季節の中で 暮らしの中で -Through the seasons and daily life-

現代の都会でプチ昔&田舎暮らし
-old & country style in modern urban life

焦りと緊張

2013-09-09 21:39:12 | ハンドワーククラブ HandworkClub
ハンドワーククラブにて。

焦っているのになかなか進まないって感じの一日。
と言うのも、来週から2回が祝日なのでお休み。その前になんとか少しでも型を付けておきたいものがあったので。
それでも朝から電車が遅れて、行ってからもずっと働いてるんだけどあんまり思うように進まないってのが続く。
そんなもんか。

それでも新しい展開も。
「これを作りたいんです。」とカバンの作り方の本を見せる彼女。すぐに布に線を引いて行く。
引きながら「この大きさで良いの?もうちょっと大きくすることも出来るよ。」と言うとびっくりしている。自分が使いたい大きさや形にすることなんて思いも付かなかったって。

出来ます!

カバンは何を入れるか、どんな時に使うか、どうやって使うか、考えて細かくポケットやサイズや持ち手を調節して作るのが醍醐味。
一緒に「ペットボトルを入れるにはこの深さで」とか「今使ってるこれよりも少しマチを狭くして」とか言いながら調節して製図して行く。それが驚きで楽しいらしい。良かった。

初めて手縫いに挑戦する彼、いきなりのズボン制作。
型紙を取って線を引いて切る所まで出来た。さあ縫いましょう!
初めて、または学校の家庭科以来の久しぶりなので手本を見せながら説明する。
手縫いには手縫いの道がある。
ホントにこんなに手縫いするなんて考えてなかったけど、長い間手縫いを一生懸命やっていて良かった。
いろいろ教える事ができる。

その彼が観てたら苦心している。どうしてかと思って見て考えてみたら左利きだった。
そうか~、だから手本がそのまま使えないんだ。
それで左で縫えるように方向や手本も変えた。玉止めの仕方も左に替えた。そうしたらみるみる縫えるようになった。良かった~。
この頃発見したけど、私も左利きかもしれない。ビーズを取るのとか米の中のコクゾウムシを摘まむのも右手より左手だと確実に早く取れると言う事を最近発見したところ。
運動も大抵左だ。もしかしてボールも左で投げたらうまく投げられたのかもしれないなあ。などと考える。とにかくまっすぐに投げるのが出来なかったから。
だから手仕事もちょっと考えたらすぐに左でも出来る。それが役に立って嬉しい。

もう一人の彼女は作りたい作品の型紙を自分で作って来て、布に線を引いて…その後は出来そうだと思って放っておいた。そしたらものすごい勢いで型紙の上から縫っている。
子どもの時に家庭科の作品を作るのに「ちゃんと出来てない!」ってお母さんに怒られ過ぎて、そうせずにはいられないんだと言う。
どうなってるかわからなくなったら、失敗したら怖いからこうなっちゃうねん!って。

私はびっくりして「大丈夫、私は怒らないから」って言ってなだめる。
それはそんなに体にぴったりした作品じゃないから適当に縫ったら出来るのに、ものすごく細かく作ろうと一生懸命になっていたのだ。
やっている本人もどうしてか、わかってる。私も見てどんなにつらい体験だったのかわかった。
二人でそれを確認して。「しゃーないな。」って言う。

みんなでわかってる当たり前の事は「子どもが作るんだから初めから何十年も洋裁をしてきた人みたいに完璧になんてできない。それを「できないから」と言って取り上げたり「絶対に自分でしちゃダメ!」と言って持って帰らせてお母さんが仕上げたりするのは子どもの成長にものすごく良くないね。」って言う事。
みんな頭ではわかってる。それでも大人になった今でもなかなか「自分は出来ないんだ」ってのが抜けない。心配で不安で仕方ない。

どんなにそれがつらい事か、その後の人生でそれによってどんなに余計な緊張を続けてこないといけないのか、私は観たしわかった。
だんだん緊張しないで作れるようになってきたらいいなあと観ながら思う。
とにかく私はそれをわかったし認めたし、怒らない。そうやってこれからも一緒に居て作ろう。
丁寧に一歩一歩他の人と同じように進んで作り上げよう。
体験のやり直し。彼女の中にいる子どもの頃の彼女にに丁寧に「大丈夫、あなたには出来るよ!」って教える。
それが私の仕事だ。

みんな一人一人、帰るときに3週間後ね!元気でね!って言って手を振って別れる。
体に気を付けてね!ってほんとに祈るような気持ち。





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