改めて与謝野馨のいかがわしいばかりのサンデープロジェクト大塚耕平との議論内容

2010-02-17 07:03:55 | Weblog

   ――民主党に衆・参両院過半数のチャンスを与えよう――

 15日に当ブログで、《サンデープロジェクト、いかがわしさばかりが目立った自民与謝野馨の民主党大塚耕平とのバトル》をエントリーしたが、改めてサンデープロジェクトで演じた与謝野のいかがわしさを別角度から取り上げてみる。

 《TweetBuzz - YouTube 》動画で見る、予算委員会での与謝野馨の鳩山首相に対する追及シーンをサンデープロジェクトは最初の場面で次のように紹介している。

 〈与謝野(12日の衆議院予算委員会)「平成に入ってから、こんなに多額の税金を脱税した人間はいないんですよ、まさに平成の脱税王なんです。そんな人がですよ、総理大臣の座に座っているってことは、おかしいんです。

 去年、1年半ぐらい前ですかねぇ。鳩山邦夫さんとお目にかかったんですよ。彼がぼやくんですよ。『うちの兄貴は、まあ、しょっちゅう、お母っさんのところへ行って、子分に配るカネ、子分に、子分にヨウ、子分を養成するカネが必要だ』、おカネ貰ってたんですよ」〉――

 次にサンデープロジェクトのスタジオに移ってからの田原と与謝野の最初の会話シーンは次のように取り交わされている。

 〈田原総一郎「与謝野さん、金曜日のあの会話、国民はみんな唸りましたよ」

 与謝野「あー、そうですか」

 田原「自民党がね、鳩山さんと小沢さん、批判しているんだけど、みんな同じでね、変化がなかった。与謝野さん、思い切っておやりになった。それに対してね、今ビデオにありましたけども、(フリップを持ち、そこに書いてある文字を指差して読み上げる)鳩山さんが全くの作り話であると。どっちが作り話なんだね」

 与謝野「これはね、この証言のあと、あのー、鳩山邦夫さんが、私の事務所に来ましてね――」

 田原「あ、ここだ」

 与謝野「うん、それでお目にかかって、あれは、俺と母の会話なんだと。どういう会話したかなんて、兄貴の証明も否定もできないだろうって。聞いたんだ、と」

 田原「聞いたんだと」

 与謝野「うん。だけど、私の質問のときに無心なんて使っていないですよ」

 田原「そうですねー。(フリップを持ち上げ)おカネを貰ったんですと。いたんですと」

 与謝野「そう、そう」

 田原「うん、うん」

 与謝野「貰ったんですよ」(自分で頷く)

 田原「あっ、わざわざー、あの、鳩山邦夫さんが与謝野さんのところに来られて――」

 与謝野「それはあの、今日の質問はよかったと」

 田原「よかったと」

 与謝野(力強く)「うん。私があの話を裏付けますと、そう言ってました」

 田原「あ、よかったと言ったんですか」

 与謝野「うん」〉――――

 ここで初めて民主党の大塚耕平の姿が写る。この動画を見る限り、最初からテーブルに座っていたのか、少し遅れてきて、田原と与謝野の会話が始まってから席に着いたのか分からない。

 どちらであっても、サンデープロジェクトは「元財務大臣として政府予算に物申す」与謝野馨に対して「迎え撃つは民主党切っての政策通、大塚金融副大臣」の「真っ向対決だっ」と煽り立てておきながら、最初の論点が「無心」して実際にカネを貰っていたかどうかにあったにも関わらず、与謝野馨が、「うん。だけど、私の質問のときに無心なんて使っていないですよ」と言ったとき、まるでそのときその場面に存在していなかったかのように割って入って論駁することを一切していない。

 大塚耕平が最初に画面に写って行った発言は、「これは先ず、与謝野先生に申し上げたいのは、あのー、先生にはこういう質問はしていただきたくなかった」であった。田原が、「それはいい、それは」と遮ったのに対して、初めて与謝野が国会で追及した「無心」したかどうかに関わる論点に触れている。

 〈大塚「いやいや。僕は尊敬しているんで。あのー、自民党のみなさんも与謝野さんにこの役回りをやらしちゃあ、ダメです。そして、これが事実ならいいけど、きのう鳩山邦夫さんは、あー、記者会見、ぶら下がりだったか、どちらかですが」

 田原「昨日?」

 大塚「そうですね。そのー、総理が、そういうお母さんにお願いをしたということを言ったつもりはないというふうに――」

 与謝野「えっ、そんなこと言ってる?」

 大塚「いや、鳩山邦夫さんの記者会見録をどうぞ」

 田原「ちょっと見せて。読んで、そこんところ。何て言っている?」〉――

 大塚「どうぞ、これを差し上げます」

 田原「だから、読んで。何て書いてあるの?」

 大塚「あの、これは私もいただいたものなんで、記者さんの書きお越しですけどね」

 田原「ハイ」

 大塚『兄がお袋におカネを無心したなどと言うことはありません。私が聞いた中には一切ありません。兄が母におカネを無心したということは母から聞いておりません。首相が母に無心、邦夫氏が証言――何て書かれると、そこは私の、私はそのようなことは言っておりません』

 もうね、このアンダーラインのところ、どうぞ与謝野先生、お読みください。で、私はあのー――」〉――――

 与謝野馨はここで、「えっ、そんなこと言ってる?」と驚いている。鳩山邦夫が記者会見して、「無心」を否定していたことを初めて知ったわけであって、そのことを証明する発言となっている。

 だが、与謝野馨は12日の衆議院予算委員会で首相が母親から「おカネ貰ってたんですよ」と追及する場面からサンデープロジェクトのスタジオに移ってからの大塚耕平が加わっていない田原と与謝野の二人だけの遣り取りの最初の方で既に「無心」という言葉を使っているが、念のために最初の会話シーンから改めて記述する。

 〈田原総一郎「与謝野さん、金曜日のあの会話、国民はみんな唸りましたよ」

 与謝野「あー、そうですか」

 田原「自民党がね、鳩山さんと小沢さん、批判しているんだけど、みんな同じでね、変化がなかった。与謝野さん、思い切っておやりになった。それに対してね、今ビデオにありましたけども、(フリップを持ち、そこに書いてある文字を指差して読み上げる)鳩山さんが全くの作り話であると。どっちが作り話なんだね」

 与謝野「これはね、この証言のあと、あのー、鳩山邦夫さんが、私の事務所に来ましてね――」

 田原「あ、ここだ」

 与謝野「うん、それでお目にかかって、あれは、俺と母の会話なんだと。どういう会話したかなんて、兄貴の証明も否定もできないだろうって。聞いたんだ、と」

 田原「聞いたんだと」

 与謝野「うん。だけど、私の質問のときに無心なんて使っていないですよ」〉――――

 田原か誰か第三者に指摘されたか、本人が直接新聞かテレビの情報に触れて鳩山邦夫の発言を知り得ていなければ出てこない「うん。だけど、私の質問のときに無心なんて使っていないですよ」〉であろう。

 いわば鳩山邦夫の「『兄がお袋におカネを無心したなどと言うことはありません。私が聞いた中には一切ありません。兄が母におカネを無心したということは母から聞いておりません。首相が母に無心、邦夫氏が証言――何て書かれると、そこは私の、私はそのようなことは言っておりません』の発言が最初にあって、それを受けて与謝野の「うん。だけど、私の質問のときに無心なんて使っていないですよ」の発言が出てきたとしなければ、矛盾した不自然な展開となる。

 そうであるなら、鳩山邦夫が与謝野の事務所に来て、「うん、それでお目にかかって、あれは、俺と母の会話なんだと。どういう会話したかなんて、兄貴の証明も否定もできないだろうって。聞いたんだ、と」は、「うん。だけど、私の質問のときに無心なんて使っていないですよ」の自己正当化のための補強説明ということになる。

 だが、この補強説明は与謝野の予算委員会での追及の言葉の展開からすると、無心してカネを貰ったとする意味で言っていたのだから、鳩山邦夫の「無心」否定発言との矛盾を突かれた場合の予防線とする牽強付会に相当し、いかがわしばかりの自己弁護、いかがわしいばかりの自己正当化に当たる。

 鳩山邦夫の言う「俺と母の会話」とは、「多分、1年半前か2年前かと。この事務所で、全然別な用事で母と電話で話しているときに、お兄さんは、子分を養うために、おカネが大変要るということだと。で、あなたは、どうなのと。あなたは子分いないから、要らないわけ?

 こう言われました。いや、あまり(フッと短い笑いを漏らして)、そういう子分というのはないんだなあって、何か寂しかったと。これが電話の遣り取りの事実です」
のことである。

 但し、「母は、兄が『お金を無心してきた』とは言っておらず、母に対して兄が(「子分を養うために、おカネが大変要る」ということを)言ったのか、秘書が言ったのかは、知らない」とも言っているから、「俺と母の会話」のみをを電話で遣り取りした言葉通りに単に忠実に再現しただけのことで、「母は、兄が『お金を無心してきた』とは言って」いない以上、母親がどういった斟酌、あるいは懸念の類のもとに電話してきたかは、それぞれの解釈が成り立つ。

 与謝野が後で自分は間違っていない、正しいとする根拠として挙げた発言の、「いや、私もぼやいた話を聞きましたと。そのぼやいた話を、委員会の質問でしていいかと、鳩山邦夫さんに聞いたら、正確に表現してくれるなら、結構ですよと、言うんで、正確に再現したんです」は「俺と母」の電話の遣り取りを「正確に再現」しただけのことで、あとの「母は、兄が『お金を無心してきた』とは言っておらず、母に対して兄が言ったのか、秘書が言ったのかは、知らない」はその「正確な再現」からこぼれていたということであろう。

 こぼれていなければ、「おカネ貰ってたんですよ」という与謝野の国会で使った言葉は出てこない。

 となると、鳩山邦夫が言ったと与謝野が説明してる、「うん、それでお目にかかって、あれは、俺と母の会話なんだと。どういう会話したかなんて、兄貴の証明も否定もできないだろうって。聞いたんだ、と」は「俺と母」の電話の遣り取り限って、実際にそのとおりに会話したのだから、「兄貴の証明も否定もできないだろう」と言っただけのことで、「無心」云々に関して「兄貴の証明も否定もできないだろう」と言ったわけではないことになる。

 いずれにしても鳩山邦夫が記者会見し、その発言を記者が文字に書き起こして大塚耕平が公表した、「「兄がお袋におカネを無心したなどと言うことはありません。私が聞いた中には一切ありません。兄が母におカネを無心したということは母から聞いておりません。首相が母に無心、邦夫氏が証言――何て書かれると、そこは私の、私はそのようなことは言っておりません」を鳩山邦夫も与謝野も抜け落ちさせた「兄貴の証明も否定もできないだろう」となっている。

 そして与謝野はいかがわしいまでに最後までこのことを無視している。

 だが、何よりも与謝野がいかがわしい点は、田原か誰か第三者に指摘されたか、本人が直接新聞かテレビの情報に触れたかして鳩山邦夫の「無心」否定発言を知った上で、「うん。だけど、私の質問のときに無心なんて使っていないですよ」と強弁を働かせて自己正当化を図っておきながら、大塚耕平から、鳩山邦夫の記者会見で言った「兄がお袋におカネを無心したなどと言うことはありません」云々の発言を伝えられると、「えっ、そんなこと言ってる?」と初めて聞いたかのように驚いてみせたところに明確如実に現れている。

 この狡猾この上ないいかがわしさは長年政権に携わって煮ても焼いても食えなくなった、海千山千の与党所属のベテラン政治家だけのことはある称賛ものと言える。

 与謝野馨が国会の場やテレビの討論番組でどんなに立派な言葉を巧妙に駆使して対立者を追及しようとも、与謝野が自己正当化のためには手段を選ばずに見せるいかがわしさは、その人間性から払拭できるものではないだろう。

 最後に与謝野はこう言っている。

 「鳩山さんはね、もう最初の選挙のときから、ベラボーなおカネを使って、選挙やっている人なんですから。そんなことを知らないなんて言うのはね。で、私はクリーンな政治家ですなんですということはね、全く私は、もう、おこがましいと――」 

 この言葉をそっくり返すとするなら、「与謝野さんはね、自己正当化のためには手段を選ばないいかがわしいばかりの詭弁を用いる人なんですから、そんなことを知らないなんて言うのはね。で、私はいかがわしさと無縁な政治家ですなんですということはね、全く私は、もう、おこがましいと――」言うこともできるはずである。

コメント (4)
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