明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



森鴎外の『寒山拾得』によると最後二人は唐突にどこかへ行ってしまう。おそらく二度と戻らなかったろう。しかし答えを虚空に放り出して消えてしまったところが、この物語の肝心なところで、まさに考えるな感じろ、と言い残したおかげでこの画題に対するチャレンジャーを無数に輩出した理由であろう。金魚を眺めていようという奇手を用いる輩まで現れた。 拾得の首が出来たが、丸一年かけてネズミ一匹という感じで昨年作り、未練がましく持っていた首と何が違うのか?すでにゴミ袋の中であるからこれでいいのだろう。30年以上通った木場の居酒屋がまだあったなら、今晩あたり拾得の首をポケットから取り出し、コメントのしようがない常連を困らせていたことであろう。



コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )