何かをまとめて買うには、何やら理由付けが必要な時がある
特に大きな金額を要する時、金銭的に余裕があるとかないとかではなしに、
言い訳が見つからないとなかなか小市民は一歩踏み出せない
今日の言い訳は一年間自分へのご褒美
これは自分が思いついた言葉ではなく
たまたま人が口にした言葉で
それをちゃっかり拝借というわけだ
と言っても何もそんなにかしこまる程のことじゃない
レコードを買っただけのこと
名古屋のバナナレコードで3組のセットもの
フルトヴェングラー指揮のウィーンフィルでベートーヴェンのフィデリオと
モーツァルトのドン・ジョヴァンニ(各3枚組)
それとギーゼキングのモーツァルトピアノ曲全集(11枚組)
果たしてこの値段は
昔から考えると信じられないくらい
フルトヴェングラーのものが各1890円
ギーゼキングが3980円
つくづくそこに存在する音の世界の価値と
実際の価格とは比例しないことに驚きを感じると同時に
誰か好きな連中が大事にしないと
もったいないことになってしまうといった危機感も感じないわけではない
家に帰って早速聞いてみた
まずは聴きやすいモーツァルトのピアノ曲から
K1からピアノソナタ3番まで若い順番に
真面目に聞いてみるとモーツァルトは天才であることがよく分かる
10歳にして既に自由なそして美しい変奏曲を書き残している
確かに最初の頃の作品はゴツゴツしていて
バロックのパターン化した音楽に思える時もあるけれど
さすがアマデウス 簡単には収まらない
どこか気が利いていると言うかツボを押さえている
ギーゼキングの音は一つ一つが芯があって固く
それでいて人間性を感じさせるようで結構好きな音色
でもピアノソナタ1番はバレンボイムの浮き浮きした感じのほうが好きかな
次いでベートーヴェンのフィデリオも1幕分聞いてみた
ベートーヴェン唯一の歌劇で序曲やレオノーレ3番は知っていても
その内容も全体の音楽も知らなかったけれど
勢いに任せて買ってしまったレコード
今日が聞くチャンスと決めてじっくり構えて、、、
なかなかいいじゃないか!
ベートーヴェンも気が利いてる
オペラ的な発想もできるしやっぱりすごい人なんだ
内容が音楽がぎっちり詰まってる感じ
これはフルトヴェングラーの力によるものかどうかは
定かではないが楽しんで1幕終りまで聞けたのは事実
でもやっぱり気分の急激な変化とか
全体の効果みたいなものはモーツァルトとかオペラ作曲を
主にしている人のほうが上かな!
と徐々に思えるようになって
ベートーヴェンの特徴はやはり純音楽の方にあるのだと
最確認した次第
それでも明日からの正月は
しばらくこれらで楽しめそう
明日は(つまり新年は)K330のソナタから聴き始めようかな
(それとも今日買ったレコードじゃないけどヴァイオリン協奏曲第5番K219がいいかな)