昼間で家には誰もいなかったから
比較的大きな音量で音楽を聞くことが出来た
レコードと比較して不満の多いCDでも
音量を上げると演奏のニュアンスも感じ取れる様になる
今日聴いたのは
ブルックナーの第2番の交響曲 朝比奈隆指揮
大阪フィルハーモニー交響楽団の演奏のもの
この曲結構好きでヨッフム、アイヒホルンなど
引っ張りだしては楽しんでいる
最初の2つの楽章が好きで、いつか実演が聴きたいものだ
と思っているが、なかなかこの地味なプログラムは無さそうだ
さてこの日本人のブルックナー演奏
宇野功芳氏が朝比奈隆の演奏を褒めているから
手に入れたのだが、確かに優れた演奏
(というより自分にとっても好ましい演奏)
正直日本人の演奏だとドイツ・オーストリー音楽の
肝心な部分で共感できていないんじゃないか?
と不安だったが、全然そんなことは無かった
(日本人の演奏でどうも自分的にしっくり来なかったのは
鈴木雅明のバッハ
実演でのヨハネもカンタータも何か居心地が悪かった
それが何故かはわからない
ただ音楽が日本語のリズムで進んでいったのが
気に入らなかったのかもしれない)
演奏自体は金管のヒステリックな咆哮はなく
フォルテでも何かが突出して響くことはない
絶妙にブレンドされ、響き自体に快感を感じてしまいそう
これはヴァントの8番の実演の時と同じ印象
妙な思い入れもなく、かと言って淡々と進んでいるでもなく
音楽のあるがままに進んでいく
楽譜に忠実な演奏などと言われるのかもしれないが
ただ楽譜に忠実なだけではこういった演奏にはならないだろう
共感、多分根本のところでこの部分が必要な気がする
アバド・ブーレーズもブルックナーの演奏したものがあるが
いくら精緻な演奏をしてもブルックナーに対する共感がないから
ただ音が流れていくだけにしか思われない
一方、アイヒホルンなどは共感が感じられて
それがこちらにも心地よい
共感に溢れた演奏は、間合いの取り方も絶妙
ちょっとしたフレーズも意味ありげに響く
そして最後まで一気に聴いてしまった
その後、聴く馬力のあるうちにと思い引っ張りだしたのが
マーラーの2番の交響曲「復活」(アバドの指揮 シカゴ交響楽団のもの)
さすがに最初からという気分になれず
歌の入る4楽章からにしたのだが
この曲最近も以前も、ちゃんと聴けないが
結果的に今日も同じだった
どうも効果狙いのような音楽が続いて
自分が共感できない
気分・感情の変化が激しい音楽がマーラーの
特徴とも言われるが、それよりも何か薄っぺらな感じがして
途中でやめてしまった
マーラーは5番は良いかも
1番も我慢出来る
9番は真ん中の2つの楽章がつまらない
マーラーは全体としてカッチリした印象を持つことが出来ず
ある楽章だけ突出した印象だけを持ちやすい
つまりは自分はマーラーより
ブルックナー派ということになるのだけれど
この田舎の作曲家はもう少し大事にされていいんじゃないか
といつも思ってしまう
ホント、好きだなブルックナー
第2番の交響曲はブルックナーのほうがマーラーよりずっと好き