「日本はなぜ敗れるのか」では、収容所でのリンチに見るような、日本人特有の「暴力性向」が指摘されている(p108)。確かに、日本人が集団を形成したとき、そこではほぼ常にトップには暴力集団がのさばること、しかも、その下に臆病な多数者が暴力への恐怖のもとに服従することは、不思議な現象である。
だが、「暴力性向」は日本特有の問題ではない。山本氏も指摘するとおり、バシー海峡で米軍は、魚雷によって日本人の大量殺りくを行っている。原爆投下やドレスデン空襲で14万人を殺りくしたのも英米軍である。
重要なのは、暴力の発言形態の違いである。山本氏が言うように、アメリカ軍が「まるでルーチンワークのように」日本兵を殺したことは象徴的である。うんと単純化すると、彼らは動物を狩るように人間を殺すのであり、殺すことが自己目的と化している。要するに狩猟民族なのである。
対して、日本人の暴力は、殺すことそれ自体が目的なのではない。他者を服従させるために見せびらかす、道具としての暴力なのである。
だが、「暴力性向」は日本特有の問題ではない。山本氏も指摘するとおり、バシー海峡で米軍は、魚雷によって日本人の大量殺りくを行っている。原爆投下やドレスデン空襲で14万人を殺りくしたのも英米軍である。
重要なのは、暴力の発言形態の違いである。山本氏が言うように、アメリカ軍が「まるでルーチンワークのように」日本兵を殺したことは象徴的である。うんと単純化すると、彼らは動物を狩るように人間を殺すのであり、殺すことが自己目的と化している。要するに狩猟民族なのである。
対して、日本人の暴力は、殺すことそれ自体が目的なのではない。他者を服従させるために見せびらかす、道具としての暴力なのである。