金魚の餌はせいぜい1日1、2回で良く、やり過ぎないのが長生きさせるコツなのだが、魚を飼うのが久しぶりなこともあり、ついほんの一つまみを何度も、これは良くない。隠れて眺めても、エサを欲しがりじたばた。 小学生の頃は、友人宅によばれる時は、母が他所様でガツガツしたらみっともない、と食事してから送り出されたのを思い出す。 その母は最盛期は80キロ超級を誇ったが、私がおっぱいを吸い過ぎ、お腹が減っ たからだ、とすべて私のせいにしていた。それはともかく。水槽内の寒山拾得、豊干がピッタリだったことから、全体のイメージが決まって来た。虎はともかく、まもなくキャストがすべて決まるだろう。 豊干禅師こと青文魚は中国から輸入されたらしい。そう思うと、黒い体色も僧衣のように見え、僧衣の下から透けるいぶし銀がなんともいえない。地味で一匹だったら飼う気はしない、といっていたが、今は一番見ている。 本日ちょっとした打ち合わせを済ませ、ホームセンターに材料を探しに。ついでに、ついペットショップへ。そういえばもう一人、閭丘胤(りょ きゅういん)がいた。説話の始まりは役人である閭丘胤が、頭痛に困っていたところに豊干という旅の僧が現れ、閭丘胤の頭に含んだ水をプッと吹き掛けると頭痛が治ってしまう。そこから話は始まり、最後に、なんとも置いてきぼりな空気にさらされて終わる。その閭丘胤を忘れていた。と思ったら、かわいい金魚を見つけた。これで本当にすべての登場人物が決まったのではないか。後は、石や流木で中国の山中を模してレイアウト。 私はどうも二年後の寒山拾得展のため、毎日この60センチ水槽内の金魚を眺め暮らすことにより活路を見いだそうと、どうも本気で考えているようである。寒山拾得で個展をやる、などという人間の考えることは良くわからない。
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