明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



金魚の飼い方に、名前を付けてはいけないと書いてあった。子供の頃に金魚に死なれて、もう飼いたくない、といいながら釣り用のボートにその金魚の名前を付けた友人がいて、「お前金魚に名前付けてたろ?それがいけない。」なんていっていた私だが、今回は、最初に名前ありき、役柄に合わせて金魚を選ぶ、というおかしなことになってしまった。 しかもすでに別名迄付けてしまっている。寒山と拾得は、桜東錦という金魚で、桜が、その色から来ているものかは知らないが、桜色をしたアンコ型である。第38代横綱に 照國万藏というのがいた。気が着いたら真綿にくるまれるようにして土俵を割っていた。という力士でアンコ型でリズミック。次第に上気して桜色になることから"桜色の音楽"と呼ばれた。秀逸なネーミングである。そこで、寒山と拾得を、それぞれ照國と万藏と名付けた。勿論水中の金魚に名前を呼ぶことはないけれども。ヤフオクで拾得が常に持っているミニチュアのホウキを入手。このままでは浮いてしまうだろう。 まだ作り初めてもいない寒山拾得。馬鹿げた話であるが、私には判る、深いどこかで静かに燃え始めている。昔の母であればいち早くそれに気付いてゾッとしていただろう。 可愛い照國と万藏をアップしたいのは山々ではあるが。何しろ生き物である。金魚は上手に飼えば十年は生きるという。しかし生き物のことは判らない。数年前まで飼っていた熱帯魚、フラワーホーンは、タフな魚で、何度も繁殖させたが、私が飼うと、30センチがせいぜいで急に調子を崩し、死なれてきた。止めた理由もそれであった。東南アジア等で、風水にもとずいて作られ、遺伝的な問題もあるのだろうか。そう思うと、作られたといえば金魚など最たるものであろう。幼い頃の金魚すくいの金魚以来であり、あまり自信がない。名前を付けるのは少々早すぎた。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )