八重桜を作るのを頼まれてて、もう何年も経ってる。
ずっと作りたいんだけど、なかなか八重桜の核心に到達していないので作れない。
植物も動物も適当に作ったら全然違うものになってしまう。
キティーちゃんをフリーハンドで描いた時みたいに。
それで季節を跨いで色々観察していて、今は花が盛り。
それで八重桜ロードに出向く。
とにかく道に沿っていろんな八重桜が咲き誇っているので、感動しながら歩く。
そして観察。
冬に観てた枝振りにどんな風に花が付くのか
興味深かった。
観れば観るほど面白く美しい。
それでわかったんだけど、八重桜のベスト鑑賞ポイントは木の真下です。
花は下がるように咲くので、横から見てもぼんぼりみたいには見えるけれど、やっぱり真下で見ると丸さが際立つ。
お試しあれ。
そして細部の観察。枝の着き方などスケッチする。
面白かったのは花を後ろから観ると、額は5枚のもあれば6枚のもあった。
それは品種によるというよりも、一本の木でも変化があった。面白い。
桜のイメージは5だけれど、6枚の額ならば花びらの着き方の基礎は6になっていて、それも面白い。
花を一つ貰ってじっくりと観察することにした。
スケッチしながら分解する。
層に分けて花びらを並べる。
おしべの着き方など面白い。
あんなにひらひらしているのに、花びらの形は一重のものと変わらない。それも面白かった。
マッドサイエンティストのように美しい花を分解してみて、
観ながら思うのは、これを集めたところでそれは花ではないと言う事。
ひとまとまりの命であることが大事。(ゲシュタルト心理学の考え方に共感する)
だからあんまり分解したくないけど、やってみてわかることもたくさんあるので、ひとつで十分。
それにしてもこの花びらの色のグラデーション、薄い質感。
ため息が出る。
観察したあとはゴミ箱に入れるのは忍びなくて、庭に放った。
このままに花を作ることはできないけれど、八重桜の概要は捉えられた。かも。
観察を続けます。
葉っぱの色が難しい。あの微妙な赤と緑の重なった色。