明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



起き抜けに観た夢。だだっ広い港のような所。船はまったく停泊していない。海面まで100メーターくらいある。どこからか流れて来たであろう男が下を見下ろしながら一丁のライフルと2丁の拳銃を海に捨てる。そこから5メートルのところで見ていた私には男はクリント・イーストウッドに見えるのだが、実はこの男、私のようである。
昨日ブログに載せた渡辺温の短編『赤い煙突』のイメージで作った作品は、特に絵画的に、と考えていた頃の作品ではなかったが、写真なのか絵画なのか?という方がいた。最近の手法は陰影がそれぞれに干渉しないよう、部品を個別に撮影して配置するのだが、『赤い煙突』は陰影はあるものの、使った部品は縁もゆかりもない物を寄せ集めて捏造した脳内風景で、おかげで現実感の希薄な感じを醸し、絵画的に見えるのであろう。陰影をただ取るだけでなく、切り抜いて現実から一度引き剥がした物を配することが効果を生む。 人形、人間が写っていない作品から脳内風景として選ぶとすると、現実の割り合いが高い『船の挨拶』や波打ち際の桜などより『赤い煙突』であろう。どうも作品が多過ぎて会場で減らすことになりそうだが、なにしろモットーが“及ばざるくらいなら過ぎたる方がマシ”なもので。

銀座青木画廊「ピクトリアリズム展Ⅲ』5月12日(土)〜5月25日(金)20日(日休)

2016年『深川の人形作家 石塚公昭の世界』 youtubeより

『タウン誌深川』“明日できること今日はせず”連載7回「“画狂老人葛飾北斎”」

HP

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