■多極化時代
ロシアウクライナ戦争の長期化は、その背景となる要因が世界規模で同じことから条件が揃えば朝鮮半島や台湾海峡や東南アジア北部などにおいても同様の事態が生じるという事を理解すべきです。
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多極化時代、このことばは1980年代より既に使われていましたが、2020年代半ばは顕著さを増しているように思えます、その背景として北朝鮮を筆頭に核兵器拡散の流れ、トルコの航空母艦建造や中東欧諸国の国防近代化、なにより中国の経済と海洋における台頭を挙げます。
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単極主義、2000年代まではアメリカの東西冷戦後における規範形成の主導権を一例として、多極化時代とは真逆の方向へ進んでおり、一方でそのアメリカが示した国際公序、自由主義と民主主義や配分的正義と原初状態での平等という価値観は、国際政治に世界政治という視座をあたえた。
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世界政治ということばは一時期模索されたものの、権威主義国家の台頭を背景にいつのまにか使われなくなりましたが、アメリカの価値観の延長線上での非国家アクター、多国籍企業や非国家組織、地域共同体枠組と同盟条約以外の国際協調の枠組みが、国際政治に影響を与える様なる。
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条約のような確たる制度への法的位置づけという国家の行動を制約するものから、原則宣言や議定書など、批准も離脱も自由度をました枠組みが国家間の位置関係に自由度を持たせましたが、それがかえって国家方針に冗長性を与え、結果として縛られない関係が多極化を押し進めた。
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単極世界の価値観において多様化を生む多極化世界という、政治システムの序列のようなものが形成されてゆくのかと2000年代には考えられ、世界システム論という巨視的歴史理論の延長線上、世界政府は生まれないが国際公序は一つに収斂しうるという理論が議論されたのは十数年前です。
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巨視的歴史理論の理解は、しかし権威主義国家が民主主義から生まれるという過去の歴史、全体主義の起源、というような歴史をもう少し理解する必要がありました、なぜならば制度全体を理解しないままに一部の先導者、先駆者、扇動者が方向性を制度化し国際公序から離れる事が可能なのですから。
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二極主義の東西冷戦をへて単極主義となりましたが、この一連の流れとして国際政治への参画アクターが多極化したことで世界政治、と説明されるべき国の際という制度が変容しましたが、この流れを世界システム論から説明した場合、逸脱行為に対する制度としての抑制も低下することを示します。
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権威主義国家はこうした流れの元で生まれました。一方、最大多数の最大幸福、こう説明された民主主義制度は、結果的に収斂する先は最大幸福という視座となるのでしょうが、政治システム論や政治過程論をみればわかるとおり、支持と政策と出力はどうしても時間と遠回りを要する。
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政治過程論を、選挙を省いて一定数の支持層を階層の上位に設定し施策を民主主義的過程を踏まえず進めるものが権威主義国家となるのですが、この仕組みを図式化しますと単純、つまり、権威主義国家は指導層が目的を達成するために回り道を必要とせず、短期間で目的に取り組めます。
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さて、げん状に目を戻しますと、多極化時代、つまり単極主義時代のアメリカが有したポテンシャルが、アメリカにしか供給できないものが限られ、またアメリカにしか供給できないものの供給をアメリカ自身が世論として拒むようになり、この結果、多極化が様々な分野で続く循環が成り立ちました。
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民主主義国家は、ポピュリズムが台頭した場合には理知的な考える政治と市民の参画という枠組みよりも、朝三暮四的な多少矛盾していてもわかりやすい制度に支持を集める傾向が有り、この点はアメリカだけで無く2000年代初頭に我が国でも政権交代の際に痛感させられたところですが。
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全体主義の起源、この視座は戦後間もない頃の戦前を検証した理論でしたが、実のところこの背景となる要素は、ジニ係数などにみる過度な貧富拡大や教育、そしてなによりファクトチェックされた情報の過疎地域が拡大することで現代においてもそのまま当てはまることに気づくところです。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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ロシアウクライナ戦争の長期化は、その背景となる要因が世界規模で同じことから条件が揃えば朝鮮半島や台湾海峡や東南アジア北部などにおいても同様の事態が生じるという事を理解すべきです。
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多極化時代、このことばは1980年代より既に使われていましたが、2020年代半ばは顕著さを増しているように思えます、その背景として北朝鮮を筆頭に核兵器拡散の流れ、トルコの航空母艦建造や中東欧諸国の国防近代化、なにより中国の経済と海洋における台頭を挙げます。
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単極主義、2000年代まではアメリカの東西冷戦後における規範形成の主導権を一例として、多極化時代とは真逆の方向へ進んでおり、一方でそのアメリカが示した国際公序、自由主義と民主主義や配分的正義と原初状態での平等という価値観は、国際政治に世界政治という視座をあたえた。
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単極世界の価値観において多様化を生む多極化世界という、政治システムの序列のようなものが形成されてゆくのかと2000年代には考えられ、世界システム論という巨視的歴史理論の延長線上、世界政府は生まれないが国際公序は一つに収斂しうるという理論が議論されたのは十数年前です。
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権威主義国家はこうした流れの元で生まれました。一方、最大多数の最大幸福、こう説明された民主主義制度は、結果的に収斂する先は最大幸福という視座となるのでしょうが、政治システム論や政治過程論をみればわかるとおり、支持と政策と出力はどうしても時間と遠回りを要する。
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政治過程論を、選挙を省いて一定数の支持層を階層の上位に設定し施策を民主主義的過程を踏まえず進めるものが権威主義国家となるのですが、この仕組みを図式化しますと単純、つまり、権威主義国家は指導層が目的を達成するために回り道を必要とせず、短期間で目的に取り組めます。
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民主主義国家は、ポピュリズムが台頭した場合には理知的な考える政治と市民の参画という枠組みよりも、朝三暮四的な多少矛盾していてもわかりやすい制度に支持を集める傾向が有り、この点はアメリカだけで無く2000年代初頭に我が国でも政権交代の際に痛感させられたところですが。
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全体主義の起源、この視座は戦後間もない頃の戦前を検証した理論でしたが、実のところこの背景となる要素は、ジニ係数などにみる過度な貧富拡大や教育、そしてなによりファクトチェックされた情報の過疎地域が拡大することで現代においてもそのまま当てはまることに気づくところです。
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