先日、梅原猛さんが亡くなった
彼の著作では柿本人麻呂の死の秘密を推理し、井沢元彦の「猿丸幻視行」のネタ元となった
「水底の歌」をざっと読んだ記憶があるが、大胆な仮説は素人には興味深かった
他には京都探訪のシリーズを読んだだけだが、この機会に彼の出世作「地獄の思想」を
読む気になって図書館から借りた
何時もながら本筋とは関係ないところに関心が向かう
今回は日本における地獄の扱いの変遷よりも、エピソードとして扱われた「源氏物語」そのものに
すごく興味が湧いた
なんとなく聞いたことのある六条御息所の名前
彼女はとても嫉妬深く、その恨みが怨霊となって登場し夕顔の死を招くことになるとあった
他にもまだ2.3笑えない話があるが、、正直、源氏物語はこんな話なのか、、と驚いた
そこで今度は瀬戸内寂聴さんの現代語訳の「源氏物語」を借りてきた
現代語訳は円地文子や林望さんのがあったが、以前テレビで瀬戸内寂聴さんが
源氏物語はまずは漫画でもいいから読んでみると良いと言ってたのが記憶に残っていたので
彼女のを選んだ
読み始めると、、正直なところ驚いた
こんな内容だったとは
高校の教科書に出てきた「桐壷」のあたりは、桐壷に対する女御のやっかみ・嫉妬は
実際にはあるんだろうな、、くらいと感じていたが、話が進んで2番目の「箒木」となると
男同士の「いい女の評価」の話題で盛り上がる(これは有名で「雨夜の品定め」と称されるそうだ)
その一つ一つの言い分は、言いたい放題というものの現代でも通じるものがありそうだ
後ろに書かれた解説によればこの無責任な男同士の話も、後のいくつかのストーリーに
つながっているそうだが、これを読んだ時点では、割合本音が見えて面白いぞ、、と言う感覚
それにしても光源氏は困った人物だ
ドン・ジョヴァンニと比較されることが多いが、なるほどすぐにドン・ジョヴァンニを連想した
浮気のし放題で悪気れたところがない(一部の人を除いて)
女性の方もハンサムで立ち振舞も美しい光源氏を、今で言うタレントさんを無条件に受け入れる
ような様子で半ば黙認してるようなところがあるようで、男も女もどっちもどっち、、と言う感じ
この時代の通婚、そこに至るまで何度かの歌の交換とか、なかなか面倒だが
この壁を越えないと到達できないのは、自分の相手として選ぶチェック機能としては案外有効かもしれない
ということで、まだ読み始めたばかりの「源氏物語」
中断したところから読み始めると記憶が曖昧なのは情けないし困ったものだが、これは仕方ない
果たして最後の巻まで興味が持続するか、、、(ムリかな、、)
それそろアマゾンのほしいものリストでは西部邁さんの「大衆への反逆」が頭にチラチラしたり
自分の本棚にあるとは思わなかったトーマス・マンの「ファウスト博士」
(ベートーヴェンの32番のピアノソナタは何故第二楽章までしかないのか、、という講義の章が面白い)
などが読みたくなってくる
同時進行でいくつかの本を読むタイプでは無いので、先に読みたい本があると落ち着かないが
今は勢いで頑張ってみるか「源氏物語」
それにしてもこんな内容だったとは、、、