Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

本当は怖い平成ヒットソング(2)

2023年07月11日 06時30分00秒 | Weblog
 「本当は怖い平成ヒットソング」と言っておきながら、「おっとCHIKAN!」は1986年、つまり昭和61年リリースの曲であることに気づいた。
 なんだか、最近、時間の感覚がおかしくなったようだ。
 というわけで、再び平成ヒットソングを振り返ってみると、やはり「怖い曲」がいくつも見つかる。

① ファイト!(中島みゆき、2001年)
   "私、本当は目撃したんです 昨日電車の駅 階段で
 ころがり落ちた子供と つきとばした女のうす笑い
 私、驚いてしまって 助けもせず叫びもしなかった
 ただ怖くて逃げました 私の敵は 私です"

 意味もなく他人を傷つけて喜ぶ人間がいるだけでなく、被害に遭って困っていたり苦しんでいたりする人を見ても「助けもせず叫びもしない」という現代の日本(主に都市部)の状況を鋭く描いた歌詞で、とても他人事とは思えない。

② ロビンソン(スピッツ、1995年)
 "誰も触れない 二人だけの国 君の手を離さぬように
 大きな力で 空に浮かべたら ルララ 宇宙の風に乗る"

 この曲については、川谷絵音氏が、「後追い自殺」の歌ではないかという的確な解説をしていた(【関ジャム】スピッツ特集!プロも恐れるスピッツの才能!)。
 「誰も触れない二人だけの国」=「天国」というのは容易に推測出来るし、洋楽の有名どころで言えば、A SONG FOR YOU の中の、
 "I love you from where there is no place or time"(2分14秒付近~)
私は、空間も時間もないところから、あなたを愛する
の「空間も時間もないところ」なども、「天国」(あの世)の意味である。
 「後追い自殺」と言えば、デュラン・デュランのオーディナリー・ワールド(1993年、平成5年)は、これを”何とか踏みとどまろうとする”曲である。
 大切な人と別れた(生き別れか死に別れかは不明)彼は、"ordinary world" (ありふれた日常)を喪失し、途方に暮れる。
 というか、完全に世界は崩壊してしまっている。
 だが、「ロビンソン」とは異なり、彼は、日常を取り戻し、”生き延びよう”としている。
 よい訳が見つかったので引用してみる。
 「But I won't cry for yesterday
 でも昨日のために泣いたりなんてしないよ
 There's an ordinary world
 そこにはいつものありふれた世界があるから
 Somehow I have to find
 とにかく僕は見つけなければいけない
 And as I try to make my way
 普通と言える人生を
 To the ordinary world
 自ら切り開かなければいけない
 
 メロディーもさることながら、一流の詩人が書いたような歌詞も素晴らしい。
 少なくとも、この彼は、「終わらない歌ばら撒いて」自殺することはないだろう。
 
コメント
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