パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

「こじつけ」と「勘違い」

2012年10月29日 20時35分26秒 | あれこれ考えること

復興予算がその本来の目的とは異なったものに使われ
肝心な被災地には充分使われていないとの最近の報道

何故、直感的に復興とはかけ離れたところに
予算が使われてしまうのか、と言う問題は
恐ろしいまでの(官僚の)「こじつけ」の作文による

以前、補助金申請の仕事に少しだけ関わったことがあったが
そこで必要な能力は「こじつけ」のもっともらしい作文
まわり回ってようやく趣旨に結びつくような内容でも
それらしい文章、もっともらしいことが書いてあればいいようだ

そして、それを受け取る側も「こじつけ」を承知している
いや、仕方ないものとして認めている
(指導したりしている)

これからの世代の若者に必要な物はプレゼン能力と言われるが
こんなものは本当のプレゼン能力ではないだろうに
それを、しっかりと指摘したり、批判的に眺め
尚且つ本質を把握し、ダメなものはダメと言い切ってしまう人物が
現れない限りこの状況は変わらないかな

というか、何時の時代も悪知恵の働く生命力の強い人物に
善良なおとなしい普通の人は押し切られてしまう

世の中は正しい結果に徐々に移行していく
というのは、今は少しロマンティックな考えのようにさえ思えてしまう

話は変わって、最近この地区の市役所に行き
市長室なるものに訪れた
人口数万の小さなこの町にも市長室には
助役(?)と秘書が二人
助役さんは椅子もチョットよさそうな品質?

市長は多忙で、仕事が多岐にわたり一人では
仕事を遂行できないので手助けとしての人が必要なことは
理解できる
そして、責任が重く、事があれば責めをになう大変な職であるから
その報酬もそれなりというのも分からないではない

しかし、市長室があって、おかかえが数人いて
しかも、自分を持ち上げてくれるとしたら
普通の人は「自分が偉い人物」と勘違いしてしまうのではないか?

市長は単なる職種の一つで
ちょっと専門的であったり、度胸が必要とされたり、
難しい判断を下さなければならないとしても
それで人間が上だったり下だったりすることはないだろう

こんな風に自分は考えてしまうわけだけれど
これはベートーヴェンとゲーテが一緒にいた時に(?)
誰か世間一般に偉いとされる人が通過する際
ゲーテはその人を敬う態度を示し、ベートーヴェンは
そうしなかったと言うエピソードを思い出す

ベートーヴェンにしてみれば
何も、人間的に偉大な人物かどうかわからない人物に
何故へりくだらなければならないか?
と考えた結果の行動

しかし、残念ながら世の中は本人も周りも
「勘違い」の世界で生きている方が多い
つまり、職種としての市長を偉い人物と思い込んでしまう
(勿論、人間的に素晴らしい人もいる)

自分は最近、何の見返りも持たずに
コツコツとみんなの為に行動している人々を
見かけることが多いので
この人達こそ偉い人物と思うのだが、、、

ところで先程のゲーテとベートーヴェンのエピソード
そこにモーツァルトがいたらどうしたか?
如才なくゲーテ風に行動したか?
それともタメ口っぽく接近して馴れ馴れしくしたか?
いずれにせよベートーヴェン風ではなかったろう
と想像したりするが、、
ま、どうでもいいことかな

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「自由からの逃走」と「孤独な群衆」

2012年10月26日 20時53分57秒 | 

いやあ、面白い
面白いという軽い意味合いではなく非情に興味深い
今読んでいるのは「事由からの逃走」エーリッヒ・フロムの著作

この本、実は大学時代の生協の本屋で見かけたような気がする
タイトルだけは何故か記憶に残っている
読み始めて、こんなに洞察力・現状把握・検証に富んだ本だとは思わなかった

自由と孤独
そして知らないうちに追従の暮らしを選んでしまう可能性
それは確かにあり得ること

カラマーゾフの兄弟の大審問官でも
大衆は完全な自由など望んでいないと
うそぶくところがあったが、ホント、、完全な自由など
しんどくて仕方ないのかもしれない

まだ読み始めたところ、ワクワクしながら読んでいけるのが嬉しい

もう一つの「孤独な群衆」
これは一度読んだことがある
読み終わって直後、もう一度読み直さなければ!
と思った一冊

これも、どこか先ほどの「自由からの逃走」と
合い通じるところがある
時代の、環境の変化によって人間性が変化していく
それを洞察力に富んだ心理的な分析を交えて解いていく

それにしても、一見自由と民主主義の世界とされている
今の世界は、実は非常に住みにくい世界だといえる
全員が勝者(経済的な)を目指し、闘うと言えば聞こえがいいが
その実、どこか人間として不自然なところがある

それは(日本ではあまり疑うことのない)資本主義の欠点・弊害かもしれない
正直、この点についてもう少しあるべき姿をイメージして
社会を捉えなおさないと、なんともならない時期に来ている気がしてならない

このまま1%の権力・財力・発言力を持った人たちだけの
話を聞いて社会が進んでしまうと
本当にやばいことになってしまう

「そのように話す人がいるが、世界を変えるほどではない」
こうした状態が続いて、いつの間にかもっと住みにくい世界に
なってしまうとしたら、その責任は一体誰にあるのか?

リードした人たちだけではないだろう
甘んじてその状況を受け入れている人たちだけに責任があるのではない
むしろ、その矛盾に気づいた割合恵まれたポジションにいる人が何かすべきだ
ノブレスオブリージュ
それを実行できる人間性
今の日本に世界に、そして特にアメリカに期待するのは
無理なことなのだろうか?

 

 

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何度も経験したくない

2012年10月22日 19時54分17秒 | Weblog
カテーテル治療のため一日だけ入院。
診断がたいしてしんどく無かったので軽く考えていたが、甘くはなかった。
と言っても、散々だったということはなく、もう一度はしたくない!が実感。
それにしても、何と多くの人がここ豊橋ハートセンターに来てるのだろう。
先ほど帰った隣の人は救急車で運ばれたようだ。
ホント、健康第一。
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MVPは川島(日本対フランス戦)

2012年10月13日 19時10分48秒 | サッカー

日本1−0フランス

シンプルだけど早くて強いフランス
普段があのスピードの中で戦っているせいか
日本のプレスのスピードではプレーに余裕があったように見えた
「いつでも点は取れる」
ベンゼマを始め大半のフランス人選手は思ったに違いない
(ベンゼマの胸のトラップから浮いたボールを蹴りやすいところに
 足の甲のトラップで運んだのは素晴らしかった)

ところが、こうした態度が上手く行かなくなった時
立て直すのはなかなか難しい
そうこうするうちに反対に点を奪われる
今朝早朝の日本対フランスの試合は
全くそのパターンだった

勝つには勝ったが
次にやるときもいい結果が期待できるかといえば
おおいに疑問が残るが
それでも、攻められっぱなしでも失点しない
と言う経験は大きな実績と経験となる

前半攻められっぱなしで
攻撃になった時に感じたのは
ボールを前に運ぶ人がいない
ということ
サイドで突破やパスを試みても
真ん中から運ぶ人がいない
本田がいればその役を彼が担うのだけれど
この意味では本田の不在は大きい

香川は最終的に得点したけれど
タイプとしてはセカンドストライカー
スペースの中に入っていくタイプで
日本の言う10番タイプではない

もっとも10番の役割は徐々に
日本でも香川の役割に近づいてきたが
まだまだ機能するしないを考えると
ゲームを作る仕事が10番は要求される

さてネットではMVPは誰か?
との質問があったが
自分は「川島」をあげる
前半、ちょっとバウンドしたボールの判断が悪かったが
FKもよく防いだし、後半もファインセーブを連発し
「今日は当たってる」
と言う感じを相手に与えたかもしれない

さて16日にはブラジル戦
今度はまた違ったリズムで攻撃してくる
チョットやりにくい感じかもしれない

いずれにせよ、とにかくいろんなタイプを体感する
それが一番だ
吉田がプレミアリーグであのスピードのサッカーに
慣れるということは
本人にとっては勿論のこと
日本にとってもすごくいいことだと思う

香川はもう少し切れだけでなく
適切な判断をするようにしてほしいな

 

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先頭ランナー日本

2012年10月08日 15時55分40秒 | あれこれ考えること

GDPは中国に抜かれてしまっているし
家電メーカーもサムソンの後塵を拝すばかりの日本
その状態をを挽回すべき各メーカーの新製品を見ても
何か違うんじゃないか!
と思わせる様な製品ばかりが並ぶ

今更大きなサイズのディスプレーとか薄いそれは
勝負のポイントじゃない気がする
まして価格の勝負も戦う土俵じゃないことは明白だ

自信を失って茫然自失の日本
だが見渡すと先頭ランナーとして走っている分野がある
それは皮肉なことだが「老齢化社会」

若者の人口減、老齢人口の増加
これは先進国の中でもトップを走っている
日本が困るのはお手本となる先頭がいないこと

今までは先頭をお手本に真似して工夫するだけでよかった
ところが先頭に立ってしまうと見える景色が全然違う
途方に暮れるのはわからないでもないが
実はここにチャンスはありやしないか!

つまり、いずれ多くの国が今の日本のようなことを経験することになる
ならば、日本は今の状況を死に物狂いで打開すべき工夫をして
その時に得た知識・ノウハウを
次に老齢化社会のやってくる世界に販売するようなことをすればいいのではないか

具体的にはどんな案が出てくるかはわからない
しかし、いま必死になったことは
やがて必死にならざるを得ない国々に対しては
必要不可欠な情報になるに違いない

といっても、死に物狂いでしなきゃ知恵なんて手に入らないだろうけど
国も企業も!

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江戸幕府と日本国政府

2012年10月08日 15時35分44秒 | あれこれ考えること

国民の期待を思いっきり裏切った民主党
その多くの責任は自らにあるかもしれないが
前政権の自民党に責任がないとは言えない

ただ、言えることは政権与党になると(政権をとると)
態度が一変してしまうということ
優秀な官僚に丸め込まれるというのではなく
もっと別の理由が有りはしないか?
というのが今日の論旨

昨日の「政府は必ず嘘をつく」と相通じることなのだけれど
つまり、政権を取ったところには必要以上のアメリカの
圧力があるのではないか!ということ

それは純粋にアメリカ政府というのではなく
1%の連中が要求することなのかもしれない
そしてそれは、反対の立場を現実的にとることが
できなくしているのではないか

江戸幕府が鎖国制度を取りやめてアメリカとの通商条約に
批准したのも、実はアヘン戦争などの情報を手にしていた
幕府は現実的にはそうせざるを得ない結論に至ったのではないか

つまり、政権をとっているところには
とっていないところにはわからない
さまざまな圧力があるということ
もっとも、そんなのは当たり前のことかもしれない

話は変わるけれど、これらのアメリカの(1%の連中の)要求に
ノーの言葉を突きつけるには度胸がいることだろうが
その判断のベースになるのは実は日本の歴史の中から生まれた
文化のような気がする(とロマンティックに思うのでした)

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「政府は必ず嘘をつく」を読んで

2012年10月07日 08時18分41秒 | 

多くの調査に基づいた真面目な本
日本もアメリカも、そしておそらく他の国も
政府が嘘をつくのは国民性とか国情によるのではなく
グローバリズムとコーポラティズムのせいだと分析する

そこには資本主義の行き着いた現状への警鐘が
センセーショナルな例を挙げて語られる

1%の人間が他の99%の人間の資産を支配するどころか
結果的には人生までも支配すること
そして、その事を伝えるべきマスコミも1%の陣営に
取り込まれてしまっていること

そのことにも気づかずに暮らしている多くの人々
お上はそんなに悪いことをするはずがない
それは現代では幻想に近いかもしれない

テレビの情報に支配される国アメリカ、
アメリカ一辺倒の報道の日本
そこで語られなかったリビアの別の視点からの姿は印象的だ

以下抜粋----------------------------------------------------

反米・反イスラエルを掲げ、数々のテロに関与し“アラブの狂犬”と呼ばれたカダフィ大佐。
カダフィ大佐殺害を伝える日本や欧米の報道には、「独裁者 がついに死亡」「民主革命である<アラブの春>が
リビアにも拡大」というような見出しが踊り、歓喜するリビア国民の写真が掲載された。

「あなたたち日本人は、リビアのことを何もわかっていない。西側のマスコミしか見ないからです」

 チリ出身で東京在住のヴェロニカ・ランソデールは、リビアについての間違ったイメージが日本に広がっていることに警鐘を鳴らす。

「私はリビアにたくさん友人がいるけれど、彼らは高学歴・高福祉の国であるリビアを誇りに思っています。
アフリカ大陸で最も生活水準が高いリビアで は、教育も医療も無料で、女性も尊重されている。
日本の人たちは、そういうことを知っていますか? 国民は、電気代の請求書など見たことがありません。
42年間も政権を維持できたことには、ちゃんと理由があるんです」

 

カダフィは全ての国民にとって、家を持つことは人権だと考えており、新婚夫婦には米ドル換算で約5万ドルもの住宅購入補助金を、
失業者には無料住宅 を提供し、豪邸を禁止した。車を購入する時は、政府が半額を支払う。
電気代はかからず、税金はゼロ。教育、医療は質の高いサービスが無料で受けられる。
も し、国内で必要条件に合うものが見つからなければ、政府が外国へ行けるよう手配してくれる。

大家族の食料費は固定相場、全てのローンは無利子でガソリンは格安。
農業を始めたい国民には土地、家、家畜、種子まで全て国が無料で支給、薬剤師 になりたい場合も必要経費は無料だ。
42年間、カダフィが権力の座に就く前に10%以下だった識字率は、今は90%を超えている。
これらの政策を可能にし ていたのは、アフリカ最大の埋蔵量を誇る石油資源だった。

-----------------------------------------------------------------------

カダフィ大佐に関する印象が全く変わってしまうようなレポート
確かに我々の見る彼の容貌は、いわゆる「悪人面」
しかし、それすらも演出的な側面があってそのような画像だけを
取り上げているのかもしれない

IMFもWHOも立ち位置を替えて評価すると、単なる正義の味方ではないと言う事実

読んでいくと自然と怒りがこみ上げてくる
それは、例は悪いが「踊る大捜査線」で湾岸署が理不尽な命令と判断を下す
本店に対する怒りに似ている

自由、民主主義  
この響きよい一見何の批判のしようのないお題目が
実は結果として、いや最初からその目的で
1%の人のためにだけなるように使われている
そして、その為の報道

確かにやりきれない
しかし、無力感に陥ってはならない
いつだったか、タゴールが無邪気な赤ん坊の姿を見て
「まだ希望を捨ててはならない、だったか、未来に希望は存在する」
と語ったエピソードをラジオで聞いたが、この本でもやはり
子どもの姿を見て、今大人たちが何をしなければならないかの
きっかけづくりになればとしている

結局、人は自分で的確は判断力、情報力を持つしかない
その為の人間力と!
それはサンデルの「これからの正義の話をしよう」に相通じる

人間は1%の人々に効率的に使われる人間になるために
生まれてきたのではない

全ての人間が自分らしく生きるために
現代はなんと多くの努力を強いられることか!

 

 

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金閣寺

2012年10月01日 20時33分12秒 | 旅・旅行

清水寺と並んで京都観光の入門編の地金閣寺
何年ぶりにこの夏でかけた


正直なところ、あまりにも定番過ぎて馬鹿にしていた
しかし、この夏は方丈の一般公開があって
ボランティアの人の熱心な説明もあって
結構楽しめた

しかし、その話を聞いてつくづく残念と思ったのが
金閣は迎賓館の役割であって
他の屋敷が今の何倍の大きさで存在しており
そこに回廊も巡り回されていたということ
(大半は応仁の乱で消失したとか)

回廊が自分は好きだ
仁和寺も、大覚寺も、回廊が存在感のあるところは
つい自分がそこの住人になった感じを空想してしまう

この風景を金閣の家の中から眺めたら気分いいだろうな
ホントお公家さんの趣味は、悔しいけど、素晴らしい

京都の魅力は侘び寂びの世界というより
自分にとっては雅の部分を含んだ趣味の良さ
チョットやそっとでは真似できないセンス

ところで、次の京都の旅は紅葉狩りの前に
和菓子三昧といってみようかな

それにしても、京都は深い

 

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