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日常よく使われる英語表現を毎日紹介します。毎日日本時間の午前9時までに更新します。英文執筆・翻訳・構成・管理:上杉隼人

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毎日更新! GetUpEnglish Updates Every Day! Since April 1, 2006 (c) 2006-2024 Uesugi Hayato(上杉隼人)

DIVINE JUSTIFICATION

2019-02-12 01:38:29 | D

 現在、鋭意ゲラ校正中のこの本、英語はむずかしくないが、日本語にするとなると簡単ではない。非常に大変だ。

 https://blog.goo.ne.jp/getupenglish/e/b43bcc533ffa8c4bb13d97368f4495cc

 まず、ユダヤ教、イスラーム教、キリスト教、仏教、ヒンドゥー教といった世界の主だった宗教のみならず、世界のあらゆる宗教についての知識が必要だ。

  そして引用があれば、聖書であれば、「新共同訳」というように、いちばんふさわしいと思われるものから該当箇所をそのとおりに記す必要がある。

  さらにこれがいちばんたいへんなことであるが、特に特別な言い方ではないが、それぞれの語が日本語では普通はどのように訳されているか、権威ある文献に目を通して確認しておく必要がある。

 たとえば、以下に宗教の問題を論じた一節があるが、divine justificationの訳し方などは注意する必要がある。

This is an important turning point in the human story and it’s worth another moment’s thought. It is obvious from our history that humans are good at hating each other. And it is usually those who differ from us in some way who become the objects of our hatred. Race, class, colour, sex, politics, even hair colour can prompt ugly behaviour in us. So can religion. In fact, religious hatred is probably the deadliest form of this human disease, because it gives human dislike divine justification. It is one thing to hate people because you don’t like their opinions. It is another thing to say God hates them too and wants them exterminated. So it is worth noticing how intense religious conviction can add a dangerous element to human relationships – as another incident from Abraham’s story will remind us.

 アブラハムの思いは人間の物語における重要な転換点であり、また少し考えてみる価値がある。歴史を見れば明らかだが、人間たちはお互いすぐに憎しみあう。憎悪の対象となるのは、たいてい自分たちとどこか異なる者たちだ。人種、階級、皮膚の色、性別、政治思想のいずれかが異なる、あるいは髪の色が違うといったささいなことでも、わたしたちの醜い行動のきっかけとなる。宗教も同様だ。事実、宗教上の憎悪は神の名において人を忌み嫌うことに正当性を与えるので、人間の心の病としておそらく最悪の形となる。ある人の意見が気に入らなくてその人を嫌うことがある。だからといって、神もその人たちを嫌っており、彼らの絶滅を望んでいるという話にはならないはずだ。このように強力な宗教的確信が人間関係にどれほど危険な要素を加えるか、注目する価値はある。これから話すアブラハムの物語のもうひとつの出来事も、その危険性を想起させるものだ。

 どこまで拙訳ができているかわからないが、英語はすっと読めるので、それと「等価」な日本語で再現したい。

 いずれにしろ、宗教を学ぶ上で、とても有益な1冊になると思う。どうかご期待ください。

 

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