明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



昭和残侠伝“唐獅子牡丹その弐”の改良版完成。三島の陰影をなくし、顔をこちらに向けた。背後の4人衆も微調整。三島は彫物など入れていなかったはずだ、という方には意味が判らないだろう。死ぬ1週間前まで撮影していた篠山紀信撮影の『男の死』(未刊)はすべて三島自身が着想した死に様を撮影した写真集だが、ヤクザ者の死というのもあった、と聞く。三島の趣味からすれば当然であろう。二人の彫物師に連絡を取ったが、直接会った話は伝わって来ないので、やりたいことをやり尽くした三島もそれだけはかなわず、「学習院の生徒の父兄が刺青いれるわけにはいかないでしょう」というのを聞いたのは澁澤龍彦だったろう。私もこれで気が収まった。 今回三島をこちらに顔を向けられたのも、被写体が手元にあるからで、今後、実在した人物に関しては公開していただける場所ならともかく、手元に置いておくことにした。二年前に展示出来る作品をできるだけ出品した深川江戸資料館の個展以来考えていた。 立体を作って撮影する良い所は一度作ってしまえば360度どこからでも撮れる所で、またあらゆる写真、時には子供時代の写真さえ参考にするので、特定の写真作品の著作権に触れることもなく、あの写真だな、ということも避けられる。本物ではないけれども三島の次はジャン・コクトーを撮ろう、なんていってるのは地球上で私だけであろう。



銀座青木画廊「ピクトリアリズム展Ⅲ』5月12日(土)〜5月25日(金)20日(日休)

2016年『深川の人形作家 石塚公昭の世界』 youtubeより

『タウン誌深川』“明日できること今日はせず”連載7回「“画狂老人葛飾北斎”」

HP

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