夢千代日記

SHIMAちゃんの徒然日記・雑記

「今度は愛妻家」(試写会)

2009年12月02日 23時18分13秒 | Weblog
 タイトルを聞いて、内容的にあるイメージが湧くかもしれない。ダメ夫が妻に離婚をつきつけられて、反省して、゛今度は愛妻家になります゛みたいな。しかし、この映画はそんな単純なことでは終わらない。いい意味で、裏切られる映画だ。もともとは、舞台作品だが、主役夫婦に豊川悦司と薬師丸ひろ子と、゛映画゛としての役者が揃った
 夫でも妻でも、恋人でも、家族でも、大切な人はそばに居て、自分の隣で静かに明かりを灯してくれる。ありきたりの言葉になるけれど、そういうことなんだと思う。
 メガホンをとるのは、日本の若き名匠・行定勲。40歳を超え、新たなスタンスを取り始めたことが、今作でうかがえる。主演二人の掛け合いだけでなく、共演の石橋蓮司の役に注目。物語のキーマンなのだが、その演技が秀逸!だ。
 かつて、売れっ子カメラマンだったのに、今はダラダラしているだけのダメ夫、北見俊介。そして健康マニアの妻、さくら。結婚10年目を迎え、妻は、強引に子づくり旅行のため沖縄に夫を誘う

 1年後、相変わらずダラダラと過ごし、写真を1枚も撮らない俊介。そして、さくらからは「子供を作る気がないなら、別れて」と言われる。俊介は、出て行ってしまった妻との軽口をなつかしむが…。
 夫婦の愛情などが、やわらかに、ゆるやかに伝わってくるストーリー。中年夫婦の話ではあるが、できれば、その世代ではない人にも見てほしい。
 井上陽水が歌う主題歌とともにエンドロールが流れ始めても、座席は立たない方がいいだろう。
(2010年、1月16日公開)