久しぶりに満足した映画
ジョン・ル・カレ原作だから、地味でも
最後に何かあるとは思っていたが
なるほど、そうきたか
タイトルの「誰よりも狙われた男」というのは
誰だったのか?と考えてしまった
ところでこの映画の主演、太ったフィリップ・シーモア
と言う俳優は、今年亡くなって遺作となったしまったとか
007やミッション・インポッシブルのような派手なスパイ映画ではないが
次第に感情移入していくのも不思議ではなかった
それにしてもタバコを吸うシーンの異常に多いこと
これは何かを暗示しているのか
彼の性格、精神状態を表現しているのか
スパイを扱った物語も以前のような東西冷戦の緊張感から離れて
現在は視点が少し変わりつつある
例えば内輪の問題とか、他国の同様な組織との確執とか
エリート組織の全てをコントロールするようなところは
現場の主人公には腹立たしい物だったに違いない
そしてCIAも
話は違うがフリーマントルのチャーリー・マフィンの
屈折した上司に対する気持ちもわからないでもないな
この映画を見てフト思ったりした
さて映画の最後のシーン
仲間の女性がさり気なく写っていたが
それは彼女も上の組織のスパイだったということか?
それとも同様に喪失感に囚われていたのか?
敢えてはっきりしないような終わらせ方
あとは勝手にご想像を
といったところか
しかし、火薬も派手なカーアクションもない
淡々と進んでいく映画だったが
この手のほうが想像力を刺激して楽しめる
ところで気になったところといえば
ドアの開閉の音の大きさ
弁護士に協力を依頼する時に
その部屋から出たり入ったりする時の
その音は異常に大きかった
ヨーロッパのドアの開閉音は頑丈だから大きいかもしれないが
あそこまで大きくはないだろう
ということで評価は
見るべき!とまでは行かないが
行っても損はないと言ったところ