パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

立原道造とスイスの風景

2012年08月25日 05時12分52秒 | あれこれ考えること

天性の詩人 、若くして夭折した立原道造
人生の一時期しか作り得ないようなメルヘンチックで静かな美しい作品を残したが、彼と言えば軽井沢。
しかし、詩を読んで思い浮かべる風景は軽井沢よりもスイスのグリンデルワルト辺りのずっと効果的と言うか美しい。
まるで立原道造自身がスイスに赴いて創作したかのような印象さえする。
軽井沢とスイス、思い浮かべる風景で詩の出来上がりの完成度が違ってしまうとしたら、読み手の力量に詩人の価値は左右されてしまう?
立原道造の詩をスイスの風景をイメージしながら読む、お勧めの楽しみ方だ。

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ミステリー「カラマーゾフの妹」

2012年08月19日 16時05分12秒 | 

少し前にもアップしたけれど、「カラマーゾフの妹」

昨日読み終わったが、正直なところ、期待はずれ
作家は必死に書いただろうから、安易な批評は申し訳ないけれど
それでも途中から感じた違和感はとうとう最後まで消えることはなかった

それはミステリーという範疇での物語に原因があるというよりは
結局あの濃厚な感情のやり取り
一人ひとりの人間の生々しさ、活力
思考の深さなどは本家しか書ききれなかった
と言う事実を再確認せざるをえなかったということかもしれない

イワンもアリョーシャも普通のミステリーならこの本に現れる人格で
何ら問題はないかもしれない
しかし、あの本を読んだ者には、その人間性の薄っぺらさには
(著者には悪いけど)耐えられない気がする

アリョーシャはドストエフスキーの第2部の案でも
皇帝暗殺に関わるようなことらしいが
その話をベースにしたとしても、この本の話はちょっと無理がある
何ら必然性、悩みが全然感じられない

ま、この手の本はこうして批評してはいけないのかもしれない
こういう解釈もありなのか!
くらいで収めなければ

それにしても、、、、

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ブルックナーの9番 第4楽章(ラトル・ベルリン・フィル)

2012年08月19日 08時49分03秒 | 音楽

ラトルによれば650小節のうち600小節は
本人(ブルックナー)のスケッチが残っており
モーツアルトのレクイエムよりは良いものと考えられる
との解説があったが、未完の第4楽章の完成への挑戦と演奏
は今回が初めてのものではなく様々な試みが行われている

自分も以前にインバル・アイヒホルンのものを聴いたが
印象としては演奏がどうのこうの言う前に
あのゴチャゴチャをまとめきれるのは
ブルックナー本人しかいない
といった当たり前の結論に落ち着いたのだが
さて自分にとっても再挑戦の今回はどうか

確かに第3楽章の印象が、これで終わりというのと
次があるとはだいぶ違ってくる

問題の第4楽章
多分今までのうちでは一番抵抗感なく聴けたかもしれない
以前のものはやたらフォルテで金管が鳴りっぱなしの
印象しかなかったが(今回も金管の活躍が目立つけれど)
これもありかな!と思わないでもない

全体像が見えにくく、どこに向かっているのかわからない
そんな印象は、8番の第4楽章も同じで
8番でも慣れるまで(聴きこむまでは)何が何やらわからなかったが
次第にブルックナーの思考方法に慣れると
充分すぎるほど堪能できるのだが
ラトルも慣れるまで聴きなさいとの言葉を残している

この最終楽章もありかな!
と思うのは、これまた8番からの連想になるけれど
8番の初稿の演奏を聴くと
ブルックナー本人は後期ロマン派の起承転結・劇的な
音楽を作ろうとしたのではなく、中央ヨーロッパの大らかな
交響曲を作りたかったと感じるからだ

第一楽章もピアニシモで終わるのではなく
突然の神の賛美のフォルテ
美しい第3楽章も金管が改訂版よりも効果的
そしてメリハリとか劇的ではないが
だらだらと言いたいことを述べている終楽章
これらの印象、つまりブルックナー本人が他人の言葉を
聞かないうちに作りたがった音楽は
実はこんなタイプの曲だったのではないか!ということ
それは今回の第4楽章にも垣間見られる気がする

もっと時間があれば、ブルックナーはもう少し
全体としてまとまる、統一感のあるものを
(他人の意見も聞いて)作っただろうし
そしてそれは素晴らしいものになったであろうに
と想像される

でも、やりたいことをやり切っている感じは
ゴチャゴチャ手を入れていないせいで
感じられる 特に大らかなコラールのところは
チャイコフスキーみたい(?)に生生しく
恥ずかしげもなく鳴らしている
(こっちのほうがチャイコフスキーよりずっと好きだが)

さてこれからの演奏会は未完のままが多いのか
それとも補筆の最終楽章までが多くなるのか
自分としては後者を聴いてみたい気がする

いままで9番は2回実演で聴いた記憶があるが
特に印象は残っていない
8番は3回聴いたけれど、(メータ・ヴァント・朝比奈)
これは全て圧倒的な印象
その違いが最後の楽章(の有無)にあるのかないのか
チョット試してみたいものだ

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今回だけなら良いのだけれど

2012年08月15日 21時46分14秒 | サッカー
日本対ベネズエラ 1-1
メディア期待の香川活躍せず

香川は一人で何とかするタイプの選手じゃない。周りにキープ出来るうまい選手が数名いてその良さを発揮する事ができる。
今の日本の個々の実力じゃ充分な活躍は期待できないかもしれない。

この心配が杞憂なら良いのだが!
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カラマーゾフの妹

2012年08月15日 18時54分51秒 | 
高野史緒著

読みかけで何か言うのは公平じゃないかもしれないけど、チョット期待はずれ!
イワンもアリョーシャも何だか性格が違う様に思えて仕方ない。
確かによく読んで上手いこと引用している。でも、原作の謎と熱気に満ちた世界はドストエフスキーしか作り出せないと言う事実だけが残る。
しかし今あの本を読む気力、体力は無いかもしれない。
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long long way to go(まだまだ先が長い)

2012年08月11日 13時26分37秒 | サッカー

負け惜しみではないが、勝ってはいけない試合だったのかもしれない
オリンピック男子サッカー3位決定戦の韓国戦
苦手な相手というだけでなく、戦う前からあの状況は予想できた

試合後、永井は蹴って走るサッカーに負けたのは、、、
とこぼしたようだけれど、自分が韓国の監督であっても
フィジカルの差を活かす戦術をとるだろう

欠点をつく、それは至ってまともな考え方
問題はいつまでたっても(幾世代も)同じ欠点を繰り返していること

ベスト4まで残ったのは実力というより、勢いに乗ったおかげの面が大きい
確かに1試合ごとに進歩が見える選手がいた
しかし、それでもここ数試合ではとてもカバーしきれない技術・考え方の差が存在したのも事実
球際の勝負、とられないボールの持ち方、後ろからの攻められているときの繋ぎ、正確なパスとシュート、そしてドリブル
これらの不備をみんなで補って勝ち進んだのだけれど、この方法で勝ち上がるには限界がある
ずっと言われるように、個の力を上げるしかないのだ

その意味で、偶然でも勝ってしまえば妙な考え方がまた幅を利かせそう

さて上手くなるには普段の練習がものをいう

日本はうまい選手が重要視されたり評価されるが、本当は怖い選手・戦える選手が良い選手の必須条件ではないのか

サッカーがうまくなるにはサッカーの練習をするしかない
当たり前だけれど、ここでの練習は野球における素振りとかノックのような一人だけで済ませるものではなく、必ず対戦する相手を目の前に置くこと
そのように対戦相手の逆をとるか、相手に嫌われるプレーをするか、またフィジカルもギリギリまで戦い、格闘技の要素を感じさせるくらいガチガチで行う
このくらいのことはやっているかもしれないが絶対量を増やす

こうしたことの繰り返しと、適切なアドバイスで真の練習といえるのではないか

 

相手の存在を前提とせずに、きれいなサッカーばかりを目指してしまうと結局は、ひ弱なサッカーになってしまう

相手のある勝負は自分の心の持ち方だけで片付くほど簡単な世界ではないだろう
なぜなら相手も同じような心持で臨んでくるから

駆け引きというとなんだか姑息な感じがするが、それを知恵と置き換えるとニュアンスがいきなり変わる

 

話は変わるけれど、実行してもらいたいことがある、それは

日本のシュートは上に浮かすことが多いので、高校選手権のレベルから「今年の目標は左右にはずしても、上には外さないシュートを」をテーマに練習するように要望書を各校に提出する

審判は簡単な接触でファールをとらない、激しいプレーの経験量を増やす

 

答えを知っている大人は子供たちに安易に答えを教えない
答えは自ら手にすることができるように指導する

 

本当にロングロングウェイ・ツウ・ゴーだな

 

 

 

 

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なでしこの何が感動的だったか?

2012年08月10日 21時35分38秒 | サッカー

銀メダルを取ったことではない
仮に金メダルをとったとしても
それはそれでエライなとは思うけれど
自分が深く感動するのはあのワールドカップの優勝から
今までをずっと緊張感をもって、期待通りの成績と
女子サッカーのための活動を真摯に続けてきたこと

メディアはソフトボールがそうだったように
騒ぐだけ騒いで話題としての価値が無くなった
と判断した時点でそっぽを向く
そこにはサッカーに対する愛情など感じられない

反して彼女らは女子サッカーのために
その歴史、未来をつくるために
1年以上の間献身的に活動した
そこにはサッカーに対する深い愛情が感じられる

単純に上手くなりたい、強くなりたい
と言う感情は
有名になりたい、スターになりたい
と言う思いよりも比べ物にならないほど強かったのではないか?

解説者の大竹さんが、思い出しては涙を流していたのは
今回のなでしこがひたむきに歴史を変えようと努力を続けてくれたこと
そして結果を出してくれたこと

勝ったからではない
勿論勝たなければ何も変わらないかもしれない
しかし、ワールドカップから今までのプレッシャーを考えると
ホント頭がさがる
人格的にも宮間の気遣い、鮫島の人間らしい感情などなど

多くの人はもう少しすると女子サッカーを忘れてしまうだろう
でも、一人でもいい 深く心に記憶する人を
作り出すことが出来れば、彼女らのやってきたことは
無駄ではないことになるだろう
願わくばその数が多いことを望む

 

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家のつくりようは、夏をむねとすべし

2012年08月09日 14時30分06秒 | Weblog

吉田兼好、徒然草で
日本の気候とい住まいづくりについて表現した 
有名な一節

最近のバカ暑さは耐えられなく
そのためにエアコンの使用は避けがたいものになっている 
そこで問題となるの意は電気の使用量
節約しようにも熱中症が心配でおいそれとは節電できない

節電を合理的に行う方法として登場してきたのが
スマートハウス

しかしなあ、節電を効果的に行うといっても
それをコントロールするのは電気で
まず電気ありきの世界
なんだか違ってるような気がしてならない

吉田兼好の時代と今とどのくらい気候が違いうのか
わからないけれど、電気を使わずに涼しくする方法を
実践しているのは(その方法しかなかったから?)
究極のスマートハウスなのでは、、、

ところで、この夏向きの家
反面冬は隙間風やら床下からの風で
めちゃ寒いらしい

不思議なのはこの不便さ(寒さ)を
昔の人は何らかの対処をしてこなかったのか?
ということ 

あちらを立てればこちらが立たず
陰陽の世界で仕方ないと端からあきらめていたのか?
割り切っていたのか?

昔の人の技術はすごいというけれど
ここのところの工夫のなさは
ちょっと考えてしまう 

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メキシコ戦、残念だけれど悔しくはない

2012年08月08日 22時16分42秒 | サッカー

オリンピック男子のサッカー 準決勝で敗退の結果は
順当なものであったし、むしろその方が良かったと
思えるくらいだ

対メキシコはオリンピック前に一度行なって
2-1で勝利していたが、結果がたまたまそうなっただけで
今度やったら勝てないだろうな
が本当のところ

何故負けたほうが良かったか?
それは今回が実力で勝ち続けているわけではないからだ
実力というより勢い
そのおかげで偶然勝ち続けている印象が強い
勿論、それなりの実力もついているのは間違いないし
運も実力のうちと言う考えも分からないではない
また一戦一戦彼らがランクアップしているのも事実
しかし、もっと時間のかかる本当に必要な技術、考え方は
まだ手にしていない

どうしても、どうしたら勝てるか?
よりも、どういう練習をしなければならないか?
に自分の関心はいってしまうけれど(子どもレベルのサッカーだけれど)
その練習しなければ駄目だなと思うのは
ドリブルとボールキープ力のアップ
球際のあと一歩、フィジカルのアップ
苦し紛れのクリアボールを繋ぐ技術
プレスを掛けてくる相手にスピードだけでなく
動きの反対をとって交わす技術
つまり、メキシコと比べて欠けていた点だ

大のおとなが真剣にやれば
そこそこの結果を導くことはできる
それが体力のあるうちの日本

1対1に弱いから
その対応策として数的有利をつくる(攻撃も守備も)
だがこの解決法は必ずしも練習方法としては
正解とは限らない

1対1に勝つべく技術を身につけることも必要
この技術をしっかり身につけた上での
数的有利の考え方は、正しい判断の基礎となるが
何が何でも数的有利至上主義は欠点を補うのに効率が悪すぎる

その日本人の1対1の弱さ、球際の弱さは
若い時期に徹底的にガツガツしたゲームをしていないからではないのか
あまりにも早くから綺麗なサッカーを教えすぎる
ガツガツきた相手にも踏ん張って対応できたり
逆を取ってかわしてみたり
上手いボールの持ち方を身につける前に
ボールをはたく癖がついてしまうと
ハイプレッシャーには対応できない選手になってしまう

今はパスゲーム化しつつあるサッカーだけれど
ドリブルができないと結局いい選手になれない
日本はもう少しドリブラーを育てるべき
(子どものうちは特に)

話はいきなり変わって昨日の2失点目は
ニュージーランド戦と同じ状況だった
相手の多くいるところにパス
パスミスではないが扇原はプレスを掛けられボールを失い
ゴールされる
権田はニュージーランで戦では村松に腹を立てたが
今度は自分の判断の悪さを思うべきで
あのニュージーランド戦からチームとして
何も学んでいなかったということになりそう

扇原は自分のフィジカルの弱さ
判断ミス、ボールキープ力の必要性を嫌というほど
感じただろう
それが将来どう生かされるかが
今回収穫があったかどうかの判断基準となりそう

それにしても、短い間に思い切り厳しい真面目な
様々なパターンのチームと試合ができたのは本当にいい経験と思う
速さ、上手さ、フィジカルの強さ、発想力、メンタルの持ち方
それは直に対戦した人しか身につけることができないものかもしれない

今回の収穫はとにかくガチンコの勝負をたくさん経験できたこと
勝った負けたより、これが大きい気がするが
指導者も含めて更なる進歩が見られるといいのだが、、

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オリンピック狂騒曲

2012年08月06日 21時08分34秒 | Weblog

興味がないことはないけれど
ちょっとどうなんでしょうね
この毎度のオリンピックの騒ぎ方

物語を丁寧にこしらえて感動を否が応でも
要求するメディア(テレビ)

勝者がリスペクトするのは
自分と同じように日々辛い練習に耐えてきた
ライバルたち

確かに持って生まれた体力差、実力差も存在する
その人達だって神様のちょっとした気まぐれに
振り回されている

だが、今回勝った人がずっと幸せか?
というとこれがなかなか難しい

メディアはそこまで責任がないから
今を面白おかしく伝えるだけ

それはそれで、仕方ないけど
観る方もちょっと冷静に観るようにしなければ、、、

そうすれば、ただ騒ぐだけの報道はなくなるだろうに

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