き嫌いもはっきりしてきます。なんとなく暗い森の場面になる前に、変えて、と迫る。
どうも気に入らない登場人物の時には、表題が出たとたんに、変えて、と。
勿論アンパンマン、ばいきんまん、ジャムおじさんなどのレギュラー陣は好きなようです。
しかし、次々と新しいキャラクターが登場。だいたいが食べ物に関わるネーミングとなっています。それがコスチュームとかとぴったりはまっているのが見事。
背景・場面も登場人物、ストーリーに合わせて、賑やかな街あり、丘あり、雪山あり、穏やかな山並みあり、深山幽谷あり、お花畑あり、荒れ狂う大海原あり、いくつも浮かぶ不思議な島、果てしなく続く道あり、・・・。
「アンパンマン」の世界・地理・宇宙はいったいどうなっているのでしょう? つい気になってしまいます。でも、そんな理屈抜きで、毎回楽しませる手法はたいしたものです。観る人をそんな不思議な世界に引き込む。孫と観ていると、爺さんもついつい。ワンパターンだと分っていても、それに徹していると理解していても・・・。ばいきんまんを含め、憎めないキャラクターなんですね、登場 人物(動物)? たち、皆。
あり得ない世界だけれども、どこかにはありそうな物語の世界。それは、登場人物たちへの共感、彼らの世界への、郷愁を含めた世界への気がついたらのめり込んでいく世界。
「サザエさん」や「ちびまる子ちゃん」は、放映時の変化と共に、電化製品や家具などの大きく確実な変化はありますが、基本的な生活空間、住まい、街並み、自然環境にはほとんど変化はないように感じます。その中で、毎回、まったく同じではない、あれだけのストーリーを描くのですから、それはそれですごいものです。
アニメの世界では、原作者がとうの昔に亡くなっていても続いていくという「長寿」なのは、実に驚異的なアニメ・TV文化(伝統)です。
この川上さんの作品の世界も又、柴田元幸さんが「このあたりってどのあたりかなというと、こういう町に住むのっていいかも、とあなたが思うあたりです。」という世界です。「アンパンマン」と同じ、と云われたのでは、どちらにとっても不幸ですが。いや、幸福かな。
人間ともつかず、植物、動物ともつかない、そう、自然界の行きと生ける者(「もの」「物」「モノ」ではなく、毅然として存在し、活動している者)たちとの心の通い合う世界こそ、川上さんが心身・人生の歴史で感じとった世界・宇宙です。
ま、こういう物語世界は、読者にとっては好きか嫌いか分かれてしまうかも知れません。例えば、「グルッポー」=鳩鳴病にかかった人々の話=「何、この話。わけが分らないわ」という一言で終わってしまう。「白い鳩」=テンポ良く進みすぎて分らなくなる話はなおさら、・・・。
しかし、こうして、「川上ワールド」にはまってしまうと、実に心地よい空間になってしまいます。
「町」ができていく、とは? 26の物語を楽しんで下さい。そして、川上ワールドにひたって下さい。
ところで、今度はいつ「甲州街道」を歩きますか。
(www.anpanman.jp/ 「アンパンマン公式ポータルサイト」HPより)