■臨時情報-ウクライナ情勢
防衛省はスターリンク衛星の運用契約を結ぶようですがこの種の宇宙空間での戦闘での優位を喪失した場合の備えとなる航空機は考える必要があると思う。
ロシア航空宇宙軍はワグネル反乱による六月の十五時間事件において貴重なイリューシン22M空中指揮機を喪失しました。イリューシン22M空中指揮機はロシア軍に12機が配備されている航空機で、これまで損失を避ける為にロシアウクライナ戦争開戦後は慎重にウクライナ軍地対空ミサイル等を避けロシア内陸部において作戦を支えてきた航空機です。
イリューシン22M空中指揮機はその名の通り空中指揮統制を行い、また無線中継任務にも用いられ、ウクライナ軍はスターリンク衛星によりデータ通信体制を確立していますが、スターリンク衛星の恩恵に与れないロシア軍には貴重な航空機でしたが、運悪くワグネルの車列付近を飛行していた為、敵対機と見做され防空砲兵装備により撃墜されてしまう。
ロシア軍作戦全般への影響ですが、先ず戦死者に5名前後の佐官が含まれており、イリューシン22M空中指揮機を使いこなす事が出来る要員がいっきに多数失われたことの衝撃が大きいでしょう。イリューシン22M空中指揮機そのものはまだ11機残っていますが、稼働率という側面で観れば完全に飛行できていた一機の喪失という衝撃は小さくありません。
■ルガンスク野戦飛行場
冷戦時代に自衛隊もソ連軍の”アンブル”空中機動部隊を警戒していましたがこうした脅威となる敵野戦飛行場への対応策は検討しておくべき課題です。
衛星写真などの解析によればロシア軍は22日までにウクライナからの占領地でルガンスク周辺の国境近くに新しい野戦飛行場を造成している様子が確認されました。建設されているのは滑走路部分で、少なくとも現在整地されている部分だけで補給部隊の車両などが整えば連隊規模のヘリコプター部隊が展開するには十分な規模であると推測できます。
ロシア軍は南部地域の防衛線でヘリコプター部隊による大きな戦果を挙げており、特に野砲の射程で劣るロシア軍は機動力の高い戦闘ヘリコプターや武装ヘリコプターを集中させることで大きな戦果を挙げていますが、一方で既設飛行場はイギリスから供与の射程250㎞のストームシャドウミサイルによる攻撃に晒される懸念があり、新設が必要です。
ジェルジンスクの前線ではMi-24戦闘ヘリコプターによるロンド攻撃が行われています、これはメリーゴーランド状に航空部隊を待機させ絶え間ない攻撃を加えるというもので、ロンド攻撃はロシア軍は2014年のシリア内戦介入後に多用している攻撃の一つ、現状で有力な防空砲兵の前線支援を受けないウクライナ軍には厳しい状況となっています。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
防衛省はスターリンク衛星の運用契約を結ぶようですがこの種の宇宙空間での戦闘での優位を喪失した場合の備えとなる航空機は考える必要があると思う。
ロシア航空宇宙軍はワグネル反乱による六月の十五時間事件において貴重なイリューシン22M空中指揮機を喪失しました。イリューシン22M空中指揮機はロシア軍に12機が配備されている航空機で、これまで損失を避ける為にロシアウクライナ戦争開戦後は慎重にウクライナ軍地対空ミサイル等を避けロシア内陸部において作戦を支えてきた航空機です。
イリューシン22M空中指揮機はその名の通り空中指揮統制を行い、また無線中継任務にも用いられ、ウクライナ軍はスターリンク衛星によりデータ通信体制を確立していますが、スターリンク衛星の恩恵に与れないロシア軍には貴重な航空機でしたが、運悪くワグネルの車列付近を飛行していた為、敵対機と見做され防空砲兵装備により撃墜されてしまう。
ロシア軍作戦全般への影響ですが、先ず戦死者に5名前後の佐官が含まれており、イリューシン22M空中指揮機を使いこなす事が出来る要員がいっきに多数失われたことの衝撃が大きいでしょう。イリューシン22M空中指揮機そのものはまだ11機残っていますが、稼働率という側面で観れば完全に飛行できていた一機の喪失という衝撃は小さくありません。
■ルガンスク野戦飛行場
冷戦時代に自衛隊もソ連軍の”アンブル”空中機動部隊を警戒していましたがこうした脅威となる敵野戦飛行場への対応策は検討しておくべき課題です。
衛星写真などの解析によればロシア軍は22日までにウクライナからの占領地でルガンスク周辺の国境近くに新しい野戦飛行場を造成している様子が確認されました。建設されているのは滑走路部分で、少なくとも現在整地されている部分だけで補給部隊の車両などが整えば連隊規模のヘリコプター部隊が展開するには十分な規模であると推測できます。
ロシア軍は南部地域の防衛線でヘリコプター部隊による大きな戦果を挙げており、特に野砲の射程で劣るロシア軍は機動力の高い戦闘ヘリコプターや武装ヘリコプターを集中させることで大きな戦果を挙げていますが、一方で既設飛行場はイギリスから供与の射程250㎞のストームシャドウミサイルによる攻撃に晒される懸念があり、新設が必要です。
ジェルジンスクの前線ではMi-24戦闘ヘリコプターによるロンド攻撃が行われています、これはメリーゴーランド状に航空部隊を待機させ絶え間ない攻撃を加えるというもので、ロンド攻撃はロシア軍は2014年のシリア内戦介入後に多用している攻撃の一つ、現状で有力な防空砲兵の前線支援を受けないウクライナ軍には厳しい状況となっています。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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