アドラー 人生を生き抜く心理学(NHKブックス)
平和な生活を送っていると、戦争というものがまったくの非日常の出来事であり、ふだんの生活とは全く連続性がないかのように思ってしまうが、フロイトのいう「人間に生まれつき備わる他者を攻撃する傾向」は、実は、日常の随所にみられる。
例えば、私などは、対決型スポーツへの熱狂ぶりを見ると、ときに暗欝な印象を抱くことがある。人々が、ふだんは満たされることのない「他者を攻撃する」欲求を満たしているようにも思えるからである。「スポーツは戦争の代替物」という見解は、一理あると思う。
これに対し、アドラーは、「戦場で目の当たりにした酷い現実から共同体感覚を着想した」(p104)。これは不思議というほかないが、対決型スポーツの熱狂ぶりに対し違和感・嫌悪感を覚える人間もいるのだから、そういう着想があってもいいと思う。
平和な生活を送っていると、戦争というものがまったくの非日常の出来事であり、ふだんの生活とは全く連続性がないかのように思ってしまうが、フロイトのいう「人間に生まれつき備わる他者を攻撃する傾向」は、実は、日常の随所にみられる。
例えば、私などは、対決型スポーツへの熱狂ぶりを見ると、ときに暗欝な印象を抱くことがある。人々が、ふだんは満たされることのない「他者を攻撃する」欲求を満たしているようにも思えるからである。「スポーツは戦争の代替物」という見解は、一理あると思う。
これに対し、アドラーは、「戦場で目の当たりにした酷い現実から共同体感覚を着想した」(p104)。これは不思議というほかないが、対決型スポーツの熱狂ぶりに対し違和感・嫌悪感を覚える人間もいるのだから、そういう着想があってもいいと思う。