私は、本屋に行くとだいたい筒井康隆先生の本が出ていないかとチェックし、あればすぐに買ってしまう人間である。
筒井先生のどこがいいかといえば、まず、誰もが指摘する通り、「面白い」という点が挙げられるだろう。とにかく、発想が新しい。だが、私は、人類の「救済」への途を示しているところも、見逃してはならないと思う。
例えば、「旅のラゴス」では、ラゴスは「農芸」に極めて強い関心を示すし、「聖痕」でも、主人公は農学部を出て食物の専門家となる。これは、「最低限食欲さえ満たされれば人間は生きていける」というシンプルな命題を示すことによって、「性の欲動」や「死の欲動」に導かれて滅亡へと進む人間たちを批判しているように思える。
筒井先生のどこがいいかといえば、まず、誰もが指摘する通り、「面白い」という点が挙げられるだろう。とにかく、発想が新しい。だが、私は、人類の「救済」への途を示しているところも、見逃してはならないと思う。
例えば、「旅のラゴス」では、ラゴスは「農芸」に極めて強い関心を示すし、「聖痕」でも、主人公は農学部を出て食物の専門家となる。これは、「最低限食欲さえ満たされれば人間は生きていける」というシンプルな命題を示すことによって、「性の欲動」や「死の欲動」に導かれて滅亡へと進む人間たちを批判しているように思える。