Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

個人的な問題

2024年06月02日 06時30分00秒 | Weblog
  「世界中のオペラハウスで今や引く手あまたの演出家ミキエレットを招いて11年5月に初演したこのプロダクションは、現代のキャンプ場へ舞台を移した斬新な演出ながら、的を射た展開で観客の心を掴み、「キャンピング・コジ」と大きな話題となりました。巨木が立ち並び苔の薫りまで漂うような深遠な森を背景に、現代性と遊び心いっぱいの色彩豊かな衣裳や小道具が目に飛び込んでくる、徹底してリアルな舞台美術も大きな見どころです。

 Camping Alfonso(アルフォンソキャンプ場)が舞台という、相当”攻めた”演出だが、これは大成功と言って良い。
 観る者にワクワク感を与えてくれるからである。
 バックステージ・ツアー(この映像は前編)も、おそらく大人気だろう。
 さて、私は、この演目のテーマは「交換不可能性の罠」だと思っていた。
 だが、どうやらそれだけではないらしい。
 この演目には、モーツァルトの個人的な問題が練り込まれているようなのだ。

 「それにしても、モーツァルトはなぜ「フェイクなひとときの関係にこそ、愛の本質がひそんでいる」という真理を知っていたのであろうか。35歳という若さで世を去ったモーツァルトにはコンツタンツェという妻がいたが、彼自身は若い頃、実はその姉アロイジアに夢中だったと言われている。しかし、その後、ふたたび姉妹に再会したときにはアロイジアは既婚者だったので、モーツァルトはコンスタンツェと結婚。なんと彼自身が、取り替えの結婚を経験したようなのだ。多くのモーツァルトの評伝や研究書ではコンスタンツェは愛情深くない悪妻として描かれているが、もし夫が自分を通して常に姉の姿を求めていたと知っていたとしたら、彼女も相当に不幸だったのではないだろうか。」(「愛があるのに、別の恋を求めてしまうのはなぜ?」香山リカ氏:公演パンフレットより)
 
 なんと、モーツァルト自身が、「妻をその姉と交換したい」という願望を抱いていたというわけである。
 そう言えば、川端康成の「山の音」の主人公:尾形信吾も、妻の姉に憧れて妻と結婚したようなものであり、モーツァルトと境遇が似ている。
 こうしたケースでは、言うまでもなく、奥さんが気の毒だし、なかなか円満というわけにはいかないだろう。
 奥さんは「手段」として利用されているのだから。


コメント
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