明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



三島でやり残していていた2点のうち1点、ラストを飾るにも程がある市ヶ谷東部方面総監室の窓に日輪。もう一つは三島が喜ぶだろうと、残バラ髪の追い詰められた武士。あなたに私がなりたい三島が自分の好みで選んだシチュエーションの薔薇十字社版男の死と違って、私の場合は、三島由来の何かがないのにかってに制作するわけにはいかない。それが昨年、飲み会で、椿説弓張月は面白いの一言を耳にし、すぐに武藤太の責め場が頭に浮かび、セバスチャンを見つけた!これは嬉しかった。白縫姫が探し続けた仇敵をようやく見つけたかの如し。しかもどうせなら三島が愛した芳年、国芳の血みどろ絵調に。陰影のない手法なら可能であろう。という訳で砂町銀座の途中の図書館に予約した芳年を借りに行く。こんなことで喜んでいてバチが当たらないだろうか?いや本日の雨混じりの雪のように日常的にバチは私に降り注いでいる気がしなくもないが、ネットて平気で事故物件に住み嬉しそうにしている連中を見ていると、私もはたから見ると、あのように見えているのではないか。 それはともかく。外側にレンズを向けず眉間にレンズをあてる私の念写もここへきてだいぶ精度を上げている。明るい真っ昼間に撮影し、床に反射した直射光を暖炉の灯りに見立てている。しかしエドガー・ポーの顔に下から光を当てるとお話しにならないので、別にランプの灯りということに。


エドガー・アラン・ポー
The RAVEN


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