先日、マスコミのSTAP細胞騒動の伝え方について
意義を申し立てたが、一段落した今になって
動画等を確認すると案外ネット上では一方的ではないようだ
マスコミが飛びついたのは深い闇があるというより
若い女性が中心になって行った実験やその結果としての
論文が少し怪しいところがあって
マスコミ的には美味しいネタを発見して大騒ぎした
というところかもしれない
(発表したのは小保方さんだが
本当に小保方さんが中心になって行っていたのかは不明)
あれが普通のおじさんが発表していたら
あれほど騒がれていないに違いなく
良識的な多くの人もそう考えている
ところで、ネットの発言を信用するかしないかは別として
案外小保方さんを擁護しているように見える人もチラホラ見かける
それはSTAP細胞があるかないかは、そんなに簡単に実証できないのではないか
とか、検証実験で出ないと言って存在しないとするのには
時間が短すぎるのではないかという意見
これは意外にもマツコ・デラックスがこのように述べていた
また武田邦彦教授も似たような意見を残している
それから青山繁晴氏も、、、
ところが少しばかり残念なのは、この人達の世間一般評価がどうかという点
みんな少し変わり者の部類の立場ではないか
意外にまともなことを言っていても、普段の発言やキャラクターのせいで
あのひとがまた変わったことを言っている
その程度にしか伝わらなかったのではないか
ところで、そもそもあの検証試験は、あるかないかの実験ではなくて
ネイチャーに書かれたプロトコルに添っての実験に限られていて
現場での即興の工夫は禁止されていて(再現実験だったら必要な要素だったかもしれないが)
なおかつ、STAPがあるというのはキメラマウスができることが条件となっていた
小保方さんは当初からキメラマウスを作ることができなくて、その過程はずっと若山さんにお任せしていた
つまり 若山さんが参加しないと一般的にSTAP細胞が存在するということは
証明できなかった
あの実証試験でも緑に光った現象はあったようだ
ただしそれは想定したよりも数が少なすぎて
なおかつその先にはいけなかったようだ
「あの日」には実証試験に光ったものがあった
と書いてあり、評判の悪い200回できたという発言も
実は細胞のことではなく、光る現象のことなのだろう
ところで、武田邦彦氏の動画になるほどと思える指摘があった
それは華々しいSTAP細胞の記者発表のあと一週間もしないうちに
画像の不正流用が見つかったということ
それが不自然ではないかという指摘
ネットの力はすごいと言いつつも、その不正の画像というのが
早稲田の論文からの借用からというが、そんな画像をこんな短期間に
よく見つけることができたものだ
それに世界的に実績のある学者が何人もついていて
見つけられなかった点を他人があんなに短い間に
的確に(?)指摘できるのかのかという点 どこか不自然だという
普通は論文がでた ホントかな 実際にやってみよう
おかしいできないぞ どこか変なのでは という流れになるが
いきなり普通の人の知らない出処の写真が明らかにされた
これは確かに武田邦彦氏の言うように最初から誰かが
リークしようとしていたと考えるほうが自然かもしれない
マスコミにリークされたことは、そののちにも
笹井さんと小保方さんの男女関係を匂わすような、
そしてそれこそが科学的なことを理解できない一般大衆が喜びそうなネタとして
取り上げられ、それが真実かどうかは言いっ放し!勝手な想像にお任せになっていたりする
若山氏が自分の渡したマウスと違うと発言し
問題となった話は
必ずしも違うということではないらしいことになっているが
これはその後の報道では扱われていない
そういえば、小保方さんがES細胞を盗んだ疑いで
事情聴取を受けた(イメージ的には犯人は小保方さん)とあったが
その結果は不起訴になっていて彼女の疑いは晴れたというより
事情聴取を受けて怪しい!という印象だけが残っている
そしてこの事情聴取もある人の(リークした人?)の訴えから
スタートしたようだ
(ところでNHKの特番や毎日新聞の「捏造の科学者」で扱われた
ES細胞と思われるものが入った多くのカプセルの写真は、
どうも騒動とは全然関係のないものだったようだ )
ところで、確かに小保方さんも悪い
電気泳動の切り貼り
本質に関係のない比較対象の部分の切り貼りで
そのように利用するなら白線を入れておくという作業を怠ったり
流用の写真は間違えただけで真正のデータ(画像)があるというなら
キチンと出せばいいのにあやふやにしたり
論文に都合の良いデータのみを選んで採用したり
(これはそのように指示されたという話もある)
その他にも、少しどうかなという点があるのは事実
実証実験でSTAP細胞ができなかったという理研の発表は
その実験データから不正を行ったと解釈するのが唯一の解釈ではなくて
ある人は、まだ他の解釈や可能性もあるようなことを言っている
何が正しくて何が本当かわからない人たちは
無条件に発表する人を信じている
ここでは理研の発表することを無条件に信じている
きちんと実証実験を行った
その結果はこうだった
だから、何々だ
しかし、実は別解釈もありうるという声は
記者発表の場では聞かれない(それは記者の質問レベルを超えている)
大御所の発表すること以外にも別の可能性があるかもしれない
これが多くの場合表に出ない
それを言おうとすると一気にバッシングになりそうな雰囲気がある
それを言えるのは変わった人とされている人物だけ
こうして人は大本営発表のみが正しいと思い込んでしまう
このような現実のもと、人は何を信じたら良いか
今回の騒動は、受け取る側の方も問題があったかもしれない
人は自分の理解できる範囲で物事を判断する
そして言われたくない言葉に「それは科学的ではない」がある
あの時に小保方さんを擁護する発言をすると
科学的でない 少し頭の悪い 人と判断されてしまう
そのことに妙に怯えていなかったか
ところで、全然話は変わるが「あの日」を読んで気づいたこと
それは小保方さんが取り組んだ世界がとても面白そうだということ
まだ科学の設備が充分でない時に、先人たちが想像力たくましく
いろんな仮説を思い浮かべたことを知る
そして自分も生命活動の不思議さを目の当たりしにして
想像力をふくらませる
それはなにか世の中に秘密に触れたような 美しいと言う瞬間を感じたような感覚
これはハマる人にはハマるのだろうと思う
素数に関してのリーマン予想にハマって人生を棒に振ってしまった人もいるという
素粒子論にしたって宇宙論にしたって、結局のところ今のところわからない
わからないからいろんな仮説を立てる そしてそれを確かめようとする
この工程は、そのように生まれた人には面白くて仕方ないだろう
ダラダラと、どうでもいいことを綴ってきたが、参考になったのは
「STAP細胞 残された謎」佐藤貴彦著
これがある意味、世間一般と対局にあって面白かった
(ここには光る現象が死の間際の現象ではないことを
説明しているページが有る)
あまりにも最初から偏見ぽくて、文体も品がなくて読む気になれなかったのは
「STAP細胞に群がった悪いヤツら」小畑峰太郎
「捏造の科学者」は著者 須田桃子氏の半端じゃない頭に感心する
しかし、どこか最初から結論ありきの道筋のような面が感じられる
「あの日」を読んでからyoutubeでみた笹井さんの記者会見は
ほぼ小保方さんの記述と大差ない気がした
笹井さんは科学者らしく、言葉の定義、論旨、筋道をたてて説明しているように
見える、もっとも疑う方からすれば
何を言おうが怪しいということになるのだろうが