明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



本日からまで8×10インチサイズのカメラを使ったグループ展に参加する。オイルプリントを拡大した作品を展示するつもりであったが、さる事情で、使用しネガを使った作品二点となる。撮影したのは20年以上前である。個展技法オイルプリントは、感度が低く、引き延ばしができないので、当時は作品サイズに応じた大型カメラを使う必要があった。だがほどなく、イメージセッタという街の印刷屋の印刷用ネガを使うことを思い付き、35ミリカメラでの拡大作品が可能になった。イメージセッタは夜中も稼働していたので、個展が近くなると、自転車で良く往復したものである。そうこうして、デジタルネガの時代になった。いずれにしても、廃れた技法に孤軍奮闘していた1990年代の想い出である。一点は、気圧の変化で気分が変化するタイプの女の子。もう1点は某人形制作者の室内の有り様である。たいした物ではないが、この人形制作者は、坂口安吾の部屋程度の散らかり様で、世間は何を驚いている。と思ったそうである。 会場の前には錦鯉の池があり、階段状のフィルターシステムはホテイアオイが繁茂している。先日、放流している管理者から、金魚をもらったばかりである。 ここのところ調子が悪く、そろそろ帰らせてもらおうか、と思っていたところにある情報がもたらされた。 私は64年の東京オリンピックのせいで、東京がどう変わろうと無くなろうと不感症になったてしまった。しかし唯一残念なのが、30年以上通った木場の煮込みとホッピーの銘店「河本」の廃業である。本日、解体が始まり、目撃した常連から情報が入った。解体作業員が親切で、一枚剥がしてくれた。サーフボードのように抱えタクシーで運んだ。 さて切り刻んで煮出して染み込んだ煮込みの香りを思い出すのも良し、百年前の暖炉の木でギターを作ったブライアン・メイを気取るのも良し。その場合、ピックは女将さんが愛用した栓抜きを加工するが良いだろう。

http://www.tokyo8x10.org/


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