⑬「ことぶき(寿)湯」。葛飾区堀切6-8-6
「区立双葉中」北側の道を西に向かい、「南綾瀬小」の手前から住宅街へ入ってしばらく進むとあります。
昭和20年代の創業とかですが、15年前に浴室を、4年ほど前に脱衣場を改装しているそうで、浴室。床、壁共にきれいです。男湯の脱衣場の奥にお座敷があるのが面白い。風呂上がりにごろんと横になり、新聞を読んでいるお客さんがいます。背景画は富士山が奥に描かれていますが、手前にはそそり立った岩山(島? )があって滝も流れています。なんというか不思議な光景で、実に迫力満点。一見の価値あり。
浴槽の半分が浅い気泡風呂、そして、超音波気泡ジェット2連の座り風呂、強力ジェットバスが魅力です。薬湯もあり。清潔感があって雰囲気、よし。
⑭「富士の湯」。葛飾区堀切4-58-26
「南綾瀬小」を左折(「川の手通り」)し、「平和橋通り」を右折すると、左手のマンションの脇に煙突が。
50年以上は暖簾を掲げているとのこと。昭和59年に改装し、男湯には富士山、女湯にはアルプスを想像させる山々がタイルモザイクで。
最近は、かつてのペンキ絵ではなくタイルモザイクで、という銭湯もけっこうあるようです。
「富士の湯」という銭湯は区内に3つあり、近くには「第4富士の湯」というお風呂屋さんがあります。しかし、「第1」~「第3」という数字を付した「富士の湯」はこの「第4」以外にはありません。
かつて、「堀切菖蒲園駅」の南側に「第一富士の湯」さんがあったようですが、すでに廃業。
「超音波風呂」、「ニューバイブラ」という看板が掲げられています。「ジェット風呂」はなかなかよかった。
バイブラ
代表的な気泡浴のひとつで、浴槽の床に埋め込まれたマットから細かい気泡が吹き出し浴槽全体に広がる風呂のこと。床板から発生した気泡がはじけるときに発生する超音波が骨の芯まで浸透し、ストレス解消やリラクゼーション効果だけでなく疲労回復や血流促進などによく効くと言われている。
同じ気泡浴でも、ジェットバスはノズルから出る噴流に気泡が混じって出てくるが、バイブラバスは下部から気泡のみが発生するといった違いがある。
(この項、「」HPより)
⑮「日の出湯」。葛飾区堀切1-15-7
「堀切菖蒲園」の南、ほど近くにあります。住宅街の中にある大きな煙突を目印にやってきました。入口はちょっとためらってしまうほど年期が入った印象。
番台のおじいさん(おばあさん)が背中を丸くして座っています。声を掛けてやっと気づくほど。
脱衣所の床は板張りが不安定、ロッカーもそうとう傷んでいる。トイレも、庭も、・・・これまで訪問した銭湯とはちょっと趣が違う印象。「旧き良き昭和の雰囲気を醸し出している」といえなくもありませんが。
しかし、ここのタイル装飾は、出色のできばえ。
浴室の壁にある細やかなタイル絵は、男湯は金閣寺と舞妓さんが描かれ、実に見事! また、女湯は西洋風のお城が描かれています。さらに、床面にはカニやハマグリも。
お客さんは数人、皆、顔見知りのようで、互いに挨拶を交わし、背中を洗い流しあっています。
これまでの銭湯では会話する方は多くいますが、背中を流し合うのは、初めての光景。見慣れない小生にもきさくに声を掛けてきます。女湯からも楽しげな会話が聞こえてきます。まさにアットホームな銭湯。
湯舟は大小一つずつ。大きい方はジェット風呂(といってもおとなしい)。どちらも2、3人入れば、いっぱい。岩風呂風なのがおもしろい。しかし、湯船の床がモザイクなのか、はがれてしまったのか、かなり足下が気になります。
今回はこのお風呂屋さんの訪問記を引用させてもらいます。
・・・現在の建物は前回の東京オリンピックの年、昭和39(1964)年に建てられ、今も当時のままの姿を保っている。ところどころ傷んだ箇所は見受けられるが、清掃は行き届いている。私は傷んだところですら日の出湯の55年の歴史を感じて、ついカメラを向けたくなる。
今回、日の出湯さんを撮影対象に選んだ理由の1つは、壁面や床面に施されたタイルの装飾である。床面のタイルは特に珍しく、大小様々な形のタイルと蟹や貝のタイルが不規則に配置されていて、そこだけ切り取ると銭湯の床とは思えない世界観が現れる。
撮影するに際し、タイルの配置とアングルの切り取り方のバランスを考慮して撮影していた為、この床面だけで30分は時間を掛けたのではないだろうか。床ばかりを眺めている私を見て、さぞ日の出湯の方々は「困った人が来てしまった」と首をひねったことだろう。その他、壁面のモザイクタイル絵も素晴らしい。さまざまな色のタイルを使って、グラデーションを再現していたり、水面に映る建物の反射まで再現してる箇所は必見である。
現在の日の出湯は、さほど混んでもいないし、お客さんがいないと早く閉めることもある。今回の写真が東浴のホームページで紹介されても、「お客さんが増える訳がない」とご主人は自嘲気味である。それはそうかも知れない。写真の力で人を動かすことがたやすくないことは知っている。でも、写真でこういうものがあったと伝えることはできる。あとはそれを見た人がどう思うかに委ねられているような気がする。
想像してみて欲しい。55年前の高度成長期の真っ只中、老人から子供まで入り乱れ混み合う浴室で、言葉を覚えたての幼子が床を指差して『かにぃ!』と発している風景を。
来年は否が応でも東京はオリンピック一色に染まるだろう。2度目のオリンピックを迎える日の出湯に入りながら、半世紀前の浴室に思いを馳せる。そんなひと時もよいのではないだろうか。
写真家 今田耕太郎
(この項、「」HPより)
上記の訪問記には「日の出湯」のすばらしいタイル装飾の写真が掲載されています。
風呂から出て、外に出ると、大きなスーパーが二軒、さらに大規模な建売住宅造成など、かつてのごみごみした住宅街、町工場が変貌しつつあることを実感。
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