サンデープロジェクト、いかがわしさばかりが目立った自民与謝野馨の民主党大塚耕平とのバトル(1)

2010-02-15 14:08:06 | Weblog

        ――民主党に衆・参両院過半数のチャンスを与えよう――

 当ブログ2月13日エントリー記事――《鳩山邦夫の人間の風上にも置けない身内話の暴露とそれに乗った与謝野のヤキが回った首相追及》で問題とした、鳩山邦夫の不確かな情報を与謝野馨が確かな情報として国会で鳩山追及の材料としたことをヤキが回った行為だと書いたが、次の日の2月14日日曜日の朝日テレビ「サンデープロジェクト」がこの問題について与謝野馨と民主党の内閣府副大臣だとかいう大塚耕平を対決させていた。

 与謝野の自己を正当化させる発言にマヤカシがあると見たが、録画していなかったため、インターネットを探すと、《TweetBuzz - YouTube 》なるHPで邦夫発言に関わる二人の遣り取りだけ録画した動画を見つけることができた。

 「48時間以内に削除します」と書いてあるから、この記事をアップロードする時間には消去されているかもしれない。

  

 解説(男)(センセーションを煽る殊更声を低くしたおどろおどろしい口調で)「いつもは冷静沈着な男がこの日は違った」

 与謝野(12日の衆議院予算委員会)「平成に入ってから、こんなに多額の税金を脱税した人間はいないんですよ、まさに平成の脱税王なんです。(ヤジが凄い)そんな人がですよ、総理大臣の座に座っているってことは、おかしいんです」

 解説「自民党与謝野元財務大臣は鳩山総理が、母親からの資金提供を知っていたはずだと追及。そう攻め立てた」

 (昔の紙芝居だったら、ここで板を叩いて効果音とするところだが、現在の電気紙芝居は声を殊更低音にしておどろおどろしさを演出する。)

 与謝野(同衆議院予算委員会)「去年、1年半ぐらい前ですかねぇ。鳩山邦夫さんとお目にかかったんですよ。彼がぼやくんですよ。『うちの兄貴は、まあ、しょっちゅう、お母っさんのところへ行って、子分に配るカネ、子分に、子分にヨウ、子分を養成するカネが必要だ』、おカネ貰ってたんですよ」

 鳩山首相「全くの作り話であります。そういう話をされると、私は、もう兄弟と言っても、信じられない話になりますが――」

 不明「総理冷静に」

 鳩山「少なくとも、事実として、これは母に尋ねていただいても、結構でありますし、あるいは――」

 ヤジ「参考人承知するぞ」

 不明「挑発に乗ってはいけません」

 鳩山首相「分かりました、すみません(左手の方向に顔を向けて、頭を下げる)。私は母に対して、そのようなおカネの無心、特に子分に配るおカネをくれなんて言うわけありません」

 解説「総理の動揺を誘って与謝野氏――。舞台をサンプロに移し、元財務大臣として政府予算に物申す。迎え撃つは民主党切っての政策通、大塚金融副大臣。(落雷時の垂直の太い稲光を画面中央に挿入、いやが上にも番組を守り立てようとする。)――(聞き取れない。)景気対策か、財政規律か。(最後に低くした声をさらに高くして)真っ向対決だっ」

 田原総一郎「与謝野さん、金曜日のあの会話、国民はみんな唸りましたよ」

 (国民の代表代弁者となったようなことを言う。)

 (テロップ――日本経済は大丈夫か? 
          予算、景気対策で直接対決!)

 与謝野「あー、そうですか」

 田原「自民党がね、鳩山さんと小沢さん、批判しているんだけど、みんな同じでね、変化がなかった。与謝野さん、思い切っておやりになった。それに対してね、今ビデオにありましたけども、(フリップを持ち、そこに書いてある文字を指差して読み上げる)鳩山さんが全くの作り話であると。どっちが作り話なんだね」

 与謝野「これはね、この証言のあと、あのー、鳩山邦夫さんが、私の事務所に来ましてね――」

 田原「あ、ここだ」(必要もないのに、尤もらしく合いの手を打つ。)

 与謝野「うん、それでお目にかかって、あれは、俺と母の(左手を持ち上げて振り、強調する。)会話なんだと。どういう会話したかなんて、兄貴の証明も否定もできないだろうって。聞いたんだ、と」

 田原「聞いたんだと」

 与謝野「うん。だけど、私の質問のときに無心なんて使っていないですよ」

 テロップ――与謝野だけが追及
        総理の偽装献金
         その真相は?

 田原「そうですねー。(フリップを持ち上げ)おカネを貰ったんですと。いたんですと」

 与謝野「そう、そう」

 田原「うん、うん」

 与謝野「貰ったんですよ」(自分で頷く)

 田原「あっ、わざわざー、あの、鳩山邦夫さんが予算さんのところに来られて――」

 与謝野「それはあの、今日の質問はよかったと」

 田原「よかったと」

 与謝野(力強く)「うん。私があの話を裏付けますと、そう言ってました」

 田原「あ、よかったと言ったんですか」

 与謝野「うん」

 大塚「これは先ず、与謝野先生に申し上げたいのは、あのー、先生にはこういう質問はしていただきたくなかった」

田原「それはいい、それは」

 大塚「いやいや。僕は尊敬しているんで。あのー、自民党のみなさんも与謝野さんにこの役回りをやらしちゃあ、ダメです。そして、これが事実ならいいけど、きのう鳩山邦夫さんは、あー、記者会見、ぶら下がりだったか、どちらかですが」

 田原「昨日?」

 大塚「そうですね。そのー、総理が、そういうお母さんにお願いをしたということを言ったつもりはないというふうに――」

 与謝野「えっ、そんなこと言ってる?」

 大塚「いや、鳩山邦夫さんの記者会見録をどうぞ」

 田原「ちょっと見せて。読んで、そこんところ。何て言っている?」

 大塚「どうぞ、これを差し上げます」

 田原「だから、読んで。何て書いてあるの?」

 大塚「あの、これは私もいただいたものなんで、記者さんの書きお越しですけどね」

 田原「ハイ」

 大塚「『兄がお袋におカネを無心したなどと言うことはありません。私が聞いた中には一切ありません。兄が母におカネを無心したということは母から聞いておりません。首相が母に無心、邦夫氏が証言――何て書かれると、そこは私の、私はそのようなことは言っておりません』

 もうね、このアンダーラインのところ、どうぞ与謝野先生、お読みください。で、私はあのー――」

 与謝野「それはね、これ、よーく読んでください」

 大塚「ハイ」

 与謝野「要するに鳩山邦夫さんは母親から電話を貰ったと。お兄さんは、子分を養成するためにおカネが必要だとしょっちゅう言ってくると。邦夫さんは大丈夫なのかと。あなたには子分がいないの、と。こう言ったんですよ」

 大塚「いや、ところがですね――」

 与謝野「だから、だから、それは鳩山さんが母親から聞いた話ですよ。そん中で無心したっていうことは使っていない」(目を最大限に真ん丸くして同だとばかりの表情を見せる。)

 大塚「無心したという言葉をお使いになったかどうかは別として、しかし、完全に、そういう文脈でご質問をされてですね。いや、私は与謝野先生にお願いしたいのですがね、私は野党時代、総理とは十数回、質疑をさせていただきました。常に、しかし他党の方であっても、総理に対しては敬意を持って私は、アー、議論させていただきました」 

 与謝野「それは――」

 大塚「是非にですね」

 与謝野「大塚さん」
 
 大塚「いや、いや、与謝野さん」

 与謝野「ちょっと」

 大塚「謝罪していただいた方がいいですよ」

 与謝野「ちょっと待ってくださいよ」

 大塚「ハイ」

 与謝野(左手で指差し)「あなたが今言っていることはね、総理大臣だから、無条件に尊敬しろって言ってるんですよ。飛んでもない」

 大塚「いや、いや――」

 与謝野「税金を払っていない総理大臣なんていうのは、国民誰も、あの、尊敬なんかしないんですから」

 大塚「敬意を払うべきだと思います」

 与謝野「国会というのはね、何を聞いたっていい場所なんです。それをね、与謝野さんだから聞くなんて、そんなこと言っちゃいけないですよ」

 大塚「いや、いや」

 与謝野「我々は野党なんです」

 大塚「聞いていいんです。聞いていいんですが、事実と異なることを聞いていただくのは困る」

 与謝野「事実だから聞いているんです」

 田原「もう一回聞きたい。どこが事実と異なるんだ?」 

 大塚「邦夫さんはご自身の発言として、首相が、兄が、お母さまに、お袋におカネを無心したなどということはありません。私が聞いた中には一切ありません、て、昨日発言しておられるんですよ」

 与謝野「違います」

 大塚「だから、そこは一回はっきりさせてください」

 与謝野「一寸待ってください」

 大塚「ハイ」

 与謝野「ね、そのあと私、勝場(元秘書)さんの言ったでしょ。裁判官関係者に言った。『おカネは来ていました。――(聞き取れない)金庫に入れました。私が民主党の議員に配った場合もあるし、鳩山自身から議員に渡したこともあります』母親から来たカネを配ったんです。党内で」 

 大塚「裁判で、あるいは捜査の記録がちゃんと、明らかになる中でですね、あのー、事実に基づいて、そういう議論をしていただくのはいいんですが、いや、私が申し上げたかったのは、与謝野先生ともあろう方が――」

 与謝野「いや、違う」

 大塚「少し不確かな事実で――」

 与謝野「確かな事実です」

 大塚「この質疑をやっていただくと、逆の――(聞き取れない)事件になっちゃいますよ」

 与謝野「いや、違う。確かな事実、全部」

 大塚「イヤー、私は――」

 与謝野「確かな事実」

 大塚「少なくとも、邦夫先生の、この、昨日の会見の記録を読む限りは、そうは思えません」

 与謝野「違う、違う。それはね、この事件が起きたとき、鳩山さんが、小さなウソをついたんです。ね、だから、次々とウソをつかざるを得なかったと、いうのが今回の事件ですよ」 

 大塚「いやあ、そこは、私の――」

 与謝野「いや、あなたは――」

 大塚「すべてを知る立場ではないので、これ以上は申し上げませんけども――」

 与謝野「いや、だって」

 大塚「与謝野先生にはしかし私は、国会の中でああいう質問をしちゃあいけない」 

 与謝野(何を反論しているのか聞き取れない。)

 田原「分かった。星さん、これ、どういうふうに思いますか」

 星浩――朝日新聞政治担当編集委員。東京大学大学院特任教授。テレビ番組『サンデープロジェクト』のコメンテーター

 (終始にこやかにな笑みを顔に浮かべて)「あのー、与謝野さんの質問をですね、実は私、我々も全文起こして読みましたけども、実は物凄く周到に入れまして(声に出して短く笑う)――」

 田原「あー、周到――」

 「その、邦夫さんと与謝野さんの会話、邦夫、あの、邦夫さんとお母さんの会話、ちゃんと、きちっと分けられているんですよね。で、恐らく、邦夫さんはお母さんとの会話で、いや、お兄さんは子分がいて、大変だって言ってんのよ、という部分はクォートされて、引用されてて、それに対して与謝野さんは自分の言葉で、あんたどうなんだと、貰ったんじゃないかって質問してんですよね。

 そこがね、周到にできていますから、ちょっとね、大塚さん、邦夫さんの昨日の記者会見で無心はしていないと、おー、アー、お兄さんはお母さんに無心はしていないということは、言ってんですけど、そこの、オー、ときどきぼやいてるんだ、っていう遣り取りは残っているです、実はね。

 そこは与謝野さんは聞いていて、裏づけも取っているもんだから、どうも、そこはは与謝野さんは相当、そこは練りに練ってやっているもんですから、そう簡単に、その、突き崩せない部分があるかなと、私は思っています」

 田原「邦夫さんがね」

 「ハイ」

 田原「昨日の記者会見で、えー、この、えー、実はこの、愚痴をこぼしたのは、1年半か、1年の間かなあと、えー、全く与謝野さんと話したときは雑談の中で言ったわけで、で、それを証言だろうと表現されると、非常に私も困りますなんて言ってるんですよ」

 与謝野「いや、私もぼやいた話を聞きましたと。そのぼやいた話を、委員会の質問でしていいかと、鳩山邦夫さんに聞いたら、正確に表現してくれるなら、結構ですよと、言うんで、正確に再現したんです」

 大塚「だから、ここに正確な、昨日の書き起こしがあるので、一度、あの、是非――」

 与謝野「いや、いや」

 大塚「邦夫先生と遣り取りしていただいて――」

 与謝野「鳩山さんはね、もう最初の選挙のときから、ベラボーなおカネを使って、選挙やっている人なんですから。そんなことを知らないなんて言うのはね。で、私はクリーンな政治家ですなんですということはね、全く私は、もう、おこがましいと――」 

 田原分かった。エー、この話はまたやってください」(コマーシャルに入る)


 サンデープロジェクト、いかがわしさばかりが目立った自民与謝野馨の民主党大塚耕平とのバトル(2)に続く

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サンデープロジェクト、いかがわしさばかりが目立った自民与謝野馨の民主党大塚耕平とのバトル(2)

2010-02-15 13:41:37 | Weblog

        ――民主党に衆・参両院過半数のチャンスを与えよう――

 改めて鳩山邦夫の最初の記者会見での発言を取り上げてみる。

 鳩山邦夫「多分、1年半前か2年前かと。この事務所で、全然別な用事で母と電話で話しているときに、お兄さんは、子分を養うために、おカネが大変要るということだと。で、あなたは、どうなのと。あなたは子分いないから、要らないわけ?

 こう言われました。いや、あまり、そういう子分というのはないんだなあって、何か寂しかったと。これが電話の遣り取りの事実です」

 「母は、兄が『お金を無心してきた』とは言っておらず、母に対して兄が言ったのか、秘書が言ったのかは、知らない」
NHK

 鳩山邦夫は母親の言葉として、「お兄さんは、子分を養うために、おカネが大変要るということだから、おカネを出した」とは言っていない。 

 この点を踏まえて、先ず「母に対して兄が言った」こととして見てみる。

 母親が首相にカネを出したとも言っていない、「母は、兄が『お金を無心してきた』」とも言っていないということなら、母親は単に政治にカネがかかるといった聞いた話を弟もそうなのかと憶測して弟の鳩山邦夫に聞いた可能性もある。

 大体がグループ内に従えている仲間の議員を「子分」と把えるのは主として昔の感覚の人間に限られる。今の時代に生き、友愛精神を掲げ、その上金持のお坊ちゃんタイプの鳩山首相が仲間の議員を「子分」に見立てて一段下に置いているとは思えない。

 母親は鳩山威一郎とそれ以前、以降のカネを実弾と呼んで飛び交わせた時代に夫と供に生きた人間であるし、それ以前の遥か前の時代から当時を飛び越えて、それ以降の暫くの時代、グループの長とグループ内の議員を親分子分の人間関係で把えていた歴史と文化、伝統を日本の政治は抱えていた。そういった時代的感覚との関連から、兄の仲間たちを独断で「子分」と看做していたということもあり得る。

 次に母親に対して「秘書が言った」こととして見てみる。

 秘書は母親からのカネを原資として献金の見栄えをよくするために個人献金を装って収支報告書に記載している。鳩山首相本人は母親から出ていたカネであるとは知らなかったと言っている。実母側は、〈この資金は「鳩山氏本人への貸付金だった」と説明しているが、東京地検は「返済計画などを定めた借用書など貸し付けの実体はない」としている。『産経新聞』によれば、東京地検は、「贈与と認定する」方向で捜査を進めており、認定された場合、鳩山首相に贈与税4億円余りの納税義務が生じる。検察側が「悪質な贈与税逃れ」と判断した場合は相続税法違反となる可能性もある。〉(Wikipedia)としているが、〈平成14年から去年までに母親からあわせて12億6000万円の資金提供を受けていたとして、このうち7年分について贈与として申告を行い、およそ5億7500万円を贈与税で納め〉(NHK)ている。
 
 このことの事の正否に関しては以下の「毎日jp」記事が詳しく解説している。正確を期すために全文を参考引用しておく。

《質問なるほドリ:鳩山首相は脱税したことにならないの?=回答・石丸整》(2010年1月30日)

 <NEWS NAVIGATOR>

 ◆鳩山首相は脱税したことにならないの?

 ◇本当に「知らなかった」なら 無申告加算税の可能性高い
 なるほドリ 鳩山由紀夫首相が実母から提供された資金の問題は今どうなっているの?

 記者 首相は問題発覚後、贈与を受けていたとして期限後申告をしました。現在、首相の地元を管轄する札幌国税局が申告内容が正しいかどうか調査しているようです。今後、納付すべき延滞税の額が首相に通知されますが、加えて制裁の意味合いのある加算税が課せられるとみられます。

 Q 開会中の国会で、野党側は「脱税」と批判しているけど。

 A 主な加算税は3種類あります。「過少申告加算税」と「無申告加算税」は、単純な計算ミスや失念など意図的でない場合にかけられます。もう一つが、意図的に税をごまかすなど悪質だと判断された場合に、これらに代わって課せられる「重加算税」です。重加算税を課せられるケースが一般に「脱税」と言われます。

 Q 悪質さはどこで判断するの?

 A 所得隠しなどの仮装、隠ぺい行為があったかどうかで判断されます。重加算税の課税割合は35%(無申告だった場合は40%)で、贈与を受けた額が1000万円超であれば、50%の贈与税を支払ったうえに贈与税額の35~40%を課せられます。なお脱税額が1億円を超えたケースなどでは刑事告発されることもあります。

 Q 首相の場合はどうかな。

 A 首相は母親からの資金提供について「知らなかった」としており、仮装、隠ぺい行為が見当たらなければ重加算税が課せられる可能性は低いでしょう。ただし、申告漏れがあったことは事実です。全く申告していなかった首相のケースだと少なくとも無申告加算税(5~20%)が課せられそうです。課税割合は、自主的に申告した場合は5%ですが、国税局の税務調査が行われた後の申告だと20%にはね上がります。今回は検察の捜査で判明しており、自主申告として認められないかもしれません。

 Q なぜこれまで発覚しなかったの。

 A 提供された資金は計12億6000万円に上りますが、一括ではなく、7年間にわたって毎月1500万円ずつ分割して行われていました。こうした家族間の資金の流れは外からは把握しにくいと言われています。(社会部)

 要するに〈首相の地元を管轄する札幌国税局が申告内容が正しいかどうか調査〉中と言うことなら、与謝野馨の首相に対する「平成の脱税王」はまだ未確定のことで、推定無罪を犯したことになる。国税局の精査を待つべきだろう。

 要するに与謝野馨は鳩山邦夫の「母は、兄が『お金を無心してきた』とは言っておらず、母に対して兄が言ったのか、秘書が言ったのかは、知らない」の発言をただ単に「私の質問のときに無心なんて使っていないですよ」とその言葉を使っていないことを以ってして、鳩山邦夫のこの発言自体を一切無視し、「多分、1年半前か2年前かと。この事務所で、全然別な用事で母と電話で話しているときに、お兄さんは、子分を養うために、おカネが大変要るということだと。で、あなたは、どうなのと。あなたは子分いないから、要らないわけ?

 こう言われました。いや、あまり、そういう子分というのはないんだなあって、何か寂しかったと。これが電話の遣り取りの事実です」
の発言だけを把えて、言っていることは事実だと頭から看做して、その看做し事実を基に質問し、「おカネ貰ってたんですよ」と断定しているに過ぎない。

 確かに「無心」という言葉は使っていなくても、大塚が「無心したという言葉をお使いになったかどうかは別として、しかし、完全に、そういう文脈でご質問をされてですね」と指摘しているように、「『兄貴は、まあ、しょっちゅう、お母っさんのところへ行って、子分に配るカネ、子分に、子分にヨウ、子分を養成するカネが必要だ』、おカネ貰ってたんですよ」と、「しょっちゅう、お母っさんのところへ行って」、「カネが必要だ」、「貰っていた」という経緯を踏ませている以上、鳩山首相は無心(=ねだって貰う)に相当する行為をしていたと見ていたことになる。

 だが、与謝野は「私の質問のときに無心なんて使っていないですよ」と言って、同じ意味で言っていることを否定している。いかがわしいばかりではないか。

 大塚は、これこれこう言っていることは無心したと言っていることと同じではないかと本人が言っている言葉を使って具体的に追及すべきをそうはせずに、抽象的な「文脈」という言葉を使って、「そういう文脈でご質問をされてですね」と言ったきりで、続きを「いや、私は与謝野先生にお願いしたいのですがね、私は野党時代、総理とは十数回、質疑をさせていただきました。常に、しかし他党の方であっても、総理に対しては敬意を持って私は、アー、議論させていただきました」などと馬鹿げた発言へとつなげている。

 そうしたことで与謝野の質疑の発言が正否を得ているかどうかから離れて、堂々巡りすることになる。問題点があるところのみを絞るべきを、言う必要のないところまで広げて、逆に与謝野に、「あなたが今言っていることはね、総理大臣だから、無条件に尊敬しろって言ってるんですよ。飛んでもない」とか、「税金を払っていない総理大臣なんていうのは、国民誰も、あの、尊敬なんかしないんですから」とか反論されて、大塚からしたら失点となる、鳩山首相がさもそういった総理大臣であるかのようなイメージを描かせてしまうことになった。

 失点を重ねただけで何ら成果を上げることができないままに堂々巡りした挙句に、田原に「もう一回聞きたい。どこが事実と異なるんだ?」と最初に戻ることになった。

 与謝野は「ね、そのあと私、勝場(元秘書)さんの言ったでしょ。裁判官関係者に言った。おカネは来ていました。――(聞き取れない)金庫に入れました。私が民主党の議員に配った場合もあるし、鳩山自身から議員に渡したこともあります。母親から来たカネを配ったんです。党内で」と言っているが、既に偽装献金の原資は母親から出たカネだと分かっている。それを鳩山首相自身が母親から出させて秘書に回したカネだとするためには、首相本人が否定している以上、勝場の「裁判官に言った」とする証言が決定的な直接証拠でなければならない。だが、首相自身の否定が通用しているのだから、首相の関与を裏付けるどのような証拠の類ともなっていないことを証明している。

 だが、与謝野はさも決定的な直接証拠であるかのように位置づけて、母親から来たカネを配ったんです。党内で」と断定するいかがわしいばかりのゴマカシを働いている。

 大塚は与謝野が「この事件が起きたとき、鳩山さんが、小さなウソをついたんです。ね、だから、次々とウソをつかざるを得なかったと、いうのが今回の事件ですよ」と発言したとき、「すべてを知る立場ではないので、これ以上は申し上げませんけども――」と答えているが、そう答えたなら、間接的に認めることになる。「事実誤認があったから、訂正しただけのことではないのですか?」と可能性としてそういった訂正だったということもあり得ると答えたなら、ウソをついているというイメージを払拭できたはずだ。

 大塚は与謝野の鳩山「ウソつき」発言を否定できなかったから、既に反論されているにも関わらず、「与謝野先生にはしかし私は、国会の中でああいう質問をしちゃあいけない」などと役にも立たないことを再度持ち出さなければならなくなった。

 また与謝野は「鳩山さんはね、もう最初の選挙のときから、ベラボーなおカネを使って、選挙やっている人なんですから。そんなことを知らないなんて言うのはね。で、私はクリーンな政治家ですなんですということはね、全く私は、もう、おこがましいと――」と批判しているが、母親からカネを無心してもらった云々とは関係ない話である。選挙に使ったカネが母親から貰っていた小遣いを長年貯めていたということもあり得る。何しろ、一度の小遣いにしても相当な金額になったに違いない。また、そういったカネを選挙に使ったとしても買収・供応に使わなければ、選挙違反にならなかったはずだ。

 朝日新聞政治担当編集委員、東京大学大学院特任教授とかいう星浩というお偉いさんは鳩山邦夫は首相はお母さんに無心はしていないということは言っているけれども、ときどきぼやいてるんだっていう遣り取りは残っている。与謝野はそれを裏づけとして取ってあって、練りに練って用意周到に質疑を行っているから、大塚の不確かな事実に基づいて間違ったことを言っているという批判に対して突き崩せない部分があるかなと、お偉いさんらしくわけの分からないことと言っているが、人間の発言が遣り取りとして残って、それが事実の裏づけとなるとする認識は人間は決してウソの発言をしないという認識、あるいは発言に対する解釈がすべて正しい、間違った解釈は存在しないという認識を同時併行させなければ成り立たない。

 当然、鳩山邦夫の発言が真正な事実だとしても、解釈の仕方によってその事実が意味するところは違ってくるはずで、与謝野が鳩山邦夫の話をいくら「正確に再現したんです」と言っても、結果として正確な表現とはならない。単に言ったことは事実だからと看做して、言ったとおりの表面的な、あるいは額面どおりの解釈に立って事実を事実としているに過ぎなくなる。

 鳩山邦夫が「母は、兄が『お金を無心してきた』とは言っておらず、母に対して兄が言ったのか、秘書が言ったのかは、知らない」と言っている以上、「多分、1年半前か2年前かと。この事務所で、全然別な用事で母と電話で話しているときに、お兄さんは、子分を養うために、おカネが大変要るということだと。で、あなたは、どうなのと。あなたは子分いないから、要らないわけ?

 こう言われました。いや、あまり、そういう子分というのはないんだなあって、何か寂しかったと。これが電話の遣り取りの事実です」
がどういった事実を示しているのか、あるいは母親がどういった事実を示唆していたのか解釈し直してみるべきだろう。

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