明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



昼間頼まれている物を作る。慣れないことゆえ時間がかかる。結局なんだかんだしていて日も変わる前にようやく豊干禅師に取り掛かる。昔から胴体に最初に取り掛かるのは日が落ちた後と決まっている。 今時地球上で豊干禅師を作っている人間は私だけだろう。というお馴染みの甘美な孤独感。最近のモチーフはこの快感をむさぼるには絶好のモチーフである。以前友人がそりゃどんな感じだ、というから、一般人が家族に囲まれた団欒の暖かさ、そんな感じだと思う。と答えた。しかし実際そんな状況になったら本物の孤独感にいたたまれず、死にたくなるだろうけれども。私の賢明なところは、そんな状況を、試さなくても私を孤独のどん底に叩き込み、快楽を阻害するだけの物だと知っているところである。だからお前にも、友情をもって止めたろ? 豊干禅師の首を芯材に取り付けた所でテレビが津波が来るから逃げろと連呼。快楽をむさぼる気分が削がれて早々に寝てしまった。



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