Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

翻訳の工夫

2019年07月01日 07時00分38秒 | Weblog
 例えば、「ツァラトゥストラ」の「読むことと書くこと」の次のくだり。

Es ist wahr: wir lieben das Leben, nicht, weil wir an's Leben, sondern weil wir an's Lieben gewohnt sind.

① 手塚富雄「まことに、われわれが生きることを愛するのは、生きることに慣れているからではない。愛することに慣れているからだ。」
② 吉沢伝三郎「われわれが生を愛するのは、われわれが生に慣れているからではなくて、愛することに慣れているからだというのは、本当にそうだ。」


 どちらもドイツ文学の大家による名訳だが、原文のダジャレを伝えきれていない。
 ニーチェは、Lieben(愛すること)とLeben(生きること)を掛けているのだ。
 だから、訳すとすれば、例えば、「われわれが生きること(レーベン)を愛するのは、それに慣れているからではなく、愛すること(リーベン)に慣れているからだ」という風にしなければいけないと思う。

 
コメント
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