今日9月2日(日曜日)のNHK「日曜討論」で麻生軽量自民党幹事長が司会者の安倍改造内閣は「派閥均衡内閣ではないか」という質問に、「マスコミはそういったことをすぐ言うが、適材適所でいったらこうなった。桝添要一という政治家もいわゆる厚生族といわれる政治家ではないが、介護の経験があり、適材である」といった返事をしていた。
「介護の経験」を言うなら、桝添みたいな現場でのオムツを替えたり食事を介助したり汗を拭いたりといった直接経験ではなく、訪問介護大手のコムスンの親会社のグッドウイルの折口雅博会長は経営者の立場から経営上の必要事項としてどこでどう誤魔化したらうまく儲けることができるか、きっと介護法をじっくりと勉強したのだろう、訪問介護員が確保できていないのにさも確保したように架空の職員数をデッチ上げて介護事業所の指定申請を行い1千万円近い介護報酬を不正に得たり、勤務実態のないホームヘルパーを常勤の管理者だと申請する不正行為を働いたり、訪問介護世帯を増やすようノルマを課したり、ゴマカシの介護経営経験は桝添がゼロに対してはるかに豊富である。
次の新聞記事がその経験豊富ぶりを的確・明瞭に伝えている。
<不正問題に揺れる訪問介護大手のコムスン(東京都港区)は、夜間早朝などのサービスを先駆的に展開した一方、親会社のグッドウイル・グループの折口雅博会長の指揮下、厳しいノルマ主義を取っていたとされ>、03年夏頃から<本社(グッドウイル)は現場の社員に1日1万8千円以上の介護報酬を稼げと、厳しいノルマを指示するようになりました。>(07.7.13『朝日』朝刊≪「現場との差 埋めたかった」コムスンでの7年間 元支店長語る≫)
何と見事なこの経営術は厚労省の国の社会保障費カットのためには低所得者だろうと障害者だろうと彼らの負担が増えても厭わないなり振り構わない弱者切捨て政策とうまくマッチし、生きた経験として大いなる情け容赦のない力を発揮したに違いないだろうから、安倍改造内閣の新しい厚労相として桝添要一よりもグッドウイル折口雅博会長こそが適材適所ではなかったのではないだろうか。
軽量麻生幹事長とも波長が合うお互いに共通したいかがわしさ・胡散臭さだと思えるし、その共通性によって党と内閣の関係がうまくいく潤滑油的存在となれる折口会長に思えるのだが。
いつどんなときでもお互いの空気を読める、愛人同士以上に親密な麻生・折口コンビになれただろうに、折口氏を野に置いたままなのは返す返すも残念である。これも過去の閣僚起用が証明している安倍晋三の人を見る目のなさが原因したヘマに違いない。