Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

ノン・ネイティヴ泣かせ

2024年06月01日 06時30分00秒 | Weblog
<ボードレール>
ドビュッシー:ボードレールの5つの詩
 バルコニー
 夕べの調べ
 噴水
 瞑想
 恋人たちの死
 
ドビュッシー:前奏曲集 第1巻より 第4曲「音と香りは夕暮れの大気に漂う(ピアノ・ソロ)
 
<ヴェルレーヌ>
フォーレ:優しき歌 Op.61
 後光を背負った聖女様
 朝焼けが広がるのだから
 白い月
 ぼくは正しくない道を歩いていた
 ぼくはほとんど怯えていた、実のところ
 お前が消えてしまう前に
 さて、それはある晴れた夏の日のことだ
 ね、そうでしょう?
 冬は終わって
 
ラヴェル:古風なメヌエット(ピアノ・ソロ)
 
<マラルメ>
ラヴェル:ステファーヌ・マラルメの3つの詩
 ため息
 ささやかな願い
 臀部より出でて、ひと跳びで

 なかなか良さげな選曲。
 公演前にもらったパンフレットの原詩のところを一通り読んで、最初の曲が始まるのを待った。
 すると・・・。
 何と、殆ど一つも単語が聴き取れない。
 フランス語はそれなりの時間をかけて勉強したつもりだし(ディクテも毎日やっていた時期がある)、2月にはフランス語のオペラ「美しきエレーヌ」を聴いている(理解されぬエレーヌ(1))。
 しかも、事前に原詩を一読しているというのに、まるでリスニング不能である。
 こういう状態が、前半の間じゅう続いたので、ちょっとした不安を感じてしまう。
 ラストのマラルメの詩になって、ようやくほぼ単語が聴き取れるようになったが、何だかキツネにつままれたような気分である。
 ちょっと心配になったので、家に帰ってから、しばらく前に購入していた「フランスの詩と歌の愉しみ」の、今日聴いたばかりの2曲:

・夕暮れの諧調
・白い月

をCDで聴いてみた。
 すると・・・。
 実は、このCDも歌手は全員ノン・ネイティヴなのだが、単語が聴き取れないということはなかった。
 もちろん、イヤフォンで聴くからということもあるが、発音がほぼネイティヴ並みに正確だからである。
 あくまで私見だが、ポイントは、まずは子音の”r”、次いで鼻母音(on [ɔ̃] / an / en [ɑ̃] / in [ɛ̃])、そして母音の”œ ”だろう。
 例えば、この歌手(Claude Debussy : Cinq Poèmes de Baudelaire - II. Harmonie du soir)はフランス系ドイツ人だが、口のかたちがネイティヴの発音法をよく示していると思う。
 それと、「白い月」について言うと、声量に自身のある歌手が声を張り上げて歌うと、フランス語の美しさが減殺されてしまうと思う。
 そういう意味では、(イギリス人、しかも男性ではあるが)イアン・ボストリッジの歌い方(Ian Bostridge - La lune blanche luit dans le bois (Faure))は素晴らしい。
 ・・・まあ、いずれにせよ、ドビュッシーとフォーレは、「ノン・ネイティヴ泣かせの付曲をしてくれたなあ」という印象である。
コメント
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