安倍晋三が2020年東京オリンピック開催を成し遂げ、地方創生を言う矛盾

2014-08-04 07:56:52 | Weblog




【謝罪と訂正】

 何度も謝罪と訂正を繰返してすみません。

 前日8月3日のブログ――《西東京市14歳中学生虐待首吊り自殺、学校・担任は責任回避のために死人に口なしをいくらでも利用できる - 『ニッポン情報解読』by手代木恕之》で、最後の文章が乱れていることに今朝気づきました。次のように訂正しておきました。

 〈要するに学校・担任は虐待のパターンや、実際には虐待であるにも関わらず虐待を受ける側の児童・生徒の虐待を否定するパターンを考えることもせず、“強くするために殴る”指導が真に教育的に正当化され得るのかどうかも考えることもせず、「子どもを育てる熱意が強い」継父像をつくり上げたということは、事実そのとおりだと錯覚していたとしても、結果的に男子生徒の自殺に対して学校・担任は責任回避の正当化を謀ったことになる。

 例えどのように正当化を謀ったとしても、自殺した生徒が既に死人に口なしである。どのようにも責任回避の正当化を図ることができる。〉――

 すみませんでした。

 安倍晋三は7月20日、横浜市で講演、「地方創生」関連の法案を秋の臨時国会に提出する考えを明かした。

 安倍晋三「魅力あふれる地方を創造していく。金太郎アメのような町をつくっても東京や大阪に太刀打ちできない」(MSN産経

 人口減少対策や地域経済活性化に取り組む「まち・ひと・しごと創生本部」の発足に向けた準備室を近く立ち上げるということである。

 安倍晋三は日本時間の7月2日夜の訪問先ブラジル・サンパウロでの記者会見でも同じことを言っている。

 安倍晋三「デフレ脱却は道半ばであり、景気回復の実感を全国津々浦々に届けていかなければならない。『地方創生』という大きなテーマにも取り組み、新たな安全保障法制に向けた準備も本格化していかなければなりません。新たなスタートを力強く切るために、心静かに準備を進めていく夏にしたい」(NHK NEWS WEB

 統一地方選挙が来年2015年4月に予定されている。統一地方選挙向けのアドバルーンなのだろうか。だとしても、何らかの成果を上げるべくカネをかけることになる。しかしどれ程の効果が上がるだろうか。

 東京オリンピック開催を決めて、2020年に向けて東京再開発に突き進めば、ヒト・モノ・カネはなおのこと東京一極集中に向けて流れ込むことになる。地方のヒト・モノ・カネを奪うことでその一極集中は成り立つ。

 にも関わらず、地方創生を言う。

 2020年オリンピック開催都市国が決まっていなかった2013年1月7日の当ブログ記事―― 《猪瀬都知事の「東京が日本を支えないといけない」の中央集権体制思想下での東京オリンピック反対 - 『ニッポン情報解読』by手代木恕之》に反対の理由を次のように書いた。

 〈東京は2020年夏季オリンピック開催都市に立候補している。もし招致に成功したなら、東京のヒト・モノ・カネの一極集中はなお加速化して巨大都市として膨れ上がるだろうが、高度成長初期時代に東京を代表として都市が地方のヒトを吸収し、ヒトの吸収に伴ってカネ・モノをも吸収していったように地方のヒト・モノ・カネを逆に吸収、もしくは搾取することになり、そのよな東京の一極集中と併行して地方の疲弊が進行することになるだろう。

 ヒトが移動すれば、移動したヒトが稼ぐカネも移動することになり、そのヒトが消費するモノもヒトの移動に伴って移動することになる。

 ヒトの地方から都市への移動が地方のヒト・モノ・カネを損なっていく、最悪搾取されるという構造を取ることになる。

 以上の意味で、2020年東京オリンピック開催には反対である。〉――

 東京の再開発を、《BEYOND 2020 東京・首都圏 未来予想図》 itot)から主なところを拾ってみる。

  itot(あいとっと)とは地域情報サイトだと紹介されている。

 竹芝地区の都市再開発

 竹芝地区は、〈国際化が進む「羽田空港」と都心を結ぶ延長線上に位置し、旧芝離宮恩賜庭園と浜離宮恩賜庭園という二つの歴史的景観資源が近辺に存在、複数の劇場など文化芸術施設や都市型ホテルも有して〉いて、都有地を利用して東京に国際企業のアジア統括拠点及び研究開発拠点を誘致しようとする「アジアヘッドクォーター特区」の指定地域ともなっているということである。

 ここでの大規模都市開発は当然、日本国内の地方からだけではなく、アジア・世界からも現在以上にヒト・モノ・カネを呼び込むことになる。

 葛飾区新宿(にいじゅく)都市再開発

 葛飾区が葛飾区新宿(にいじゅく)にあった三菱製紙中川工場の広大な跡地を中心にして新宿(にいじゅく)6丁目周辺を大規模に再開発、既にオープンしている東京理科大学葛飾キャンパスを核として新たな「学園都市」を構想、総合的には住宅、文化、教育、交流、医療福祉など複合的な都市機能の導入を計画していると紹介している。

 発展が発展を呼び、今以上にヒト・モノ・カネの流れを誘い込む。

 2027年開業予定のリニア中央新幹線も東京再開発の一環として紹介し、開業年の前倒しに期待を示している。開業ともなれば、ヒト・モノ・カネの流れは東京から地方へ向かう以上に地方から東京へと向かうことになるだろう。

 足立区千住大橋駅周辺の都市再開発

 東京駅から7km圏に位置する足立区千住大橋駅周辺のニッピ及びリーガルコーポレーションの大規模工場敷地の土地利用転換を柱として、「みらい千住 ポンテグランデTOKYO」と名付けた千住大橋地区全体の再開発計画。

 計画内容は共同住宅を中心とした商業施設、フットサルコートや公園等の遊戯施設、保育園や医療施設等の建設。地域に根付いた活気あふれる街づくりを目指していて、住宅街区では2013年11月14日時点で既に分譲マンションが完成し、入居が始まっているという。

 その他、いくつかの都市再開発を紹介している。築地市場が豊洲新市場に移転すれば、跡地の南側一部は環状2号線臨海部区間の建設用地となるそうだが、残る跡地の都市開発も進み、ヒト・モノ・カネを集めることになるはずだ。

 このように急ピッチで進められている、あるいは進めようとしている東京大規模再開発に匹敵する全国規模の地方創生は果たして可能だろうか。地方創生を契機とした東京から地方へのヒト・モノ・カネの逆流は果して可能だろうか。

 逆流なくして地方の過疎化は止めることはできない。東京へのヒト・モノ・カネの一極集中を止めたでけでは、地方に於ける過疎化の現状を維持するだけとなる。

 2020年東京オリンピック開催を決めたこと自体が東京再開発の大部分の刺激剤となったはずだ。いわば2020年東京オリンピック開催を決めて地方創生を言うことは矛盾しているということである。

 東京開催にかかるカネを多くの識者が指摘するように東京の都市機能の一部、例えば極度に集中している大学施設を地方に分散する等の方法を採用して振り向けなければ、ヒト・モノ・カネの東京一極集中の流れを緩めることはできない。

 日本の政治が地方創生を果たすことのできる程の政治力を有していたなら、こうまでも地方の衰退を招かなかったはずだ。要するに東京一極集中を図った政治の代償が地方の衰退であるはずだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする