GetUpEnglish

日常よく使われる英語表現を毎日紹介します。毎日日本時間の午前9時までに更新します。英文執筆・翻訳・構成・管理:上杉隼人

GetUpEnglishについて

毎日更新! GetUpEnglish Updates Every Day! Since April 1, 2006 (c) 2006-2024 Uesugi Hayato(上杉隼人)

SPIDER-MAN: INTO THE SPIDER VERSE

2019-10-30 08:41:47 | Avengers

今年はたくさん仕事をいただき、7冊翻訳が刊行できそうだが、7月に刊行された『スパイダーマン: スパイダーバース』も忘れがたい作品になった。

 本日のGetUpEnglishはそのハイライトシーンを紹介する。

 http://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000322997

“Hey, bud, you okay?”

 Miles looked up and saw Peter poking his head into the dorm window. Then the black-and-white spider, the pig, Peni, and Gwen.

 “We’ve all been there,” Peter said, his voice suddenly gentle. “For me, it was Uncle Ben.”

 The black-and-white spider spoke softly. “For me, it was Uncle Benjamin.”

 “For me, it was my father,” Peni said solemnly.

 “For me, it was my best friend,” Gwen added.

 “Miles, the hardest thing about this job is you can't always save everybody,” the pig said in earnest.

 “It was my fault. You wouldn’t understand,” Miles said.

 “Miles, we’re probably the only ones who do understand,” Gwen said, trying to soothe Miles.

 She’s right. I know she’s right.

 Miles had so many feelings racing around him, the only thing that he knew for sure was that he had to do something. He had all these powers, could do all these amazing things—and he had to use them for something. Something good.

We gotta get you guys home, Miles thought.

But when he turned to look at his fellow spiders, he saw only Gwen climbing out the window, and Peter remaining in the room. The others had already left.

「マイルス。大丈夫か?」

 顔を上げると、ピーターが窓から頭を突っ込んでいた。白黒のノワールも、豚のピーター・ポーカーも、ベニーとグウェンの女子ふたりもいる。

「みんな経験してる。」ピーターはふっとやさしそうに言う。「おれのときは、ベンおじさんだった。」

 白黒スパイダーマンは静かに言った。「おれのときは、ベンジャミンおじさんだ。」

「わたしのときは、お父さんだった。」ペニーも悲しそうに言った。

「わたしのときは、親友。」とグウェン。

「マイルス、この仕事でいちばんつらいのは……全員は助けられないことだ。」豚のファーターもまじめに言った。

「あれはぼくのせいだ。みんなにはわかんないよ。」マイルスは答えた。

「マイルス、そう言うけど、わかるのはわたしたちしかいないよ。」グウェンはそう言って少年をなぐさめようとした。

 グウェンの言うとおりだ。

 いろんな思いが渦巻いていた。ただ、ひとつ確かにわかっていたのは、自分が何かしなければならないということだ。今ぼくにはこれだけの力がある。びっくりするようなこともできる。それを何かのために使わなくちゃ。何かいいことに。

 みんなを家に帰さなくちゃ。マイルスは心のなかでそう思った。

 だが仲間たちのほうを振り返ると、グウェンは窓から出ていこうとして、残っているのはピーターだけだ。ほかのスパイダーたちはすでにその場を離れていた。

 

 Miles had so many feelings racing around him, the only thing that he knew for sure was that he had to do something. He had all these powers, could do all these amazing things—and he had to use them for something. Something good.あたりは描出話法なので、注意しよう。

 今年もみなさんのおかげでたくさんお仕事いただきました。来年もかなり厚いものも含めてすでにいくつもお話をいただいているので、しっかりがんばります!

 読者のみなさまに喜んでいただけるのがいちばんうれしいです。

 

 

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スパイダーマン:スパイダーバース (ディズニーストーリーブック)

2019-10-30 07:48:32 | Avengers

みなさま、『スパイダーバース』をご紹介いただき、誠にありがとうございます! 

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ユキヲ・パーカーさん

@A_PeterParker

https://twitter.com/A_PeterParker/status/1154631695997386752

カンナさん

@kuy_11

https://twitter.com/kuy_11/status/1154733002787659776

主水:アメコミNOW!さん

@mondocomics2013

https://twitter.com/mondocomics2013/status/1154999090012286977

じゅんさん

@spa_jun

https://twitter.com/spa_jun/status/1155349865708175360

イイ映画@シネマフロントラインさん

@E_eiga

https://twitter.com/E_eiga/status/1152910348871094273

 
 御代しおりさん
 
@watagashiori

https://twitter.com/watagashiori/status/1166902614140698624

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スパイダーマン:スパイダーバース (ディズニーストーリーブック) 新書 – 2019/7/18

スティーブ・ベーリング (), 上杉 隼人 (翻訳)

 内容紹介

91回アカデミー賞長編アニメーション賞受賞!

アニメーションのあらゆる技法を駆使し、米国アニメーション映画史上最高傑作の呼び声高い「スパイダーマン:スパイダーバース」がついにノベライズ!

ニューヨーク・ブルックリンの名門私立校に通うマイルス・モラレス。ある事件をきっかけにスパイダーマンとなるものの、自信が持てず、その力をコントロールできずにいた。

そんなある日、時空がゆがめられる大事故が発生し、異なる次元から複数のスパイダーマンたちが集結する。この次元にとどまり続けることができない彼らのために、戦う決意をするマイルスだったが――。

迫力ある描写に加え、複雑な物語の設定もわかりやすく書かれているので、より一層スパイダーマンの世界が楽しめる! ファン必携の一冊!

著者について

訳者

上杉隼人(うえすぎはやと)

翻訳者(英日、日英)、編集者、英語教師。訳書に、『アベンジャーズ エンドゲーム』『スパイダーマン ファー・フロム・ホーム』(近刊)、『スパイダーマン スパイダーバース』『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』『スパイダーマン ホームカミング』『マイティ・ソー バトルロイヤル』『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス』『ドクター・ストレンジ』『シビル・ウォー キャプテン・アメリカ』『アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン』『スター・ウォーズ 最後のジェダイ』『スター・ウォーズ フォースの覚醒』(ディズニーストーリーブック)、『スター・ウォーズ』I, II, III, IV, V, VI(講談社文庫)、『マーベル最強ヒロイン ファイルBOOK』『わたしのパパ ウォルト・ディズニー』(講談社)、ジョン・ル・カレ『われらが背きし者』(岩波書店)、『若い読者のためのアメリカ史』『若い読者のための宗教史』『21匹のネコがさっくり教えるアート史』(すばる舎)ほか多数(60冊以上)。人気ブログGetUpEnglishを管理、運営。

登録情報

新書: 192ページ

出版社: 講談社 (2019/7/18)

言語: 日本語

ISBN-10: 4065162505

ISBN-13: 978-4065162507

発売日: 2019/7/18

https://www.amazon.co.jp/dp/4065162505

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