さて、補記類等の取り外しはこれで終了。
次はいよいよ本題へ突入。
クランクシャフトボルトの緩ませ方
プーリーに有る4本のボルトを緩めるとフロント側のプーリーが外れます。
もし4本のボルトが固かったら、センターにあるクランクシャフトボルトにボックスレンチ&ロングバーハンドルを噛ませて固定、させて作業をすればOK。
それが終われば、いよいよ(これが出来ないのですね)クランクシャフトボルトになるのですが、フランジツールなどの特殊工具を使えばOKなのですが、それがない僕は再びボ
ックスレンチ&ロングバーハンドルの出番となります。
どうするかというなら、ロングバーハンドルの端っこ柄の部分を車体フレームに押し当て、左手で真ん中あたりをガタガタしないように押さえた状態にしたままで、右手はエンジンのキーを
操作して、スタータを瞬間的に回します。
あくまでも一瞬回しただけで、即切るという感じです。
黄色い矢印はフロント方向という意味で深い意味はありません。
青い矢印ですが、丁度この下あたりに車のフレームがあります。
フランクシャフトプーリー 取り外し
上記方法にてボルトはあっさりと緩んでくれますから、次はプーリープーラーを使ってクランクシャフトプーリーを外します。
叩いたりこじったりして緩めることだけは厳禁です。
ツールはヤフオクで1500円くらいで売っています。
タイミングカバー取り外し
カバー外しですが、実はこれを外さないとどうにもならない部品というのがありまして。
アイドラーが フレームと共にカバーのネジに被さるよう付いている。
上の写真のように、アイドラーが邪魔している訳なのです。
そでもって、これを取り外しますが、ボルトは4本、3本はすぐにわかりますが、1本だけ見えにくいところにある。
バキュームスイッチ&フィルターを取り外してから行いますが、何ミリだったかな? 結構でかいボルトなのです。
アイドラーが取れればカバー周りにあるボルトをたったと外していきます。
すると、タイミングベルトやら何やらが見えてくる。
ちなみに、外したカバーには内側の穴部分に一つ、外周に一つゴム製のパッキンがついている。
これが組み立て時に始終外れて厄介な邪魔をする事が多く、僕はカバーを外した段階で一度二つのパッキンを取り外し、差し込みの凹部に薄くシリコンラバーを
塗って、ゴムを再度取り付けています。
こうすると、組み立て時にパッキンが脱落しませんから楽なことこの上なし。
圧縮上死点出し
タイミングベルトを交換する前に大切なのは、圧縮上死点を出すこと。
先ほ取り外したクランクボルトをワッシャー付けた状態で再びクランクへ取り付け、それにボックスレンチを噛ませて回します。
回すと言っても、圧縮かかる物ですから力がいるので、ゆっくり力をかけて少しずつ回していきます。
写真の矢印部分がエンジン本体のタイミングマークとぴったり合うところまで来ればOK。
この状態でテンショナー⑤のボルト3本を緩め、テンションスプリングをラジオペンチなどで緩めます。
タイミングベルト全体が緩くなるのでスライドさせるような感じで取り外します。
タイミングベルトアイドラー④の取り付けボルトを緩めて同じく取り外します。
両方とも新しい物はまだ取り付けないように注意。
そのまま次のウォーターポンプの交換後に行います。
理由は簡単、ポンプ交換の際にどばっと冷却水が出て、それに濡れるからなのですね。
タイミングベルトだけを交換の場合は、すぐにこの後ベルト取り付けに入るのですが、僕の場合はついでにウォーターポンプを
交換します。
理由ですが、ポンプそのものは早々壊れることはありません、しかしながらシールが駄目になって冷却水が漏れはじめると再び分解しなければなりません。
その交換のためだけにもう一度ここまでばらさなければならない・・・・
ゆえに10万キロに一回ばらすのならついでに新品と交換する方が良いのですね。
他にもカムシャフトオイルシールや、クランクシャフトオイルシールの交換も考えて部品は注文しましたが、まったく漏れもないことから
今回は省きました。
ウオーターポンプのシールがアウトになると冷却水がダダモレになって即エンジンお釈迦になりますが、オイル関係のシールだとジワーと漏れる程度でエンジン壊れることは
殆どありませんから。
下手にシール打ち込んで逆に漏れる事が有るのを考えると不必要に触る必要はありません。
漏れ始めていたら・・・・と念のために取り寄せたシールですが今回は出番がありませんでした。
ウォーターポンプ交換
ポンプは6本のボルトで固定されているので、それを途中まで(全部抜かない)緩めてゴムハンマーで叩くとあっさり外れます。
このときテンションスプリングベースも外れます(スプリングを無くしやすい)ので注意。
この際にどばっと冷却水が出てくるのが嫌だ・・・
抜けきったら、写真にあるようなガスケットの残りをスクレーパーもしくはカッターナイフではがして行きますが、実はこれが結構時間と根気がかかる作業で、正直うんざりします。
矢印の黒い汚れみたいなのがガスケット
綺麗になりました。
新しいウォーターポンプを取り付けます。
そしてこれが肝心、先ほどポンプを取り外した際にどかっと流れた冷却水でクランクプーリ他一体が濡れています。
それをホースの水を使いながら さささっと洗い流します、シャワーヘッドが有れば尚の事良し (笑)
あくまでも冷却水を洗い流す様にで、ざばざばとかけない。
実は冷却粋に含まれているエチレングリコールは強く、あらゆる物を侵しますから、それがクランププーリやら何やらに残っていると、
あまり良くない・・・・
さらにタイミングベルトにこうした付着物付くと(プーリ等から)それがだんだんとオイルみたいに粘り初めて熱を持ち、
タイミングベルトの山欠けさせたり、最悪ベルトそのものがキレる原因になったりする。
オイルのついた手でベルトを触るのも絶対厳禁なわけで、そうした不要なトラブルを避けるための一つの防衛?な訳です。
余り気にしなくてもいいのかもしれませんが・・・
さて、普通の工場ならエアコンプレッサーで水分を飛ばせば良いのですが、普通の家庭にそんなものあるわけ無いので、ドライヤーで乾かし
ボルト穴はドライバーにウエスを巻き付けて突っ込んで中の水分を取り除き乾かします。
それが終われば、いよいよタイミングベルト取り付け。
タイミングベルト取り付け
タイミングベルトの取り付け方法ですが、僕はこうやります。
まずとりはずしたアイドラー④の新品、そしてテンショナー⑤を取り付けます。
アイドラープーリーの固定ボルト(ワッシャーがありますが、プーリーとボルトのの間に入れるのではなく、プーリーとエンジン本体の間に入れるので間違いに注意)
は締めてかまいませんが、テンショナー側のボルトはまだ緩めておく。
又テンションスプリングもまだかけない。
カムプーリー①、インジェクションポンププーリー②、クランクシャフトプーリー③のタイミングマークがずれないように
ベルトを掛けていきます。
インジェクションポンププーリーは軽く動くの事からズレやすいので注意しながらの作業。
ツインカムエンジン等の場合はプーリーを固定する工具を使うかヒモで縛ったりします(笑)
タイミングベルト張り調整
掛け終わったら、テンションスプリングを掛けて自然にベルトが張るのを待まって、その後テンショナーのボルトをしめます。
クランクシャフトボルトにソケットレンチを掛けて1回転させて、各プーリのタイミングマークがばっちりあっているかを確認。
ずれていたらテンションスプリングを緩めてベルトを外してかけ直して同じようにボルト締めて1回転。
クランクシャフトプーリー側のタイミングマークは上からは見えませんから、小さな鏡を使うと便利です。
タイミングマークは完全に合いますから、少しでもずれていたら間違っていると思わねばならない。
問題なければ、テンショナーのボルトを緩めて今度はクランクを二回転させます。
これでテンショナーによって丁度良い張りに自動調整されます。
もう一度タイミングマークを確認して完全にあっていたら、テンショナーのボルト3本を締め付け、これで調整は完了。
重要注意事項:調整中にクランクは回転方向を絶対に間違えないように回さねばならない、間違えるとエンジンの構造上歯飛びを起こします。
クランクの回転方向ですが、車の前から車の後ろ方向を向いて、右回転。
その3に続く