Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

刑の予想

2010年01月10日 08時29分40秒 | Weblog
 刑事弁護をやっていると、必ずといっていいほど依頼者から刑の予想を求められる。これに対しては、厳し目の予想をするのが鉄則である。
 実刑か執行猶予か微妙な事案で、「絶対執行猶予だよ」と予想したものの、実刑判決が下されたため、依頼者との間でトラブルとなったケースが結構存在する。そこで、弁護士会の新人研修などでは、楽観的な予測を依頼者に示さないよう指導されるのである。
 ところが、同房の人間や留置係の警官などが、被告人に対して「君は執行猶予だよ」などと無責任にも刑の予想をすることがある。これが結構問題を起こす。
 以前、振り込み詐欺の出し子(ATMで金を下す役目の人)を弁護した際、実刑相当の事案であったにもかかわらず、依頼者が「留置の人は『ふつうは執行猶予だよ』と言っている」などと言い張って、実刑判決が出たのは弁護活動に問題があったからだと言わんばかりの態度を示したことがある。
 結局、ボスの判断で「信頼関係が損なわれた」として控訴審では辞任となった。
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