明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



先日『円谷な女』は田村写真に持って行った所、データの不備が見つかった。一部に軽いデータが使われており、それに気が付かない私も私である。そこでもう一度やり直すことにした。なんでこうしたか判らないが、女性の頭が切れていてトリミングがどうももう一つ。そこで背景を広く取り、改めて配置しなおす。 怪獣映画というと私の世代は航空自衛隊F-86セーバーである。今回、もともと円谷英二のために用意した海底軍艦こと轟天号を上空に配した。前回は轟天号の居場所はなかったが、空を広く取ったので浮かべることができた。改めて見ると勝どき橋上のメーサー砲は大ダコの目に狙いを定めている。子供の頃、何故自衛隊は怪獣の目を狙わないのだ、と思ったものである。身体はともかく、怪獣といったって眼球は柔らかいだろう。 これは元々フリーペーパーの表紙用に制作した物で、実景を特撮スタジオにしてみようというアイデアで、円谷英二にしか使えない。実際にはここにスタッフや照明など配置していた。そういえば。この時の残っていた蛸のデータを使って、ヌードに絡ませた作品も個展に出品の予定だが、それはもともとヌードを撮らせてくれた知り合いを、笑わそうとして蛸を絡ませているうち本気になってしまったのだが、そう思うとこの『円谷な女』も、そんな不純な動機で作ろうとしたせいで、いい加減なデータが混ざってしまったような気がしてきた。これをもし出品するとしたら。葛飾北斎を含め蛸が3点ということになってしまうので、選ぶことになりそうだが。それはともかく、幽霊だ、河童だ、円谷な女だ、と浮き世の雑事から逃走するにはうってつけで、嫌がおうにも集中力高まり、物心付いて以来お馴染みの快感物質がジュワーッと溢れ。本日始めての飲食をしながらこれを書いている始末である。



銀座青木画廊「ピクトリアリズム展Ⅲ』5月12日(土)〜5月25日(金)20日(日休)

2016年『深川の人形作家 石塚公昭の世界』 youtubeより

『タウン誌深川』“明日できること今日はせず”連載7回「“画狂老人葛飾北斎”」

HP

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