明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



個展などの前に数年前までやっていた、寝床に本を並べて寝心地を悪くして睡眠時間を削る、なんてことはもうしないが、少々疲れが出てきた。 昨年の今頃、三遊亭円朝第一作、陰影をなくした一作目が完成した。掛け軸をイメージした縦長の背景。1作目が出来てもこれで行こう、というまでには至らなかった。続けようと思ったのは二作目の『鏑木清方作三遊亭円朝像へのオマージュ』ができ、プリントしに行こうという所に田村写真の田村さんから手漉き和紙が合いそうだという連絡が着て、プリントしてもらったのを見た時であった。5月12日。たまたま来月の個展の初日で一年である。 これは実在の人物を作るのは止めよう、と思った原因となった。清方の円朝像は肖像画の傑作と言われているが、私が迷わされたのが、残された円朝の写真と違っていたからで、子供の頃から円朝を慕っていた清方が、円朝没後随分経って、自分の中の円朝を描いたと言われている。私にはこれができない。写真作品としては様々でっち上げるが、肖像写真が残されている以上、造形的に勝手なイメージを加えるということは、やってはいけないと考えている。そう思うと、作りたい人が浮ばなくなった時期に清方の円朝像により、創作するということについて考えさせられた。

深川江戸資料館 特別展『目で見る落語の世界』4月21日(土)〜5月6日(日)4月23日(休)三遊亭円朝、古今亭志ん生像出品

銀座青木画廊「ピクトリアリズム展Ⅲ』5月12日(土)〜5月25日(金)20日(日休)4月23日(休)

2016年『深川の人形作家 石塚公昭の世界』 youtubeより

『タウン誌深川』“明日できること今日はせず”連載7回「“画狂老人葛飾北斎”」

HP

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