バーディーは学生時代、政治思想史の類の講義によく出ていた。だが、佐々木毅先生の政治学史は、就職活動と重なり、ろくに講義に出られず、そのことを後悔している。
ほとんど講義に出ないまま試験に臨んだわけだが、自分なりにそこそこできたつもりの答案が「良」の評価でがっくりきた。問題は、
「政治学思想史における古典古代の意義を論じなさい」
という極めて奥の深いものだった。
これに対する解答を正確に述べるのは不可能に近く、あえて言うと、「パラダイム」又は「祖型」という概念によって説明するのがしっくりくる。実際、欧米のインテリ層にとって、ギリシャ・ローマ時代は、史上初めて民主政が生まれた時代というだけでなく、多くの面で思考の枠組みを形成している。
たとえば、アメリカ大統領府(キャピトル・ヒル)はローマの「カンピドリオの丘」にちなんだものであり、こんなところにまでギリシャ・ローマの影響がみられるのだ。
ほとんど講義に出ないまま試験に臨んだわけだが、自分なりにそこそこできたつもりの答案が「良」の評価でがっくりきた。問題は、
「政治学思想史における古典古代の意義を論じなさい」
という極めて奥の深いものだった。
これに対する解答を正確に述べるのは不可能に近く、あえて言うと、「パラダイム」又は「祖型」という概念によって説明するのがしっくりくる。実際、欧米のインテリ層にとって、ギリシャ・ローマ時代は、史上初めて民主政が生まれた時代というだけでなく、多くの面で思考の枠組みを形成している。
たとえば、アメリカ大統領府(キャピトル・ヒル)はローマの「カンピドリオの丘」にちなんだものであり、こんなところにまでギリシャ・ローマの影響がみられるのだ。