Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

業後のビールは誰と飲む?

2021年10月22日 06時30分36秒 | Weblog
見るだけで楽しく学べる「暮らし」と「文化」 ドイツのことば図鑑
 「Feierabendbier 仕事終わりの一杯
 「とはいえ、ドイツでは仕事終わりに職場の同僚と飲んで帰ることはあまり多くありません。仕事とプライベートをしっかりと分けている人が多く、残業も少ないため、仕事が終われば趣味の時間に充てたり、家族と過ごしたりするのが一般的です。」(p17)

 面白くてなかなか閉じるのが難しい本である。
 例えば、ドイツでは、Feireabendbier(ファイアーアーベントビア)、すなわち「仕事終わりのビール」を職場の同僚と共にすることはあまりないというのが興味深い。
 私見だが、これは、教育と労働法制、さらにいえばその根底にある基本法の思想が社会に根付いているためではないかと思う。
 旧西ドイツの憲法学者は、ナチス時代の反省から、「自由の敵」の発生を未然に防止するシステムの構築に意を用いた。
 ナチスの再現は何としても防がなければならないが、そのためには、「社会が国家を食い破る」メカニズムをどこかで潰しておく必要がある。
 というわけで、基本法を出発点として、学校教育においては「自己決定できる個人」を育成する仕組み、また、経済社会においては種々の労働法制等が整備された。
 後者について言うと、労働時間規制が分かりやすいが、大きな目的は「公私の分離」にあると思われる。
 要するに、会社は、構成員のプライベートな領域を侵蝕してはならないのである。
 個人が、仕事においてもプライベートにおいても一つの集団に属していると、「血と土」の思考・行動原理がその集団を汚染してしまった場合、ナチスのような「社会が国家を食い破る」現象が再発する恐れがあるためである。
 対して、日本をみると、「仕事終わりの同僚との一杯」は日常茶飯事であり、職場結婚も非常に多い(私の元勤務先では、おそらく3分の2が職場結婚であった)。
 これは、旧西ドイツの憲法学者からみると、危険な状態ということが出来るのかもしれない。
コメント
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