水緩む季節。
3月5日(火)は二十四節気の3番目「啓蟄(けいちつ)」。「雨水」から15日目頃で、今日から春分までの期間。
「啓」は「開く」「開放する」という意味があり、「蟄」は「隠れる」「虫が地中にとじこもる。」という意味があります。
土中で冬ごもりをしていた生き物たちが目覚める頃。
生き物たちは久しぶりに感じるさわやかな風と、麗らかな春の光の中で生き生きとしていく時期。
※実際に虫が活動を始めるのは日平均気温が10℃を超えるようになってからで、鹿児島では2月下旬、東京や大阪で3月下旬、札幌は5月上旬頃に当たる。虫が冬眠から目覚めるとそれを補食する小動物も冬眠から目覚め動き始める。
七十二侯では、
初侯 3月6日〜3月10日頃
蟄虫啓戸 すごもりむしとをひらく
土中で冬眠をしていた虫たちが、暖かい春の日差しの下に出てき始める頃。虫とはいいますが、冬眠から目覚め始めるすべての生き物のことを表しています。
桃始笑 ももはじめてさく
桃のつぼみが開き、花が咲き始める頃。昔は“咲く”という言葉を“笑う”と表現したそうです。ゆっくりと開いていく桃の花は、ほほ笑んでいるようにも見えます。
菜虫化蝶 なむしちょうとなる
厳しい冬を越したさなぎが羽化し、美しい蝶へと生まれ変わり、羽ばたく頃。菜虫とは、大根や蕪などの葉につく青虫のことをいいます。
旬のもの
春から秋にかけて収穫され、旬は3月~5月頃。寿司や天ぷらによく用いられる高級食材です。お祝いの席には、その長い身を結んだ昆布だしのお吸い物が出されることも。
羽を広げると黄色のきれいな模様がはっきりと見えます。数羽で行動することが多く、春から夏にかけて頻繁に住宅街に現れます。
わらびは野山などの日当たりのいい場所に多くみられる山菜です。山菜の中でもあくが強く、時間がたつと硬くなってしまうので、採った日には必ずあく抜きをします。
ハート型の3枚の葉に、小さな黄色い花が春から秋にかけて咲きます。クローバーとよく似ていますが、全く異なる植物です。夜になると葉をしぼませ眠りについたように見えます。
十六団子
春には農作物を守るために“田の神様”が山から里へ下りてきます。収穫が終わる秋には山に戻っていきます。この神様の移動日である三月と十一月の十六日に、十六個の団子を供えることを「十六団子」と言います。
(この項、「暦生活」HPより)
行事
菰はずし
マツカレハなどの害虫から守るために、松の幹に巻きつけていた藁(わら)でできた菰(こも)をはずす「菰はずし」を啓蟄の恒例行事にしているところが多い。
松の菰。「向島百花園」にて(2024・2)。
春雷
立春から立夏の頃までに発生する雷。寒冷前線通過時に発生する界雷で、雹を伴うこともある。 立春の頃の雷は春の到来を伝えるともいわれ、冬眠していた地中の虫たちが雷鳴に驚いて目覚めるという意味から「虫出しの雷」とも呼ばれる。
菜種梅雨(なたねつゆ)
この時期に続く長雨のこと。ちょうど菜の花が咲く季節に降る長雨なので、このように呼ばれている。
「催花雨(さいかう)」という別名も。桜や菜の花など、さまざまな花が咲くのを促す雨という意。
東京地方は昼過ぎから明朝まで雨模様。肌寒い。真冬に逆戻り。しばらくは曇りや雨の日が続く。これが「菜種梅雨」(のはしり)。
来週からは、本格的な春の陽気が続くようですが。
「暑さ寒さも彼岸まで」といいますから、20日「春分の日」あたりが冬の寒さとのお別れ?
こうして確実に春がめぐってくる。
路傍の菜の花。(「荒川を遡る」より)
江戸川・流山付近の土手にて(2022・3)。
次の二十四節気は、『春分』(3月20日)。
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