明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



壊れたパソコンから無事データを取り出したが、壊れてそのままのパソコンがあと二台ある。中身のデータは随分前なので要らないだろう、と思いながらおいおいチェックすることにした。初代のパソコンをスペック不足で買い替えしばらくして、何か探し物だったかで、数年ぶりに前のパソコンを起動してみた。それは一冊目の『乱歩 夜の夢こそまこと』(絶版)の頃に使っていたウインドウズで、それまで人形を手持ちで撮影していたが、それは人形がただ手前にあるから人間大に写っていただけで、書籍となると毎ページ手前に人形があるようではストーリーは描けない。フォトショップを使った。その頃の悪戦苦闘ぶりが、といえば聞こえは良いが、途中で断念した作品、構想だけに終わった作品やらで、まるで慌てて夜逃げしたかの如き有様であった。いかにも私らしい企みがあからさまで赤面物である。しかし一方で、何が出て来るか判らない恐い物見たさもある。子供の頃父がセメントや石で作った1メートル数十センチの池というか水たまりのような物があり。端に瓶が埋め込まれていた。それをたまに掃除するのだが、何が居るか判らない、楽しみとおぞましさ半々であった、あの感じにそっくりである。イメージは在るのにそこに届かず。そんな物にあふれかえっているに違いない。昔は作りかけの作品を前に、どこか変だが、どうしたら良いか判らず固まっている夢を良く見たが、幸い最近は見ない。

銀座青木画廊「ピクトリアリズム展Ⅲ』5月12日(土)〜5月25日(金)20日(日休)

2016年『深川の人形作家 石塚公昭の世界』 youtubeより

『タウン誌深川』“明日できること今日はせず”連載7回「“画狂老人葛飾北斎”」

HP

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