ネットでもそうですが、どうやって叱ったらよいか分からない。叱るのが怖いという言
葉がよく聞かれます。
特に多いのが、“叱っているうちに自分が抑えられなって泣き喚く子を更に叱ってしま
うという事が一番の悩みとしてあげられています。
恐怖の教育である褒めて育てる・叱らない教育はそうした親の戸惑う心理に漬け込
んでくるものですが、名声や書籍の売り上げ収入とはまったく無関係で気にする必要
もない僕には、親のこうした悩みと子供達の将来に被さってくるであろう苦しみをどう
するかという方が問題なわけです。
そこから今回は、正しく叱る事について少し書かせていただきます。
まずは、「正しく叱るということが、そんなに難しいことだろうか?」そう考えてみてくだ
さい。
人間は神様ではありません、あくまでも生物の一つであり、間違いを犯すのも人間、
ゆえに初めから完璧(正しいとは別です)な叱りかた等という事は存在しないというこ
と。
そして子育てはおよそ20歳を一つの区切りとして考えるわけですが、その時間とい
うものは膨大な量で、 親は初めから親なのではなくて子供を育てながら悩み苦しみ
つつ本当の親になっていくのだということです。
例えるなら子供が叱られてつらい思いをしているのと全く同じに、親も叱る苦しみに
耐えねばならない。
本来は供に成長をするものだということです。
注意:ほめて育てる・叱らない教育をしていると、幼少期の頃は確かに上手くいきま
す。 というか上手くいっていると大半の親が勘違いをしているのです。
理由は至極簡単、親に対して従順であることに疑問を持たない未熟な幼少期は、こ
うした誘導的な手法により割と親の思うとおりになるからです。
だからこそ問題なわけですが、そこにきて上記の教育をしていると親の”親としての
成長が止る”という副作用ともいえるものが発生します。
本来なら親が悩みながら子供を育てることで供に成長し結びつきが強まるはずが、
子供も親も精神的には成長できないままとなり、
これは親子の結びつきの弱さを象徴しますから、第二次反抗期が始まる頃になると
幼い精神のままおこす子供の問題は大きなものばかりとなり、又それに対応すべき
親も親としては幼児のままですから、ただ子供の言いなりになることで体裁を保とうと
する事態が起きてきます。
モンスターペアレントはこの流れの先に存在します。
叱ると言うことは親にも子にも精神的な成長をもたらすのだということを覚えておいて
ください。
人間は馬鹿ではありません、そしてそれは子供とてまったく同じであり、
その20年の歳月を通して有るときは間違い、ある時は躊躇し、ある時はた
だ感情的にという様々な親の姿を通して“人間”その物を学んでくる、
たとえ今日の親に間違いがあるように思えても、膨大な時間を通して繰り返
される出来事のなかに存在している親の心、というものを理解してくるよう
にできているのですね。
真面目はかまいません、しかし初めから100%上手に育てようとするから
ほめて育てる・叱らない教育等というものに頼り、付け焼き刃の演技で完璧
な親になりきろうとして子供を育てる。
それこそが、いちばん大切な子育てという人間形成の時間を、嘘を演じる方
法を親が教えているのに等しいのだといういうことが分らねばならない。
こうして素直な心をねじ曲げて子供を育てれば、他人の心もそういったもの
として育ち、
何が本当で何が嘘なのかが分らない人間となる、その分らない恐怖が引きこ
もりや、最近の意味不明な犯罪の原因となっているのだと、これもしっかり
理解しなければならないのです。
人がこの世に生まれ、現代いにたるまで、人は子を叱ってきました。
叱ることが心を傷つけるだの悪影響を及ぼすだの言い出したのは極最近のこ
とで、それまでは、子供を育てるための一つとして事はあたりまえの事だっ
たわけです。
また、誰も何の疑問も持たずにそうしてきたわけです。