明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



昼に横浜まで出かけ撮影の仕事。今日は何故だか家を出る前から気力に溢れ、良い写真が撮れるような気がしていた。撮影後、ごちそうをいただき、飲んでいるうち眠たくなったものの、いつものように駅のベンチで一休みすることもなく帰宅。最近納豆を毎日食べているぐらいしか思い当たることはないのだが。
私はおそらく女性を作ったのは10人に満たないのではないか。男女を同じ材料、同じサイズで同じ土俵に立たせられる気がしないからなのだが。作る程イメージから遠ざかっていく。そこで女性は実際の人物を撮影し、人形と共演してもらい、それでようやくバランスが取れる気がするのである。 始めて、まだご家族がお住まいだった乱歩邸に撮影の仕事の時だったかご挨拶に伺った時だったか、丁度土蔵内の蔵書を調査している時で、山前譲さんと新保博久さんが乱歩邸に通い詰めていた時であった。その時、黒蜥蜴の話になり、神保さんが「今時黒蜥蜴を演れる女性がおりますかねえ」。とおっしゃったのを憶えている。それまで一度サインペンで女性の腕に黒蜥蜴を描いてやってもらったことがあったが。そりゃそうだな、と。人に非ず的な感じは作り物でいくしかない。結果いつも作っている男どもより20センチも大きくなってしまった。これで怪人二十面相と黒蜥蜴がそろった。



銀座青木画廊「ピクトリアリズム展Ⅲ』5月12日(土)〜5月25日(金)20日(日休)

2016年『深川の人形作家 石塚公昭の世界』 youtubeより

『タウン誌深川』“明日できること今日はせず”連載7回「“画狂老人葛飾北斎”」

HP

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